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店にあるもの
すべてに理由がある
料理道具の伝え方

「この店に置いてあるもの、すべてに理由があるんです。なぜメーカーがこういうつくりにしたのか。どんな背景で生まれたのか。それらをちゃんと理解して、おもしろがって、プロとしてお客さまに伝えていく。うちの仕事はそれに尽きるんです」

そう話すのは、キッチン用品専門ブランド「Flying Saucer(フライングソーサー)」を運営する清水さん。

鍋やフライパン、カトラリー、グラスなど。「丁寧な暮らし 美味しい道具」を掲げるフライングソーサーは、自分たちで開発したオリジナルの料理道具や、さまざまなメーカーから仕入れた商品を、店舗とWebサイトで販売しています。

今回、複数のポジションでメンバーを募集します。

まずは、「広報兼ショップスタッフ」。InstagramやFacebookを中心に発信業務を担いながら、週に2〜3日は店頭での接客販売を担当します。販売職やSNS運用の経験があって、ほかの分野へスキルを伸ばしていきたいと思う人には、ぴったりの環境です。

そして、楽天やAmazon、自社ECサイトなど、オンラインの注文に対応する「受発注事務」。サンクスメールの送信や発送準備などが主な仕事で、細かな気遣いや裏方仕事が得意な人に向いていそう。

最後に、「Webページの更新」を担当する人。新商品やイベントの案内など、日々のページ制作に取り組むため、Photoshopやillustrator、HTMLのスキルや知識がある人だと好ましいです。

いずれの仕事も、正社員かアルバイトを選択可能。アルバイトの場合、勤務時間やスキルを考慮して、担当業務を相談しながら決めることができます。

一番に求めているのは、真面目に素直に仕事に取り組める人。そして、日々どっぷりと浸かる料理道具の世界をおもしろいと思える人。

自分の「好き」や「得意」に重なりそうな部分があるか、まずはフライングソーサーのことを知ってもらえたらうれしいです。

 

フライングソーサーの中野本店があるのは、沼袋駅から歩いて10分ほどの住宅街。JR目白駅からは、バスに乗って15分ほど。

車が行き交う通り沿い、学校の向かいに、クリーム色の建物が見えてくる。

もともと業務用のお店だったので、近隣の人以外は「わざわざ」訪れるような立地にある。

水曜日の今日は定休日。静かな店内でお話を聞かせてもらう。

「今、お店の営業日は土日祝と月曜日だけ。ECのほうが伸びているのと、人手も足りていないので、休みを増やしたんです。でも、Webでお店のことを知って、遠方から来てくれる方も多いんですよ」

そう話すのは、フライングソーサーを運営する、東興株式会社代表の清水さん。

もともとの事業は、料理人たちに向けた業務用の食器や料理道具の販売。清水さんが2代目代表となってから、一般家庭向けにも販売をはじめた。

自ら目利きした仕入れ品に加えて、オリジナル商品の開発にも取り組み、計1800点以上の商品を扱ってきた。

「この店に置いてあるのは、全部が完璧な商品というわけじゃない。でも、すべてに理由があるんです」

たとえば、昨年開発したオリジナルの中華せいろ。国産のヒノキを使い、職人さんがハンドメイドでつくっている。

生産には時間がかかるものの、手づくりならではの「巻き」の隙間が水蒸気をよく吸うので、食材がベタベタせずにおいしく蒸し上がる。

それぞれの商品の特性をしっかりお客さんに伝え、納得したうえで商品を買ってもらいたい。

その姿勢は、店舗での販売に限らず、WebサイトやSNSを通じたコミュニケーションにも通じる。

「これ、立って持ってみてください。次に、座って同じように持ってみて」

そう清水さんに渡されたフォークとナイフを、言われた通りに持ってみる。

重さが違う…?

「違うでしょう。重心の位置が変わると、感じ方が変わるんです。だから立ったままカトラリーを選んでいる人がいたら、『おかけになったときに、一番しっくりくるものを選んでください』って、椅子にご案内する。それがプロとしての接客なんです」

「こういうポイントが一つひとつの商品にある。まず自分がそれを理解できないとお客さまに伝えられない。最初はわからなくて当然なんです。教えるから、それを素直に学ぶ気持ちが大切。ここをおもしろいと思えないと、うちの仕事はきっとつまらないよね」

オーブンで調理してそのまま食卓に出せる耐熱皿。鏡面仕上げで内面に汚れがつきにくい鍋。

次々と商品を紹介してくれる清水さん。

聞いていると、とてもおもしろい。けれど実際働くとなると、日々あらゆる商品についてインプットして、いずれは語る側になる必要がある。

そこまで想像すると、単に「料理が好き」を超えて、マニアックなくらい料理や道具を探求できる人のほうが、楽しく働き続けられそうだ。

「道具も貸し出せるから、どんどん使ってみてほしい。まず使ってみたいと思えない人は、はっきり言って求めていないです。『好きこそものの上手なれ』じゃないけど、自分で使ってみていいと思ったら、伝えることもきっとできるはずだから」

 

働くなかで知識が身についていけば、立場に関わらずオリジナル商品の開発に携われることも、フライングソーサーの醍醐味。

スタッフの橋本さんは、法人営業のかたわら商品開発に関わっている。

「さっき話に出ていたせいろは、全部一人の職人さんがつくっているんですよ。つくれる数は限られていても、オーダーは入ってくるので、スケジュールなどの調整が欠かせません」

最近の大きな仕事は、定番商品である「深型フライパン」のリニューアル。ガスでもIHでも側面まで均一に加熱されて、おいしく料理が仕上がると人気の商品だ。

一般的なフライパンは、ハンドルを取り付けるため、内側に3つほどビョウがある。一方の深型フライパンは、内面がすべてフラットなつくりとなっている。

「ただ、このハンドルは取り付けに特殊な技術が必要で。8年くらい前に、委託先のメーカーさんの都合でつくれなくなっちゃって、しばらくはビョウがあるタイプでやっていたんです」

「でもやっぱりフラットなほうが洗いやすいし、お客さんからも以前の評判がよかったので、なんとかして元の仕様に戻せないかと。新たにメーカーさんをいくつか当たって、今回復刻できました」

製造を委託する新潟・燕三条のメーカーへ何度も出向いて試作をしたり、生産量やスケジュールをすり合わせたり。それと並行して、リニューアルに伴う新しいパッケージデザインも考えていく。

「うちの商品開発は、金属だけじゃなくて、ガラスだったりシリコンだったり、木だったり、いろんな素材を扱います。それぞれ開発の進め方は違うけれど、まとまっているマニュアルがあるわけでもないので、メーカーさんの話を聞いて、実践しながら自分で調べていくしかありません」

商品を生み出すところから、そのプロモーション、流通、販売まで。すべてに関わることができるのは、全6人という小規模な会社だからこそ。

意欲があれば数年で商品開発まで携わることができるものの、現状はそこまで至らず辞めてしまう人がいるのが、ここ最近の課題だそう。

料理道具への興味をそこまで持てない人や、横断的に仕事に関わることを好まない人もいたという。

 

今働いているスタッフの主な担当は、受発注事務、Webページの更新、法人営業、出荷管理。それに加えて、複数の仕事を兼務しながら会社をまわしている。

店頭に立つのは、主に代表の清水さんと、奥さんで店長の智寿子(ちずこ)さん。

智寿子さんはこんなふうに話す。

「お店だと、土日の混む時間帯にスタッフが足りないことで、お客さんを逃してしまったり。店頭でイベントがあっても、その広報がサイトやSNS上で十分にできなかったり。それぞれのポジションで少しずつ、仕事がやりきれない状況が続いているんです」

どこかのポジションに一人加わるだけでも、会社全体でできることが増えていくはず。

そんな話をするなかで、今回募集する「広報兼ショップスタッフ」「受発注事務」「Webページの更新担当」の3職種を補強することに決まった。

「少人数なので、自分で考える力が必要な環境だと思います。道具のことは私たちがいくらでも教えられるけれど、とくにサイトやSNSのことは、社内に詳しい人がいないので、自分で解決しようとしてほしいんです」

「わからないことはすぐ調べたり、運営元の窓口に問い合わせたり。今自分ができる範囲で止まらずに、能動的にいろんなことを知りたいと思える人だといいですよね」

「どの職種にも、広報的な視点は必要なんです」と、隣で聞いていた代表の清水さんが続ける。

「今まではものづくりにお金をかけてきたけれど、伝えることにはあまり力を入れてこなかった。でも、ちゃんと伝えることがやっぱり集客になって、いいものが売れていくことにつながると思う。だからここでもう一回、『伝える』っていうことにちゃんと力を入れていきたいんです」

新しく開発したオリジナル商品を使うワークショップを店舗でやろう。それをオンラインショップで購入してくれたお客さんにもメールで広報してみよう。

店頭でお客さんから質問されたことをInstagramにも投稿してみよう。Webページにも注意書きをしておこう。

「伝える」という観点で見ると、すべての取り組みは連動している。

自分の担当範囲はもちろん、ほかの人にも提案しながら、一緒に全体をよりよくする方法を考えられるといいのだろうな。

「一つひとつの仕事に、気持ちを込めてやっていきたい」と清水さん。

「フライングソーサーは、自分たちがいいと思ったものだけを販売している。だから、そのイチオシの商品を買っていただいてありがとうございます、っていう気持ちが欠かせないと思っていて」

「メールひとつにも荷造りにも、その気持ちを乗せられたら、大きなミスは起きないと思うんです。魂を込めるようなつもりで、働く人には取り組んでいってほしいなと」



料理道具のことなら、清水さんたちはなんでも知っているし、熱量も高い。最初は、「こんなことまで聞いていいのかな?」と、戸惑うこともあると思います。

でも、真剣に取り組む姿勢が伝われば、いくらでも丁寧に教えてくれる人たちです。

大切なのはそこから先、教わったことを自分のなかに落とし込んで、伝える側になれるかどうか。

挑戦してみたいと思えたなら、料理道具の世界を自分のフィールドに選んでみるのはどうでしょう。

(2024/4/18取材 増田早紀)

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