手土産にぴったりの華やかなパッケージの焼き菓子、写真映えする季節のフルーツを使ったドリンク、目にも鮮やかなデリ惣菜…。
食のセレクトショップ「DEAN & DELUCA(ディーン&デルーカ)」の商品は、どれも「素敵」に見えるけれど、ただ素敵なだけではありません。
実はどれも素材やストーリーにこだわりがある、骨太な商品ばかり。
大切にしているのは、食の歴史を紐解き、基礎=クラシックを尊重すること。「本当においしいかどうか」ということに、とことんこだわっているブランドです。
今回はそんなDEAN & DELUCAで、マーチャンダイザーを募集します。主に担当するのは、スイーツもしくはパッケージフード(グロサリー)。
求めているのは、とにかく食べることが大好きで、食に対しての情熱を持っている人です。
会社で企画や開発、マネジメントをやっていて、そろそろ次のステージへと転職してみようかな、と考えている人。
スイーツやパン、生ハム、オリーブオイル、ワインなど、何かが特別大好き!というマニアックな人も大歓迎です。
気になった人はぜひ読み進めてみてください。
DEAN & DELUCAが入っているウェルカムグループの本社は、東京・乃木坂駅すぐ。
最初に話を聞くのは、商品企画室統括の高橋さん。商品開発から買い付けなどブランドのことを幅広く担当している。
「DEAN & DELUCAは、食べることが大好きな元高校教師デルーカさんが、友人のディーンさんとはじめたブランドです。半世紀ほど前にニューヨークで創業し、日本に上陸してからは21年が経つんですよ」
扱っている商品のなかでは、特にオリーブオイルが大好きなのだとか。
「試飲するときは、ワインみたいに手で少し温めながらクルクル回して、香りを感じるんです」
「要はオリーブを絞ったジュースなので、収穫年や品種、搾油方法によって味も香りも違う。それがすごく楽しくて好きですね。よそのお店でたまたま勧められたときは、質問しすぎて嫌な顔されましたけど(笑)」
DEAN & DELUCAの店舗マネージャーやマーチャンダイザー、オンラインストア担当などを経験したのち、同じウェルカムグループだった生活雑貨店「TODAY’S SPECIAL」にも長くいた高橋さん。マーチャンダイザーや事業統括、自由が丘店のグリーンなどを担当したけれど、思うところあって一度退職。
2社経験してから出戻ってきたという、ユニークな経歴の持ち主。
「当時入社10年という節目で自身の今後を考えたとき、環境に甘えてしまっていることに気付きました。それで、もっと強くなりたいと思って転職したんです」
転職したのは2社とも、ウェルカムグループと同じように飲食やアパレルなどブランドを多数持っている会社だった。
武者修行のような気持ちで働いて、自分のなかの目標が達成できたとき「戻ってみようかな」という思いに。
「DEAN & DELUCAはずっと大好きだったし、『100年続くブランドにしたい』という方針に強く共感したんですよね。社長やブランド責任者とも連絡を取り合っていたので、相談したらすぐに迎え入れてくれました」
DEAN & DELUCAをはじめ、生活や食、デザインにまつわるブランドを展開するウェルカムグループ。
つい先日、同じグループだったTODAY’S SPECIALと、同じく生活雑貨店の「GEORGE’S」が分社化した。
会社内で何か影響はありましたか?
「ブランドをよりよく成長させていきたいというポジティブな分社化でした。ブランドごとに毛色や方針も違うので、DEAN & DELUCAとしては特に変わりはないですよ」
DEAN & DELUCAの近況としては、コロナ禍以降、調味料や缶詰、レトルト製品などの「パッケージフード(グロサリー)」が特に人気に。
最近はコーヒーやパン、デリ惣菜など「外食まではいかないけれど、ちょっとだけ贅沢をして『ハレの日』のものを家で楽しむ」という需要が一気に増えてきているそう。
現在都内を中心に全国48店舗を展開していて、売り上げは右肩上がり。
特に印象に残っている仕事はありますか?
「当時の上司に『DEAN & DELUCAオリジナルのバウムクーヘンをつくりなさい』って言われて開発した商品は、かなり勉強になりましたね。はじめはなんのノウハウもない状態なんですけど、そこからドイツの菓子協会が定めた基準を調べたり、市場調査をして」
他社商品を食べ比べ研究した末、本場ドイツのクラシックスタイルで進めることに。
たどり着いたのは、日本でできる人が数人しかいないという伝統的な製法だった。
「偶然、変態的なまでにバウムクーヘン愛が強い職人さんと出会えて、話を持ちかけると我々の食への貪欲さを気に入ってくれた。そこからとんとん拍子でうまくいきましたね」
その紆余曲折と「自分なりに情熱を込めてやり切った商品ができた」という思いを話すと、店舗で販売する店員さんたちの心にも火が付いた。
高橋さんの情熱が、職人さんや店員さんたちにもしっかり伝わったんですね。
「手書きPOPとか書いて、みんなめちゃくちゃ売ってくれて。あれはみんなでつくり上げたヒット商品でした」
社外の職人さんと接することもあれば、デリ惣菜を調理するシェフなど、社内のスペシャリストとやりとりすることも多い。
こだわりが強い人同士だからこそ、ぶつかってしまう場面もありませんか?
「ありますよ。たとえばセントラルキッチン機能を強化しようと計画するとき。効率はよくなるけれど、各店舗にもキッチンはあるから『俺たち料理人はいらないってことですか』と抗議する人も出てきてしまう」
「料理人たちは我々にとって核となる大切な仲間なので、丁寧にコミュニケーションを取って。考えや目線がずれているなと思ったら、すぐに1対1で会話するように意識しています」
海外への出張も多いという高橋さん。今度ベーカリー商材の進化を探りにサンフランシスコへ行くそう。
「だいたい年に1〜2回は海外出張がありますね。今後入社される方も、海外出張に行く可能性は高いと思います。海外でもブランドのことを知ってくれている人は多いですし、自分たちの仕事に注目してくれている。だからこそ、世界の食の最前線で仕事をすることの楽しさや、やりがいもある。とにかく食に貪欲で、熱量がある人に来てもらいたいですね」
続いて話を聞いたのは、高橋さんと同じく商品企画室に所属しているバイヤーの三神さん。大学と調理師専門学校の両方を出てから、新卒で入社した。
「最近は炊き込みご飯の素を開発していて、今日も朝から3種類炊き比べているんですよ。前回の試作は、香りが良くても味にしまりがなくて。調整を重ねています」
もともと幼少期から料理が好きで、おばあちゃんと一緒にうどんを粉からつくったり、体調を崩したお母さんのために栄養のことを勉強していた。
入社したきっかけは、たまたま会社説明会に参加したこと。
「ブランドについて深い知識はありませんでしたが、社長がミッションとして掲げていた『感性の共鳴』という言葉が、すごくしっくりきたんです」
「選考を進めていくなかで人事担当が『ウェルカムに入って、というよりも、あなたがどうしたいかが大切だから』と言ってくれて。個人を尊重してもらえたのがうれしかったですね」
入ってすぐに配属されたのは六本木店。生ハムとチーズメインに、仕入れから販売までを担当した。
マーケット店舗の中でも、特に食に対しての感度が高いお客さまが多いハイエンドな店舗。大きなお皿を持って「今日パーティーだから、いい感じに盛ってね」と、量り売りを買いに来る常連のマダムもいたそう。
「お店に立っていると、常連さんの好みがだんだんとわかってくるんですよ。前回これを気に入ってくれていたから、今度はこれを勧めてみようかな、とか。それで気に入ってくれると『あなたから買いたい』といってもらえるようになる。やりがいに繋がりますし、商品に詳しいお客さまも多くて、学ぶこともありました」
今回募集するマーチャンダイザーも、本社勤務でありながら店舗には頻繁に赴くことになる。
商品の売れ行きや、どんなお客さんが訪れるかなど、実際に店舗を見ながら商品の仕入れや開発にフィードバックしていくのだ。
三神さんも、お店に立って作業していると、常連のお客さまが声をかけてくれるという。
「姪っ子みたいな気持ちで接してくれているんでしょうね。私もたまに会えるのがうれしくて『この商品、私がつくったんですよ』って報告しています」
「店頭で接客していたときも、商品を開発するようになってからも、お客さまの顔を思い浮かべるということはずっと大切にしていますね」
姪っ子みたいな存在の人が、自分の顔を思い浮かべながら商品を開発してくれていたら、お客さまとしてもうれしいだろうな。
最後に話を聞くのは、商品企画室スイーツ担当の金子さん。
「スイーツが大好きで、休みの日も食べ歩きしています。日常にときめきとかワクワクを与える仕事がしたいと思って入社したので、実際に商品開発に携われてうれしいですね」
新卒で入社してからは、品川店で2年スイーツの発注から販売までを担当。その後六本木店に移り、2年スイーツ担当のリーダーを経験した。
ほかにも生ハム・チーズだったり、ワイン、パッケージフード、デリ惣菜など、各店舗にはそれぞれ専門の担当がいて、発注から販売までを担当しているという。
ここまで細かく担当が分かれているお店も、めずらしいですよね。
「小さいお店だと兼任も多いですが、専門店店主の集まりみたいなイメージですね。みんな食いしん坊なところは共通しています」
食いしん坊な人がおすすめしてくれたものって、間違いないですからね。
働くなかでは、どんなことが楽しいですか?
「いろんなパティスリーと一緒に仕事ができることです。DEAN & DELUCAでは、店頭のショーケースに、都内で注目度の高いパティスリーの商品を揃えています。このような販売スタイルは、セレクトショップならではの醍醐味ですし、長年築き上げてきた信頼や実績がないとできないこと。たくさんのつくり手に感謝をして、これからも大切に続けていきたいと思っています」
ウェルカムグループが掲げるのは、「ライバルは個人店」という考え方。DEAN & DELUCAでいえば、世界中の歴史ある百貨店から小さな個人経営の洋菓子店までを同列に捉えてチェックしている。
だからこそ、新しい商品を入れるときに重視するのは、規模や知名度ではなく本当に美味しくて魅力的かどうか。
自分好みの味だったとしても、そう簡単には仕入れられない。
「ただオーガニックなだけとか、見た目が華やかなだけではだめで。しっかりおいしいうえで、素材を大事にしていたり、つくり手のストーリーがあったり。そういったことを、商品とともに丁寧にご紹介することを大切にしています」
我こそは!という食いしん坊のあなた。
「100年続くブランド」を目指す、DEAN & DELUCAのメンバーになってみませんか?
(2024/8/14 取材 今井夕華)