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株式会社モノサスは、Web制作やデザイン、食にまつわることなど、さまざまな事業に取り組んでいる会社です。
既存の事業ありきではなく、そこにいる人たちがやりたいことや得意なことをプロジェクトにして、あたらしい仕事が生まれていく。興味や関心、進むペースは違っていても、せっかく集まったから一緒に生きている。そんな集まりになりつつあります。
そんなモノサスの人たちが安心して働ける仕組みと環境を整えながら、メンバーを支えているのが「本部」と呼ばれるバックオフィスのチーム。
経理や労務などの地道な仕事、社内イベント、あたらしいプロジェクトへの伴走など、仕事の幅は多岐にわたります。
おせっかいで、頼られるとついがんばってしまう。
楽しそうにしている人たちを見守るのが好き。
そんな人は、ぜひ読み進めてみてください。
向かったのは、東京・代々木にあるオフィス。
駅から10分ほど。住宅街のなかを歩いていくと、突然現れるドーナツのお店「FamrMart & Friends」がモノサスの目印。
日本仕事百貨とは求人募集のほかにも、Webサイトのリニューアルを担当してもらったり、一緒にイベントを開催したりとご縁が続いているモノサス。
奥にあるオフィスの扉を開けると、気付いた人たちが「おつかれさまですー」と声をかけてくれる。
「こうやって話聞いてもらうの、何回目だろうね。今日もよろしくお願いします」
そういって出迎えてくれたのは、2024年の1月から代表のバトンを受け取った眞鍋さん。
最近はどうですか?
「代表が変わるっていう大きな変化があった年にしては、いい感じなんじゃないかな。ポジティブに受け取ってくれている人が多いというか。この体制だからできることの準備が進められている感覚があります」
Webサイトの制作からはじまったモノサスは、2024年で20周年。
Webの運用、デザイン、さらにオフィスビルの社食運営やケータリング、飲食店の運営など。集まった人たちができること、得意なことを事業にしながら広がってきた。
働く場所は代々木のほかにも都内で運営する社食の店舗、徳島県神山町、山口県周防大島のサテライトオフィス。タイのバンコクにはグループ会社があって、約70名のメンバーはそれぞれに仕事と暮らしを選び働いている。
こつこつコーディングをしている人もいれば、Webの仕事をしながらクラフトビールづくりをしている人がいたり、あたらしくサテライトオフィスをつくろうと集まって打ち合わせを重ねている人もいる。
代々木のオフィスでは、オンラインで打ち合わせ中の人の隣でソーラーパネルを組み立てている人もいれば、コーヒーのカスからきのこを育てる実験をしている姿も目にする。
「会社を一言で説明するのがむずかしくなってきていて。ビジョンやスローガンはあんまりつくりたくないんだけど、『ものづくりの会社』っていうと、しっくりくるんじゃないかと思ってるところなんだよね」
眞鍋さんには、プロダクトデザイナーを目指して勉強していた時期があったそう。
自分自身がデザイナーになるのは向いていないとあきらめたものの、デザイナーと関われる仕事をしたいと広告業界へ。
モノサスには創業した代表が同級生だったことをきっかけに入社。プロデューサーとして企画や制作、食の事業に携わってきた。
「ものづくりに関わる人たちが集まっているから、Webもあるし食もある。コーディングや料理をするつくり手がいる。ほかのメンバーも、つくり手を支えるのが好きな人たちが多いんじゃないかな」
「つくる側のことを想像できる集まりであるといいなって。つくる人がいないと、社会って成り立たないはずで。特に東京で生活していると、なんでもお金で解決できるけど、それってあたりまえではなくて。ものづくりの価値を高められる集団でありたいとは思っています」
モノサスのものづくりで特徴のひとつになるのが、一緒につくること。
たとえばWebサイトの制作では、できたものを公開して終わりではなく、その後のメンテナンスや運用を担当しているチームがある。オフィスビルに入っている社食の運営も、日々そこで働く人たちと関わったり、食材を育てる人たちと日々やりとりしながら、料理や空間をつくり続けている。
「つくるというプロセスで育っていく無数の関係性とか、そこから続いていく時間軸のほうに価値を置いている。できたときがピークではなくて、関わる人たちとともにつくり続けていく。伴走型の人が多いのは、うちの特徴だと思うんだよね」
そんなモノサスを支える本部について話を聞こうと声をかけたのは、FamrMart & Friendsで本部のメンバーとドーナツを選んでいた柵山さん。
モノサスがまだ10人にも満たない会社だったころ、当時事業として取り組んでいたコールセンターのスタッフとして入社。
その後、頼まれたことを引き受けているうちに、バックオフィス全体を支える役割を任されるように。
「私、あんまりやりたいことがあるタイプではなくて。やりたいことがある人とか、なにかやろうとしてる人を支える側、サポートしたり並走する役目が一番働きやすいんです。そういう役割を全うしてきたら、ここに行き着いたっていう感じかな」
就業規則を整えたり、勤怠管理のシステムを導入したり、社内イベントの準備をしたりと本部の仕事は幅広い。
日々の地道な仕事のほかにも、さまざまな相談が寄せられる。
「サテライトオフィスをつくるから物件の契約をしたいとか、社食の運営する拠点ができるから一気にメンバーが20人増えるとか。代表交代に伴う盛りだくさんの手続きとかね。できるようになったと思ったら、まったく違うことがはじまるから。もう本当に大変で」
日々あわただしく過ごしているという本部のメンバー。
大切にしているのは、効率的に進めるよりも、関係性を考慮していくこと。
「うちの仕事って、もともとの知り合いとか、大切な人からの紹介とかではじまって、長く関係が続いていくんですよね。だから社内のメンバーもその先にいる外部の人も、相手の状況を考えて、お互いにやりやすい方法を探っていきたくて」
「まあ、そんなふうにしてくれとは頼まれてなくて、私たちが勝手にやってるだけなんだけどね。せっかく縁があって一緒に仕事することになったなら、お互いいろいろあるけどさ、なんかあったら声かけてよって思うんですよ。会社として規模が大きくなってきても、結局は人が集まっている場所だからね」
サバサバした印象の柵山さん。
話をしてみると、人のことを大切にする、とても愛情深い人なんだとわかる。
会社が変わってきたなかで、本部も変化を迎えているところ。
2年前は2人だったところから、今は8人のチームに。さらにベテランのメンバーが会社との関わり方を変えることになり、2025年からの体制を整えている。
「みんなには無理のない状態で巻き込まれてほしいって思っていて。ふだんはそれぞれにルーティンワークをしつつ、大なり小なりプロジェクトがはじまったら、集合して力を合わせて乗り越えて」
「私も含めて性格も得意なこともでこぼこなんだけど、チーム感はあるんじゃないかな。いろんなことが起きることを楽しめる人に来てもらえると、頼もしいと思っています」
本部のメンバーが席を並べる部屋からは、よく、にぎやかな話し声が聞こえてくる。
お茶を淹れに行こうとしたら相談事があると話しかけられたり、サテライトオフィスのメンバーとオンラインで話したり。
1人で黙々と作業するというよりも、人と話すことが好きな人に向いている役割なのかもしれない。
声をかけると気持ちよく対応してくれる本部メンバーの1人が、主に請求書のまとめや勤怠管理などを担当している望月さん。
モノサスにやってきたのは1年前。
前職では、人材派遣などを行う会社の人事として働いていた。
「働き続けることもできたし、順当にキャリアを積むこともできる環境ではありました。ただ、ありきたりな道だなって思ってしまって。キャリアップとか役職みたいなものに関心が持てなかったんですよね。それで、いったん会社を辞めることにしたんです」
出会いは前職をやめる少し前。
ふと日本仕事百貨を開いたとき、目にとまったのがモノサスの募集記事だった。
「すぐ転職とは思っていなくて、軽い気持ちで連絡をしてみたんです。その後もちょこちょこやり取りが続いていて。会社を辞めたことを報告したら、ランチに誘っていただいたんです」
すぐに働くかどうかの判断を迫られたというよりも、食事をしたりオフィスを訪ねたりするところから関係性がはじまっていった。
「Webと食でおもしろいことをやっていたり、サテライトオフィスがあったりとか。そういう会社ってイケイケ、ギラギラしてる人が多いのかなって思っていました。だけどモノサスの人たちはどちらかというと控えめで、落ち着いていて」
「キャリアを積んで市場価値を高めるぞ!みたいな目つきの人がいないというか。一人ひとりの人生を豊かにしていくことを重要視している雰囲気が好きだなって。私、やりたいことって聞かれるとよくわからないけれど、そういう生き方は大切にしたいなと思ったんです」
事務手続きをしたり、ときにはオフィスのドアを直したり、運動会の準備をしたり。
すっかり本部の中心メンバーの1人として活躍している望月さん。
当初から社員として働く打診を受けていたものの、最初の半年はアルバイトとして関わっていたそう。
「働くって、自分の時間から仕事の時間を削り出していくみたいな感覚があったんです。私、求められたらがんばりすぎてしまうところがあって。自分を大切にするためには、仕事との距離感みたいなものを保ちたいと思って、慎重になっていたんです」
社員になろうと思ったのは、その感覚が変わっていったということですか。
「たとえばモノサスだと、会社の行事も自分で行く、行かないを選択しているひとがいるのが印象的で。興味があれば参加すればいいんですよね。時間の使い方も自分次第で、それぞれのペースを尊重しているというか。会社との関わり方は、気持ちの持ちようなんだと思えるようになりました」
印象に残っていることのひとつとして話してくれたのが、京都のサテライトオフィスができること。
偶然「京都に移住して働きたい」というメンバーが3人揃ったことをきっかけに、チームのリーダーや役員に相談。さまざまな調整をしながら、サテライトオフィスをつくるための制度が社員主導で生まれていった。
ほかにもハイキング研修ができたり、出社の制度を考える「寄り合い」と呼んでいる集まりが生まれたり。
自分たちのいる場所のことを、自分たちで考えていく機会が多くある。
「イレギュラーなことって扱いにくいじゃないですか。だけどここは一人ひとりの意見をちゃんと聞く姿勢がある。一般的な正しさよりも、ここにいる人たちにとっていいかどうかを大切に変化していける場所なんだと思っています」
会社も仕事もともにつくる。
関わりながら、有機的に変わっていく。
ここで働くことにいい予感がしたら、ぜひモノサスのメンバーと話をしてみてください。
(2024/11/22 取材 中嶋希実)