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毎日を豊かに、健やかに
ほっとする味を
社員食堂から

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

コンビニでおにぎりやサンドイッチを買って、自分の席で仕事をしながら食べる。そんな昼休みを過ごしているオフィスワーカーは結構多いと思う。

忙しいなか、週に一度でも栄養バランスのとれた温かいご飯を食べることができれば、お腹も心も満たされる。同僚とテーブルを囲めば、いいコミュニケーションが生まれるかもしれない。

“日常の食”をもっと豊かに。社員食堂からそれを実現しようとしている場所があります。

九段会館テラスというオフィスビルのなかにある、「九段食堂」。産直のオーガニック食材を使ったランチを提供している社員食堂です。

今回募集するのは、ここの店舗責任者。オペレーション・スタッフ・施設・売上の管理を中心に、お店を日々運営し、育てていくためのあらゆる仕事に取り組んでいきます。

社員食堂は日々の利用者数の変動が少ないので、食材の安定した発注につながる。メニューも日によって柔軟に変えやすく、フードロス削減にもなる。

この特徴を活かせば、食の豊かさを守り、広く届けていくことができるかもしれない。

飲食店とは一味違う、社食ビジネスの可能性を感じられる仕事だと思います。

 

地下鉄の九段下駅から徒歩1分という、好立地にある九段会館テラス。皇居のお堀沿いに建っていて、対岸には日本武道館が見える。

登録有形文化財の建物を一部保存しながら高層ビルに建て替え、10月にリニューアルオープンしたばかり。この日も、オフィスに入居希望の企業が何組も見学に訪れている。

格式ある雰囲気のロビーを抜けて、エスカレーターで地下1階へ。

広いカフェのようなラウンジのなかに、九段食堂がある。

秋の空気が気持ちいいテラス席で話を聞いたのは、事業責任者である荒井さん。九段食堂の立ち上げから運営の中心を担ってきた方。

九段食堂を運営しているのは、株式会社モノサスというWeb制作会社。

なんでWebの会社が?と思うかもしれない。

「自分のモノサシをもつ」という言葉がモノサスの社名の由来。社員のやりたいことや得意分野を応援するうちに、マーケティングや働き方の探求など、どんどん事業の幅を広げてきた。

食の事業「MONOSUS社食研」が立ち上がったのも、Google Japanほか、いくつもの社員食堂を手がけてきた荒井さんの入社がきっかけ。

代々木のモノサス本社に併設しているドーナツ&食料品店「FarmMart&Friends」や、サテライトオフィスがある徳島県神山町の給食センターの運営など、さまざまな食のプロジェクトを立ち上げてきた。

この九段食堂は、社員食堂事業の基幹となる店舗だという。

「GoogleをはじめGAFAと呼ばれる世界を代表する企業は、社員同士のコミュニケーションをとても大事にしていて、どこも社食が素晴らしい。おいしく、きちんとデザインされたものには引力があるので、人が集まってきます。そこでの対話から、世界に影響を与えるようなイノベーションが生まれていったんです」

前提にあるのは、社員食堂はコミュニケーションの場である、という考え方。

九段食堂は、オフィスワーカーはもちろん、一般のお客さんも利用できる。

「価格は750円から。定食は1000円を超えるので、社員食堂の平均値からすると少し高めです。でも普通は、この値段でこのクオリティのものは食べられないと思いますよ」

この日いただいたのは、Local Comfort Teishokuという看板メニュー。

国産豚肉「せせらぎポーク」のハンバーグは、しっかりと身が詰まっていておいしい。オーガニック野菜の付け合わせやサラダは、シンプルながら素材のうまみがしっかりと感じられる。

ほかにも、肉か魚がメインの定食に、カレーライスやどんぶり、サラダボウルなど。バリエーションが豊富で、どれも食べてみたくなる。

「ここでの食事は、レストランで食べる非日常の食事とはまったく別だと考えていて」

「日常には、ほっとするっていう文脈が必要だと思っています。ほっとする食事って、どんなものをイメージしますか?」

ほっとする…。たとえばお味噌汁とか、ですかね。

「じゃあ、なんでお味噌汁がほっとするのか。きっと、小さいころから家庭で、お母さんが心を込めてつくってくれた味噌汁を飲んできた体験が大きいと思います。使う食材も奇をてらったものじゃなく、季節の野菜や地域に合った味噌、お母さんの一手間、それだけだったと思うんです」

「今は便利な世の中で、いつでもどこでも、旬を問わずにいろんな食材が手に入る。でも、食の本来の豊かさって、季節性や地域性を含んだものだと思うんです」

その土地、その季節ならではのものを食べることに、豊かさがある、と。

「オフィスワーカーは、コンビニで買ってきたものでお腹を満たすことが多いですよね。豊かに暮らすために食べるんじゃなくて、働くための栄養補給をしている感じ」

「もちろん僕にもそういう日はありますよ。でも毎日それだと、もったいないなと思います。この場所から、オフィスにおける日常の食をもっと豊かにしていきたい」

「やり切るのはすごく大変なんですよ」と荒井さん。

旬の食材を仕入れ、適切に調理する。温かいものは温かく、冷たいものは冷たく。

マニュアルで対応できるものではないし、しっかりとした調理技術が求められる。

一方、社員食堂というかたちだからこそ実現できることも多い。

オフィスビルに入居しているので、おおよその客数が事前に予測できる。一定の注文を約束できれば、つくり手の安心にもつながり、オーガニック食材でも必要以上に値段が高くならない。

メニューの変更もしやすいので、届いた食材の種類や量に応じて調節できるし、余ってもまた翌日のメニューに組み込むことで、フードロスの削減につながる。

「ここを取りまとめる店舗責任者は、ただお店のオペレーションをまわすだけでは不十分。生産者へのリスペクトを持って、食を通じた社会課題の解決まで考えられる人がいいと思います」

「クライアントであるデベロッパーとのやりとりや、モノサスのほかの事業と連携する機会も生まれてくる。任される裁量も大きいぶん、いわゆる飲食店の店長よりも、ひとつ上のレイヤーで働くことができると思いますよ」

基礎となるマネジメントが問題なくこなせることは、大前提。

その上で、新たな広報のしかたを考えたり、企画を立てたり。それ以外でも、自分のやりたいことや得意分野と掛け合わせながら、この場をさらに発展させていけるといい。

 

一緒に働くスタッフのみなさんは、どんな人を求めているんだろう?

続いて話を聞いたのは、料理長の飯野さん。荒井さんとは10年以上タッグを組んでいて、モノサスには1年ほど前に入社した。

「あんまりこういう人がいいっていう要望はないですね。これまで十何人の店長と組んできましたけど、苦手な人ってそんなにいなくて。自分の料理をおいしく出せるなら、お店の運営はマネージャーに合わせるのが大事だと思っているんです」

「ただひとつ挙げるとするなら、その人がどういうお店にしたいかを、ちゃんと示してほしい。自分は合わせにいけるタイプなので、意見を持ってぐいぐい引っ張ってくれる、荒井さんみたいな人は楽ですよ」

物腰がとても柔らかい飯野さん。きっと一緒に働きやすいと思う。

九段食堂の料理には、どんな特徴がありますか?

「社食では普通あり得ない食材を使っていると思います」

「野菜はオーガニックで、肉もすべて国産。魚も冷凍ではなくフレッシュなものを使います。冷凍食材をまったく使わないのは、僕も初めての経験。値段を考えても挑戦的だと思いますけど、これが浸透すれば、新しい社食の価値を知ってもらえるんじゃないかな」

素材の良さを最大限引き立てる調理を心がけているという飯野さん。

味付けは最小限で、粉末だしも一切使わず、毎朝食材から出汁をとるそう。

通常社食では30食程度をまとめてつくるところ、5〜10食単位でこまめにつくり、常においしい状態で提供していく。

「社食なので、あまりお客さんを待たせられない。そのなかで出来立てを提供していくのは、想像以上に疲れますね」

さらに、仕入れ食材によってメニューは日々変わる。それを毎日、同じクオリティで出し続けていくのも大変なこと。

店舗責任者はお客さん目線に立って、きちんとおいしいものが提供できているかどうかチェックするとともに、働くスタッフを支えていく役割でもある。

「最終的に盛り付けて提供するのは、アルバイトスタッフが多いんです。どんなにおいしい料理をつくっても、彼らが働きやすくなければ、お客さんに料理の良さは伝えられない。彼らのことを大切に考えるようにと、ほかの社員とは共有しています」

 

最後に話を聞いたのは、日本仕事百貨の記事を通じて最近入社した富田さん。

これまで、カフェの店長や編集の仕事を経験してきた。もともとはモノサスのバックオフィススタッフに応募していたものの、その経験が荒井さんの目に留まり、ここで働くことに。

「何かひとつを極めるよりは、いろんなことをやれる仕事がしたいとずっと思っていて。ちょうどそういう役割を求めてくれていたので、マッチしていると思って入社することになりました」

午前中は店舗スタッフとして勤務。14時にお店がクローズしてからは、請求書処理などのバックオフィス業務を担当している。

九段食堂に関わっている社員は6人、アルバイトは20人弱。みんなで話し合いながら、お店をつくり上げてきた。

「オープンしたばかりで整っていないことも多くて。最初は何から手をつけていいのか、どう進めたらいいのか、結構手探りでした。バックオフィスまわりのことも、本部にやり方を確認しながら進めていって」

「九段食堂の運営も、やりながら動線を決めたり、お皿の配置を決めたり。アルバイトメンバーも積極的に動いてくれる方が多いので、みんなでいいお店にしていこうっていう雰囲気が常にあって、居心地がいいです」

マネージャーは、富田さんと連携することも多いと思う。

一緒に働くならどんな人がいいですか?

「トップダウンで管理するよりは、みんなでいいものをつくっていこうっていう気持ちがある人だといいなと思います。この人のよさをこのポジションで活かしていこうとか、この人はあれが得意だから聞いてみようとか」

働く人たちそれぞれのやりたい気持ちを大切にするのが、モノサスという会社のありかた。

富田さんは、どんどんアイデアが浮かんでくるタイプだそう。

編集の経験を活かしてフリーペーパーを発行してみたい、割れてしまった食器を金継ぎで直したいなど、いろいろ考えているところ。

「些細なことでも、やってみたいことがいっぱいあって。そういう話をしたら、荒井さんは、どれもやってみたらいいじゃないって言ってくれるんです」

ここで求められているのは、型にはまったマネジメントではなく、一人ひとりの顔をちゃんと見て、丁寧に関わっていく姿勢なんだと思う。

食材のつくり手、食べるお客さん、そして、料理をつくり提供する自分たち。

みんなが健やかに、豊かな気持ちであるためにはどうしたらいいだろう?

そんな視点で考えられる人なら、きっとここで力を発揮できると思います。

(2022/10/18取材 増田早紀)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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