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アウトレットと聞いて、どんなイメージを持ちますか?
週末に家族で遊びに行き、普段は買わないものを買ってもらえたり、いつもとは違うレストランで食事をしたり。
子どもながらに、特別な日の楽しい場所という記憶が残っています。
そんな非日常の楽しさはもちろんのこと、日々の暮らしを豊かにする場所として。
既存のアウトレットの枠を超えた、まちづくりの拠点として構想されているのが「三井アウトレットパーク 岡崎」です。
その象徴ともいえるのが、施設内に新たに生まれるコミュニティスペース「おいでんラボ」。
「おいでん」とは、「いらっしゃい」や「来てください」といった愛知県の方言で、人々が集い、新たな共創の拠点になってほしいという願いが込められています。
今回募集するのは、「おいでんラボ」を運営するコミュニティマネージャー。
イベント企画やコミュニティ運営を通じて、岡崎ならではの価値を育てることが主な役割です。
業務委託契約を結び、勤務は週2〜3日ほど。ほかの仕事や活動との両立も可能です。ここで培った人脈や経験を別の仕事に活かすこともできます。
岡崎をもっと面白い場所にしたい。人とのつながりを通して誰かを幸せにしたい。そんな人に知ってほしい仕事です。
品川駅から新幹線でおよそ1時間。
豊橋駅から名鉄に乗り換え、15分ほど西に進むと本宿(もとじゅく)駅に到着した。山あいにあって、思っていたよりも緑豊かな風景が広がっている。
そこから歩いて10分ほどの場所に「三井アウトレットパーク岡崎」の計画地がある。
オープンが数ヶ月後ということもあり、建設の真っ最中。
手前には屋外広場とイベントステージ、観客席にもなる大階段が見え、その先にはテナントスペース。間近で見ると建物の大きさにびっくりする。
案内してもらったのは、工事現場に併設されている仮設事務所。
まずは開発を担当している三井不動産の杉原さんに、今回のプロジェクトの背景について聞く。
「岡崎に人が集まる場所をつくり、まちを盛り上げていきたい」
そんな地元の声もきっかけとなり、地元のまちづくり協議会とも対話を重ねるなかで、アウトレットの構想が立ち上がった。
「この場所は、もともと多くの地権者さんがいる、田んぼの広がる土地でした。時間をかけて信頼関係を築き、開発を任せてもらえることになりました」
「名古屋や浜松からも高速で1時間と車でのアクセスも良く、最寄りの本宿駅からも徒歩圏内。遠くにお住まいの方にも来ていただきやすい、まちとしてのポテンシャルを秘めた場所なんです」
現在、アウトレットの隣接する土地では区画整理事業が進行しており、これから数年をかけて新たなまちが生まれる予定。
今回のアウトレットは、そんな景色の中心になることを目指している。
なかでも実現したいのが、地域の人々がふらっと立ち寄れる場所になること。
「一般的にアウトレットといえば、季節ごとの買い物に訪れる場所。でもここは日常的に訪れたいと思える、暮らしに近いアウトレットを目指しています」
「岡崎市役所の方にも入ってもらい、ここを観光と地域交流の拠点にしていこうと。入居予定の店舗以外にも足を運びたくなる工夫を盛り込みました」
たとえば、通常のアウトレットパークでは珍しい屋外広場や、地元の食材や商品が購入できるマルシェゾーンを用意。
さらに屋外広場には、ドッグランや噴水、遊具のある遊び場、大階段付きのイベントステージも。
音楽・スポーツイベントなども開催し、地域の方だけでなく、東海エリアなどより広域からお越しの方々にも楽しんでもらいたい。
こうしたアウトレットを実現するために生まれるのが、施設の中央に設置されるコミュニティスペース「おいでんラボ」。
全面ガラス張りの外観で、中の様子が見える設計。キッチンやテーブルが備え付けられており、料理教室やワークショップ、子どもたちの体験授業などにも活用が可能。
隣には子どもの預かりスペース、屋外遊具ゾーン、すぐ上にはフードコートなどが並ぶ。
「買い物のついでに立ち寄って、いつの間にか誰かと仲良くなっている。岡崎の面白い場所を知り、自分の地元が好きになる。人とのつながりを通して、新たな発見が生まれる場所になればと思っています」
実は、すでに地域との交流もはじめている。
地元のお祭りでは、地域の子どもたちを中心としたまちの方々にインスタントカメラを渡して、岡崎を自由に切り取ってもらう写真展を開催。ほかにも、地元の小中学生と「まちの色を感じる」俳句のワークショップを実施。
こうして生まれた写真や俳句を、工事現場の仮囲いに展示することで、このアウトレットがみんなの場所になればという願いも込められている。
「ぼくにとってアウトレットは、ハレの日に行く特別な場所で。遊びにいくことを想像するだけで、1週間前から楽しみになるほどでした。地域の人たちにとっても、そんな場所の一つになってくれたらと願っています」
「おいでんラボはコミュニティマネージャーさんとつくりあげる場所。同じ想いを持った人が仲間になってくれたらうれしいですね」
続いて話を聞いたのは、コミュニティづくりをサポートしているファイアープレイス代表の渡邉さん。
新しく入る人は、ファイアープレイスからの業務委託として、このプロジェクトに関わることになる。
まちづくりや場づくり、地域とのつながりを軸に、あらゆる事業に取り組んできたファイアープレイス。
コミュニティづくりの起点は、シェアオフィス、大型商業施設、BAR、BBQ場などさまざま。都市圏だけでなく、ローカルな地域でも人と人がつながる場づくりを行っている。
経験豊富なメンバーと一緒に考えながら働く経験は、一個人としても成長できる環境だと思う。
コミュニティマネージャーって、実際にどんな役割を担うのでしょうか。
「何かやりたい気持ちがあるけど、やり方がわからない。場所もないし、ひとりでやるのは不安という人が、地域にはたくさんいます」
「そんな方々の想いに寄り添い、応援しながら一緒に形にしていく。それがコミュニティマネージャーの役割です」
今回は大型商業施設ということもあり、関わる人が幅広いこともプロジェクトの魅力のひとつ。
「平日にはお買い物にくる主婦の方、週末には友人や家族で遊びにくる方がいて。さらには、マルシェに参加する地元の方々、モールに入るテナントも約180店舗あります」
「そのぶん、いろんな想いを持った人たちが集まってくる。この場所の可能性は、コミュニティマネージャー次第で、いくらでも広がっていくと思いますよ」
別の商業施設では、地域の皆さんとの会話をきっかけに生まれたイベントがいくつもある。
たとえば、町内会の人たちと企画した、子どもたちのための夏祭り。ほかにも子ども向けの知育教室を営む先生と開催した、室内ドローン教室など。
イベントをきっかけに、子どもたちが勉強に興味を持ったり、家族ぐるみの付き合いが生まれたり。さまざまなきっかけが生まれている。
また、昔から繊維産業が盛んで、石や木材などの産地としても知られる岡崎。
自然も豊かで、地元の木材を使用した体験型アウトドア施設や、市内を流れる乙川(おとがわ)を活用したアクティビティなども人気。
将来的には、こうした観光資源をからめた体験イベントや、屋内広場を活用したワークショップを企画しても良いかもしれない。
どんなことにも興味を持ち、会う人の話を面白がって聞ける人が合っていると思う。
「自分で企画したイベントを開きたい。そんな想いを持っている方も大歓迎です。このまちに自分のやりたいことを重ねてくれる人が増えたらうれしいし、活動を通して愛着が湧くような場所にしていきたいですね」
渡邉さんは、どんな人と一緒に働きたいですか?
「このコミュニティスペースを自分の場所だと思って、誰かのために動くことを楽しめる人ですね」
「お買い物のついでにふらっと立ち寄ってくれる人や、子どもを預けてほっとひと息つく親御さんなど。ここに訪れる人の日常を感じて、その人たちの笑顔のために動ける人と、一緒に場を育てていけたらうれしいです」
「人との出会いに価値を感じて楽しめる。そんな人はピッタリじゃないかなと私は思います」
そう話すのは、今回のプロジェクトのサポート役を担っている、ファイアープレイスの森田さん。
新しく入る人とは二人三脚で、一緒にコミュニティスペースを育てていく。言葉を尽くして説明をしてくれる、丁寧な語り口が印象的な方。
「私たちの活動拠点は関東にありますが、月に1〜2回は岡崎に足を運ぶ予定です。現地で一緒に地元の方に挨拶したり、おいでんラボのご案内をしたりしながら、ラボの仲間を少しずつ増やしていこうと思っています」
施設が開業したら、興味を持ってくれた人と話したり、地域やテナントの人を呼んで交流会を開催したり。まずはコミュニティに人が集まる、にぎやかな状態をつくっていきたい。
「このスペースを使ってみたい」という人がいたら、企画の相談に乗り、イベントが実現できるよう運営のサポートをする。
コミュニティスペースがみんなの居場所になるように、さまざまなアイデアも出していってほしい。
森田さん自身も、コミュニティマネージャーの経験者。コミュニティマネージャーに必要な能力ってなんでしょう。
「一言でいうと、共創をつくれることだと私は思っています」
共創?
「一方的にサービスを提供するのではなく、みんなと一緒につくり、育てていく。そんな姿勢が、コミュニティマネージャーをする上で大切なことです」
「渡邉も話していましたが、『ここは自分にとって大切な場所』だと地域の方々に思ってもらえたらうれしいですよね」
これまで森田さんが関わったコミュニティでは、はじめは利用者だった人が、イベントの企画や、誰かの企画を応援したこともあった。
「『この場所、自分が育てたんだよ』とか、『最近よく来るあの人、実は自分が連れてきたんだ』ってうれしそうに話す人もいて」
「やってあげる一方的な関係ではなく、ラボを一緒に盛り上げるチームのような関係を築くこと。そして関わる人に、自分ごととして動いてもらうこと。それがこの仕事の難しさでもあり、いちばん面白いポイントだと思います」
一人ひとりの想い耳を傾けて、関わる人と協力して形にしていく。
それを積み重ねた先に、どんな景色が広がっているだろう。
先の未来を想像して心が動いたら、まずは岡崎に遊びに来てみてください。
あなたの一歩が、このまちの未来を育てていきます。
(2025/04/02取材 櫻井上総)