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一生懸命つくり上げたものが、誰かに喜んでもらえる。それが評判になって、また次の仕事につながる。
そんな循環のなかで働くことは、きっと気持ちがいいと思う。
株式会社シンク・デザインは、日本各地の自治体のごみ処理・環境施設で、見学コースをプロデュースしている会社。
一つひとつのプロジェクトに真摯に向き合い、実績を積み重ねてきました。

社会科見学などで施設を訪れる市民に、環境やごみの問題をわかりやすく伝え、関心を持ってもらうために。細部までこだわり、楽しく学べるコースをつくり上げています。
今回は、プロジェクトの企画や進行管理、現地での啓発イベントの運営などを担当する、企画制作進行スタッフを募集します。
仕事内容は多岐にわたりますが、経験は不問。5〜10年ほどの長期スパンのプロジェクトがほとんどなので、じっくり腰を据えて業務を覚えていってほしいそう。
あわせて、新規事業開発に取り組むプロデューサーも募集します。
環境問題に関心があり、仕事として本格的に取り組みたい人や、クリエイティブに社会貢献に関わっていきたいという人に、ぴったりの環境だと思います。
シンク・デザインのオフィスがあるのは、東京・外苑前。
駅から神宮球場方面に歩いて数分ほどで、少しレトロな雰囲気のビルに到着する。

オフィスがある2階へ。
入ってすぐの打ち合わせスペースで迎えてくれたのは、代表でありデザイナーの中村さん。
お会いするのは4年ぶりだけれど、前回の取材のときと変わらず、穏やかな雰囲気で話を進めてくれる。

「シンク・デザインを立ち上げて、今年の4月で30周年になりました」
もともとは広告代理店などからの依頼で、展示会場やショールームの空間デザインの案件を中心に取り組んでいた。
いち早く取り入れていたプロジェクションマッピングの技術が、ある自治体の担当者の目に留まり、ごみ処理施設の見学コースを手がけることに。
2016年に最初の案件が竣工し、今では手がける仕事の大半が、ごみ処理施設関連になっている。

施設全体の設計・建設を担当するのは、プラントメーカー。見学コース部分のプロデュースと展示の制作・施工を任されるシンク・デザインは、共同で各自治体のコンペに参加し、新規案件の獲得を目指す。
プラントメーカーから提供されたごみ処理施設の見学ルートに対し、企画デザインと演出内容で差別化を行っていく。
「全国に多くの施設計画がありますが、とくに見学コースを充実させたいというご要望がある案件で、我々に声をかけていただくことが多いです」
「言われた仕事をこなすだけにはなりたくなくて。企画とデザインの会社だから、やっぱりどこかにこだわりを入れたい。常に質の高い提案ができるよう心がけているから、プラントメーカーさんもたびたび依頼をくれるのかなと思っています」
中村さんのほか、正社員は4人と少数精鋭。
映像制作やグラフィックデザイナー、エンジニアなど、業務委託メンバーや提携企業とチームを組んで、各プロジェクトに取り組んでいく。
たとえば、2022年に竣工したのが、静岡県伊豆市の「クリーンセンターいず」。見学コースに加えて、PR用の映像も担当した。
施設の横を流れる川のイメージを通路に描き、その流れに沿って施設を巡っていくようなコース。
目玉の一つとして、かつて地域を走っていた蒸気機関車をモチーフにした、からくり仕掛けの展示物も制作した。

「これは、地元の家具職人さんにお願いしてつくってもらったものです。いわゆるピタゴラ装置で、ボールを入れると、それがごみ焼却の流れに沿って転がっていく仕組み。子どもも大人も楽しめるものになりました。」
「ここまでつくり込まずに、壁に可愛らしいイラストで表現するだけでも、お客さんからはOKが出たと思います。でもわざわざ職人さんにお願いして、きちんと球が転がるか実験して、完成した様子をきれいに映像に残す。そうやってこだわっていると、やることはどんどん増えて行きます。」
「こだわりはじめたら無限」と話す、中村さん。
効率を重視するのではなく、時間はかかってもなるべく妥協せずにいいものを目指すのが、シンク・デザインのクリエイティブへの考え方。
「一緒に働く人に求めたいのは、真面目に実直に、取り組んでくれること。これだけはマストです。どんなに優秀なクリエイターでも、それがなければうちには向かないですね」
「自治体の担当者の方は、すごく熱意を持って取り組む方が多いので。『そこまでやる必要あるかな?』と思ってしまうような人だと、ついていけなくなってしまうと思います」
「よくもわるくも、この仕事で一番大事なのは売り上げではないんです」と続けるのは、プロデューサーの石田さん。
「将来的に利益が出る施設をつくるわけではないので、商業的な考え方はあまり向きません。課題解決とかごみを減らすとか、そこを最終目的に据えてクリエイティブを考えていく必要があるんです」

施設を見学した市民から「面白かった」「学びになった」と言ってもらえそうか、案内するスタッフは手応えを感じられるか。
そんな視点でつくり上げた空間は、おのずとほかの自治体やプラントメーカーの目に留まり、次の仕事にもつながっていく。
もちろん予算や時間の制約はあるけれど、「いいものをつくる」ことを純粋に追求できるのは魅力的だと思う。
「今はマンパワー不足で、正直結構いそがしいです。これからもお客さんの期待に応えていくために、メンバーを増やして、ちゃんといいものを納めて次の仕事につなげる、という基盤を強化していきたいです」
新しく入る人は、石田さんについて仕事を覚えていくことになる。
打ち合わせや出張に同席しながら、企画制作進行の動き方を学んでいってほしい。

見学コースづくりに加え、新しく入る人にぜひ力になってほしいのが、今年から取り組む環境啓発イベントの運営。
企画・プロデュースを担当した首都圏のごみ処理施設で、環境啓発イベント運営の依頼を受けているという。
「会社としても初めての試みです。年に8回、20年間の契約なんですけど…」
20年間!?
「長いですよね (笑)。ただ、そもそもごみ処理施設の案件って、入札から完成まで5〜10年は当たり前にかかるもので。その後の維持管理も任されるので、次の建て替えまで数十年は関わっていくことになる。それくらい長い目で考えていく仕事です」
「イベントを実施できるのはいいチャンスでもあって。ターゲットは子どもたち、つまり普段見学コースを訪れるエンドユーザーなんです。直接会えるイベントを通じて、どんな伝え方が効果的なのか知ることができたら、今後のコースの企画にも活かせるんじゃないかなと期待しています」

イベントでは、施設に隣接する緑地も活用し、自然や四季を体験しながら、環境問題について考えていく。
自然体験やアップサイクルのワークショップ、里山の知恵を学ぶイベントなど、初年度の企画の内容は大まかに決まっているので、実際の運営に向けて具体的な動きを詰めていくフェーズ。定期開催なので、コミュニティとしてのつながりも生み出していきたい。
「僕らが常々考えているのは『どう伝えるか』ということ。この仕事に一番大切なのは、いわゆる編集の視点なんです」
施設を通じて自治体が伝えたいメッセージは、「ごみを減らそう」「しっかり分別をしよう」など、基本的には一貫している。
どんな言葉や展示でそれを伝えれば、訪れる人たちに響くのか。
地域性のあるストーリー仕立てにしたり、デザインでまちの風景を再現したり。地元のアーティストとコラボレーションして、廃材を活用したアートを飾ったり。もちろん、選ぶ文言にも工夫が必要。
手段はいろいろあるからこそ、「何をどう伝えたいのか」をしっかり握って、全体を制作していくことが求められる。

「入札の段階から、地域の情報を企画に反映できるよう、現地の図書館に行ってリサーチもします。制作するうえでは、映像システムや電気の知識まで必要になる。自分はこれだけって決めずに、好奇心を持ってトータルで見ていく必要がある仕事だと思っています」
「それぞれの裁量も大きいので、『こんな面白い展示を見たから、次の提案に取り入れてみたい』という発想はすぐに実行できる。いいなと思ったものを自ら形にできる環境だと思います」

入社して15年、プロデューサーとして、あらゆるプロジェクトに関わってきた石田さん。
仕事で大変なのはどんなときですか?
「お客さんと細かくやりとりする業務が多いです。たとえば現地でごみ収集車の映像を撮りたいと思ったら、撮影の段取りを組み立てて、関係者に説明して許可を取って…。いろんな人と調整していく必要がある」
「お客さんからの要望をどこまで吸い上げるのか、というのもむずかしい部分です。すべてを受け止めていたら、お金もどんどんかかってしまうし、制作も押してしまう。予算やスケジュールの枠のなかで、いいものをどこまで妥協せずにつくれるか、常にせめぎ合いですよ」
中村さんが話していた「こだわり」の部分。調整役である石田さんの話からは、全体のバランスをとる重要性も伝わってくる。
窓口として全体を進行していく役割だからこそ、あいだに立つむずかしさはきっとあると思う。

「形になるまでは、もう勘弁してほしい、と思うこともあります(笑)。でもやっぱり、できあがったときは何よりもうれしい」
「実際に子どもたちが見学している様子を見たり、たまに直接自分で案内させてもらって、いいリアクションが返ってきたり。それを見て、施設側の人たちもすごく喜んでくれるので、苦労が報われたと思う瞬間です」

自分たちが真摯につくり上げたもので、誰かが喜んでくれる。イベントもはじまるこれからは、よりそれを実感する機会が増えていくはずです。
扱うのはごみや環境という大きな課題ではあるけれど、目の前の人たちとのつながりもダイレクトに感じることができる。そんな手応えのある仕事だと思います。
(2025/06/03 取材 増田早紀)
8/12(火)の夜には、清澄白河のリトルトーキョーに中村さんと石田さんをお招きして、しごとバーを開催します。お二人の話を直接聞いてみたい方は、お気軽にご参加ください。
「ごみ問題を楽しく伝える これからの社会科見学をつくる」



