ほしいものはワンクリックで届く時代。
その便利さに助けられることもありますが、むしろわざわざ足を運んでみたいというお店も増えてきました。
たとえば、お気に入りの香水ブランド。
ショップで商品に触れるだけでなく、香水が並ぶ棚や床のタイルまで空間がデザインされていて、パリの雰囲気が漂っている。
訪れるたびにワクワクするし、お買いものがもっと楽しくなると思う。
そんな空間やモノをデザインするのが、ジョージクリエイティブカンパニー(GCC)。
空間・商品・グラフィックなどを通じて、訪れたくなる場所をトータルで提案しています。

店舗やオフィス、ホテル、病院などクライアントが幅広いのも特徴。
今回募集するのは、空間デザイナーと営業プロジェクトマネージャー。どちらも、5年以上の経験がある人を求めています。
ファッションやアート、フード、インテリア…。専門性がある人、空間づくりやディレクションをしてきた人にとって、クリエイティブの幅が広がる環境だと思います。
港区・神谷町駅から歩いて5分。
麻布台ヒルズの先、大通り沿いにあるビルの1階がGCCのオフィス。
2階はグループ会社のオレンジアンドパートナーズとの共同オフィスになっている。
入り口にはユニークな置物が並び、遊び心がたっぷり。

オレンジアンドパートナーズは、2006年に放送作家の小山薫堂さんが立ち上げた企画会社。
「場所をメディア化したい」という想いで創業したものの、空間デザインに携わる人はいなかった。
そこで、ショップのプロデュースやデザインを手掛けて注目されていた、GCC天野譲滋(ジョージ)さんに小山さんが声をかけてグループに参画。
萩尾さんがジョージさんからGCC代表のバトンを引き継いだのは、2025年9月。
オレンジアンドパートナーズの副代表も兼任しているので、共同プロジェクトをこれまで以上に強化していきたいという。

「ブランドが世の中に提供するライフスタイルや感性も含めてデザインするのが僕たち。お客さんの課題解決に上流から関わっています。デザイン設計の会社ですがそれだけじゃないんですよ」
「企画とデザインをより一体化させていくために後任しました。ジョージさんのイズムを引き継ぎながら、オレンジアンドパートナーズとGCCが組織として深く融合していくようにドライブさせています」
29歳でオレンジアンドパートナーズに創業メンバーに近い形で入社した萩尾さん。
プランナーとして、プロデューサーとして多くの実務経験を積んだ。
「行政とどうやって地域づくりをしていくか、大企業との商品開発やブランディング、不動産デベロッパーとホテルの新しい価値づくりなど、さまざまなプロジェクトを担当しました」
「だからこそ今スタッフが何に悩んで、どこにつまずいているのか予測がつきます。もうちょっとこんなふうにやってみたら、と解像度高く伝えられる面がまだあります」
萩尾さんがビジネスやマーケティングの方向性を示すことはあっても、クリエイティブは「自由にやってみなよ」と任せている。
「ジョージさんはカリスマで、直感的・感覚的なセンスがありました。僕の場合は、社員一人ひとりの感性を活かしてクリエイティブを尊重することが役割かなと思っています」
デザインをしたあともGCCの仕事はつづく。
「ブランドがどのようにその場所を起点にユーザーとコミュニケーションを取っていくのか、どういう体験をつくっていくのかも含めて長く伴走します」
オレンジアンドパートナーズがコンセプトを企画し、GCCでデザインを担当した「YANAKA SOW」というホテルの例を出してくれた。

台東区の谷中に13室でローオペレーションのホテルをつくったが、ただの宿泊施設ではない。
そこには町案内専門スタッフ“YANAKA DIGGER”が常駐し、ガイドサービスが付いている。
常に9割の部屋が稼働していて、同じお客さんが半年間泊まったこともあるそう。
「僕らはまちに新しい文化拠点をつくっているつもりです。そういったものをもっと生み出していく仲間がほしいですね」

それぞれの職種で、どんな人を求めていますか?
「空間デザイナーは、図面から音楽や匂い、そこに介在する人のにぎわいを想像しながらクリエイトできる人だとうれしいです。手を動かして設計しながら、ほかの才能とつながっていける人がGCCで活躍できるんじゃないかな」
「営業プロジェクトマネージャーは、クライアントの要望以上に『それがほしかった!』とかゆいところに手が届く提案ができるといいですね。プロジェクトが終わっても、どうすればお客さんが通ってくれるか。それを考えつづけられる人がうちの会社には向いています」
GCCの幅広いプロジェクトに魅力を感じて入社したのが、空間デザイナーの大河内(おおこうち)さん。指先からピアス、ファッションまでセンスが光る。

飲食店に特化した設計会社に勤めていたが、もっとさまざまなジャンルに挑戦してみたいと思い2024年に転職。
印象に残っているのは、大阪万博のプロジェクト。
「ブラックモンブランでお馴染みの竹下製菓さんがチュロスをつくるということで、コンセプトから設計、ディスプレイまで担当しました。京都の米粉を使ったチュロスということで竹下さんの京都別邸のお庭というコンセプトで設計しました。マテリアルにもこだわって、柱は北山杉の産地まで買い付けに行きました」

「大阪万博という一流のデザイナーや建築家がつくった空間に、自分が設計したお店ができたことがとてもうれしくて。GCCに入ってよかったなと思えました」
その人なりの経験があればすぐに大きなプロジェクトが回ってくるという。
今はカフェバー、複合施設、チョコレートショップ、3つの案件を担当している。
多岐にわたるジャンルを手がけてみて、飲食店のデザインが好きだと再認識した大河内さん。
「また飲食店をやりたいと話していたら、カフェバーの案件を任せてもらえて。そもそもどのような業態にするか、から考えられるのは、GCCならではだと思います」

空間デザインのチームは大河内さんを入れて現在3名。
チーフデザイナーとして空間のディレクションや規模感が大きな案件を担当できる人がほしい。
GCCではプロジェクトごとにチームが組まれる。空間デザイナーやプロジェクトマネージャー、外部スタッフなどを含めて、5名ほどのチームで動いている。
「設計って寡黙な方もいるけど、うちの会社ではチームで意思疎通を図ることも多いのでコミュニケーション力は必要かなと。今やっている案件だとコンセプトからロゴデザイン、設計、プロモーションまで全員で話しています」
「デザインの方向性を一方的に押し付けるのではなく、判断軸や考え方を共有しながら一緒につくっていける人に来てほしいですね。メンバーを信頼して任せてくれるチーフデザイナーだといいな」
幅広い視点で細部にまでデザインするスキルが重要だと大河内さんは話す。

「トータルでやっているからこそ、ここの部分は誰が担当するとかあまり明確じゃなくて。空間デザイナーの考えることが意外と多く感じます。細部まで考えて気づいて、提案できる人がいいですね」
最後に、GCCで空間デザイナーとして働く面白さを尋ねてみた。
「自分で考えたものができるってやっぱりうれしいですよ。GCCのプロジェクトはたくさんの人が来る場所ばかりなので、やりがいがあります」
大河内さんとカフェバーの案件を進めているのは、営業プロジェクトマネージャーの山田さん。

空間を引き立てるアートの提案やブランドとアーティストのコラボレーション、店舗イベントのプロモーションなどを担当している。
以前はクリエイティブな人材を育てる専門学校の責任者を、その後8年間アーティストのマネジメントをしていた。
「入ってすぐ、これまでの経験より大きなクライアントを任せてもらえました。『やってみなよ!』って早めの段階からチャンスをもらえる。ハードルの高さに不安があっても、上司がちゃんとサポートしてくれましたね」
最近手がけたプロジェクトは、ニットブランド『THE KNT365 HOUSE』。

2025年9月、初の路面店を原宿にオープン。設計からデザイン、プロモーションまですべてGCCがプロデュースした。
山田さんはアーティストのアサイン、配布するタブロイドの制作、プレオープンのオープニングプロモーションの企画などを担当。
「アースフレンドリーというブランドのテーマに共感してくれるアーティストを提案しました。プレオープンの際は、外壁の巨大キャンパスでライブアートパフォーマンスも実施し、アートの前でたくさんの人たちが写真を撮ってSNSに投稿してくれました」
これまでECのみだったブランドの初店舗ということで、ブランドブックとなるタブロイドも提案。
「構成を考え、モデルやスタッフのキャスティング、スタジオ探し、コラボレーションしたアーティストのアトリエに取材、ライターやグラフィックデザイナーと誌面のデザインの打ち合わせなど、すべてディレクションさせてもらいました」
ショップを訪れた人に、ブランドのメッセージを体感してほしい。そのためにはチームで世界観を共有することが大切。

「空間デザイナーや外部スタッフと同じ目線で見なくちゃいけない。GCCは大きな会社じゃない分、密に連携が取れます。少人数でワンチームとなりプロジェクトをやっていくことはいちばんの楽しさとやりがいですね」
山田さんは、自身と同じタイプではない人に来てほしいと話す。
「ひとつ強みがある人がいいですね。たとえば僕が入社したら今まで以上にアートに関するプロジェクトが増えたり、大河内さんだと飲食のことを任せられたり。あとは、大きなプロジェクトに怯まずワクワクしてほしいです」

「代表の萩尾さんは僕らのキャラクターをよく見ていて、この人だから任せようという想いがあるんじゃないかな。僕も映像制作がしたいと言っていたら『キービジュアルと映像の案件があるけどやってみる?』と声をかけてくれました」
GCCの社員数は現在10名。一人ひとりの関心にあわせて仕事をつくっていけると思う。
しかし、クリエイティブな仕事はずっと考えられるから、つい残業も多くなってしまいそうだ。そのあたりはどうだろう。
「出勤時間の調整ができて、12時までなら何時に来てもいいんです。みんな自分のスケジュールに合わせて働いていて。残業なく定時で帰宅する日も多いですよ」
大河内さんも山田さんも、クリエイティブのもっと先に行きたくて、この会社に入ったんだなと感じました。
そしてその一人ひとりをまっすぐに信じる、萩尾さんの姿がある。
GCCなら、大きな挑戦だって夢じゃない。ひとりで創造して、チームで形にするからこわくない。
この場所で、あなたのアイデアが閃くのを待っています。
(2025/01/26 取材 久保泉、櫻井上総)


