レモングラスやジンジャー、マリーゴールドなどがブレンドされたハーブティーのアイスラテ。
口に含むとフォームミルクの柔らかな口当たりに、レモンを思わせる爽やかな香り。あとからくる甘み、スパイシーなアクセントが全体の味をつないでいる。
味わいに層があり、その変化が楽しい。
スミス・ティーメーカーのティーをはじめて飲んだとき、「こんな楽しみ方があるなんて」と感動しました。

「ティーの常識をいい意味で覆していきたい」
そう話すのは、食品輸入代理店の東洋ベバレッジ代表のダグラスさん。
東洋ベバレッジは、アメリカ・ポートランド発祥のティーブランド「スミス・ティーメーカー」を2019年から取り扱っています。
世界中の農園から高品質な茶葉を仕入れています。職人技といわれるブレンド技術は、ほかのティーブランドとは一線を画します。
そして大切なのは、遊び心。エスプレッソマシーンを使ってティーを抽出したり、ビールサーバーで炭酸を注入したり、ここでしか味わえないクラフトティーを店舗で提供しています。
国内では、渋谷と横浜でティーショップ&カフェを展開。
今回は渋谷店の店長と、両店の店舗スタッフの募集です。
どちらも商品を販売するだけでなく、併設しているカフェでティーの提供も行います。
飲食やバリスタ、接客の経験がない方も歓迎です。興味関心や適性をみて販売かカフェのどちらかから始めていきます。
まずは、新しいティーの世界を知ってみてください。
渋谷駅直結の渋谷スクランブルスクエアの4階。
アクセサリーやアパレルショップなどが並ぶフロアの一角に、「SMITH TEAMAKER SHIBUYA TASTING ROOM」がある。
手前に販売スペースがあり、奥にカフェエリアが見える。
天井からは大きな提灯が吊るされている。グリーンティーを思わせる壁紙には、和紙を使ったウォールアートが飾られ、ラグジュアリーな空間を引き立てている。
スタッフと会話を楽しむ常連さんや海外からのお客さんでにぎわっている。

販売エリアに入るとダグラスさんが、明るく気さくな雰囲気で出迎えてくれた。
さっそく話を聞かせてもらうことに。

「スミス・ティーメーカーは、これまで出会った紅茶ブランドの中でも、最も心を動かされたブランドのひとつです」
ずっとハイグレードな紅茶を取り扱いたいと思っていたダグラスさん。
「日本では、紅茶といえばイギリスやフランスなどヨーロッパのイメージがあるので、アメリカの紅茶ブランドって馴染みがないんですよね」
伝統的なヨーロッパ系の紅茶に対し、クラフトティーとしてアップデートさせたのがスミス・ティーメーカー。実はティーバッグやアイスティー、クラフトビールなどはアメリカが発祥。既存のものをアップグレードさせるクラフト文化がある。
数ある商品のなかで一番お気に入りという「No.67 MEADOW(メドウ)」を紹介してくれた。ナンバーの由来は、ヒッピー文化の社会運動「Summer of Love」が起きた年。

開封するとカモミールのいい香りが広がる。
茶葉は、エジブト産のゴールデンカモミールとアメリカ・オレゴン州のヒソップ、南アフリカのルイボス、ローズなどがフルリーフでブレンドされている。
新鮮さを保つために、一つひとつ個包装。ティーバッグも天然由来のものを使い、味に影響を与えないよう工夫がなされている。
「茶葉のブレンドは通常200〜500キロ単位で行われるのですが、ここでは22キロの小ロットで調合していて。そのときの気候や雨量によって生じる味のばらつきを調整しているから同じおいしさをつくり続けられるんです」
「私自身、カモミールは、干し草のようなニュアンスが強いものが多くて苦手でした。でもメドウは、リンゴやハチミツ感があり、非常においしい」
ダグラスさんは、スミス・ティーメーカーのおいしさに感動し、日本の正規代理店として扱いをスタートさせた。

この新しいティー文化を日本に広めたい。
「私たちは常に『おいしいが正義』、そして『理解を深めるほど、楽しくなる』という価値を掲げています」
「以前、本社がある大阪で10店舗ほどカフェを経営していましたが、コロナ禍で全店舗を閉めたんです。もう飲食店はやらないと決めていました。でもスミス・ティーメーカーのためには、このおいしさを体験する場が必要だと思ったんです」
カフェはあくまでも体験を目的としており、だれもが日常でティーを手軽に楽しめることを大切にしている。
「私たちは販売エリアとカフェをあえて明確に切り分けないことで、空間全体に遊び心を忍ばせています」
「たとえば、この後ろの提灯は紅茶で染色しているんです」
そう店内を案内してくれたのは、ブランドマネージャーの將太さん。

「商品が多くて迷う方も多いんです。なので、まずはツアーガイドのように店内を案内しながら、商品の説明や香りを体験いただいています」
すべての商品の前に茶葉のテイスティングできるようになっている。「No.15 SOOTHE SAYER(スーズ セイヤー)」のガラスの蓋を持ち上げると、ふんわりとペパーミントの爽やかな香り。

このガラス蓋も、ティーグラスを細工したものなんだそう。
將太さんも、日常のなかでティーを楽しんでいる。
「毎朝、マグカップにティーバッグとお湯を入れて、タイマーをセット。その間に歯を磨いて、できあがったら一服しています」
ポットを準備し、茶葉から淹れるのは、日々の忙しさのなかでは少しハードルが高い。準備の時間も、その後の洗い物も手間がかかる。
「販売しているティーは、すべてティーバッグです。茶葉のみの販売はしていません。手軽にいいものを生活に取り入れることが、本当の心のゆとりになると考えています」
以前は日本酒の輸出に関する仕事をしていた將太さん。健康志向の高まりや若者のお酒離れで業界に限界を感じていた。
「お酒だけじゃなく、コーヒーが飲めない人も結構多いんですよね。じゃあみんな何を飲むんだろうって考えてしまいました。そうなったとき、ティーをもっと身近に楽しんでほしいし、専門のカフェがあってもいいと思い、東洋ベバレッジに入社したんです」
「働いているスタッフもスミス・ティーメーカーのおいしさに共感して、抽出技術や味わいの複雑さに、強い興味や好奇心を持つ人が多いですね」
「働くうちに、原料の特徴や効果効能にも興味が湧いてくるようになりました」
副店長の友梨佳さんは、ティーのおいしさに共感して入社。みなさん、下の名前で呼び合う仲だそう。

「紅茶好きということもあって、人生で1度は紅茶に関わる仕事をしたいと思っていました。接客業の経験しかなかったので、まずは販売で働き始めました」
バリスタと販売はもちろん、シフト調整や商品・フード・備品の仕入れなどを行う。
「週末はお客さまでよく賑わうんです。そういうときは、スタッフの経験や適性を加味して販売とカフェにバランスよくスタッフを配置しています」
店長職はスタッフの育成として、スミス・ティーメーカーの信念を伝え、店舗でその世界観を表現していくことも大切になる。
さらに働きやすい環境を整えることも重要。これまであいまいだった部分をルール化したり、スイーツレシピをわかりやすく書き換えたり。
「職場は話しやすい雰囲気なので、みんなの意見を聞き、試行錯誤しながら進めています」

「私はバリスタ経験ゼロでした。でも、販売で覚えた商品知識は、カフェでの接客でも役立っています」
種類数が多いため、飲みたい時間帯やテイストの好みを表にしたパネルで、お客さんの好みを探ることもある。

「2名以上であれば、会話を聞いて接客につなげられそうな話があったら、声をかけに行きます。1人の場合は、どの商品の前でよく立ち止まるか観察しますね」
「マダムが3人で来店されたとき、お声がけしたら、宝塚の方に差し入れをするものを探していました。いわゆる“推し”の好みをお伺いして、ご提案したら『これすごい好きそうだからいただくわ』って購入してくれたんです」
それからリピーターとしてカフェにも来店してくれるように。会うたびに声をかけてくれる。
「おいしさを通してお客さまとつながれるって、すごくうれしいです」
「話を聞きながらお客さまの好みに合いそうなティーを絞って、これだ!ってハマる瞬間、うれしいですよね」
友梨佳さんの話を隣で聞いていた店舗スタッフの康平さん。副業でコーヒー店のバリスタもしている。

もともと働いていたコーヒー店がスミス・ティーメーカーを扱っていた。
初めて飲んだのは、「No.39 FEZ(フェズ)」。
「ミントベースの緑茶なんです。ミントってあんまり得意ではないんですけど、スッキリさはあるのに、いい意味でミントっぽくない。イメージが覆されました」
「そのときに自分のなかで、コーヒー店のバリスタだけじゃなく、違った形で挑戦できることないかと思って… 気づいたら面接してましたね」
カフェでは、約30種類のティーを提供している。
「6週間に1度、シーズンの商品が入れ替わるんです。変化が早くて覚える大変さはありますが、それがいい意味で刺激的でもありますね」
ティーの特徴は、フレーバーや味のイメージが書かれたブレンドカードというのがある。
まずはそれを参考に、知識を身につけたり、イメージの味がつくり出せているか自分の舌で確かめる。

康平さんはお客さんに説明するとき、味見をして感じ取ったイメージを、自分なりの言葉で伝えている。そのほうがお客さんにも届きやすい。
食への興味や、表現力の豊かさも大切になりそう。
「コーヒーにはドリップやラテがあるように、紅茶だったらミントやレモンを想像する。でもスミス・ティーメーカーには、玄米茶を使った面白いブレンドティーやティーラテなど、ここでしか味わえない一杯があります。僕らも新しいメニューが出ると、どんなティーなんだろうってワクワクした気持ちになるんです」
どんな人と一緒に働きたいですか。
「向上心ある人だとうれしいですね。販売にしてもカフェにしても、最初は覚えることが多いと思うので。今までティーと関わりが少なくても、スミス・ティーメーカーを面白いって感じてくれる人と一緒に働きたいです」
新しいクラフトティー文化を広めるスミス・ティーメーカー。
味わったからこそ「おいしいは正義」の真意が伝わってきました。
そして店舗で働くスタッフたちも、「おいしさ」に共感し、探究し、自らの言葉でたくさんの人に届けています。
その一杯が日常の豊かさにつながっていくと感じました。
まずは、飲んでいただきたい。言葉では表現しきれない魅力が詰まっています。
この新しいティー文化を一緒に伝えていきませんか。
(2026年6月9日取材 小菅綾香)


