何度も現地へ足を運び、そこに暮らす人たちと顔を合わせる。
知らなかったことを知るうちに、その土地への思いも深くなっていく。
好きな場所だからこそ、力になりたい。
地域科学研究所の仕事では、そんな思いが原動力になります。

大分県に本社を置く、株式会社地域科学研究所。
地理情報システムや行政システムの構築、公共施設のマネジメントなど、人口の少ない自治体を中心に地域づくりを支えています。1977年に創業し、手がけたプロジェクトは、西日本を中心に8,000以上。
豊富なソリューションを持ちながら、地域へ足を運び、現地の声に耳を傾けることを大切にしています。さらに近年は、複雑化する課題に対して、これまでにない価値を生み出すことにも力を入れています。
今回募集するのは、長野県内に暮らしながら、県内の自治体と関係を築いていく営業職。
エンジニアをはじめ、各分野の専門スタッフと連携しながら地域に伴走します。
勤務地となる長野を訪ね、出張中のみなさんに話を伺いました。
地域科学研究所が支援している、長野県朝日村へ向かう。
村の入り口でバスを降りると、少年が「でっかいきゅうりがあった!」と走っている。
「そりゃでかいなあ」と豪快に笑うおばあちゃん。
似たような記憶を思い出して、なんだか懐かしい気持ちになった。

立派な木の柱が特徴的な朝日村役場に到着。
地域科学研究所の岡田さんが迎えてくれて、少年とおばあちゃんの話も味わうように聞いてくれた。役場の柱のような安定感のある方。
「この村には、日本の原風景のような美しい景色が至るところにあるんですよ。春先は山に残雪が残っていて、後ろには青空、目の前には新緑が広がっている。長野の人たちがすごく羨ましいですね」
新卒で入社して20年。全国各地を回り、3年前から長野も担当している。
「通っているうちに、長野が好きになってしまって。今は、私自身がこの地域でやりたいという思いが強いですね」
現在、長野エリアの営業を担当しているのは岡田さんひとり。少しずつ仕事が広がるなかで、新たに一緒に働く人を募集することになった。
どのように地域と関わり、仕事をつくっていくのか。
岡田さんが何よりも大切にしていることは、何度も現地へ足を運ぶこと。
「朝日村とのきっかけは、県内の自治体向けに開催したセミナーでした。参加していた職員さんから相談を受けて、『じゃあ、ちょっと役場に伺いますね』ということから始まったんです」
まずは会いにいく。
ただ、一度訪ねただけでは、本当に困っていることを聞くのは難しい。
学校はどこにあるのか。商店街にはどんなお店があるのか。
自分の足でまちを歩き、目にしたものや交わした会話を少しずつ蓄えていく。
「地域を好きになること。それがないと、相手のためになる提案はできないと思います」
朝日村との取り組みも、最初から内容が決まっていたわけではない。
はじまりは、公共施設のあり方を見直したいという相談だった。それでも何度も話を重ねるなかで、「実はこちらのほうが優先順位が高くて」と、別の困りごとも聞くように。
一つの相談に応えるうちに、その奥にあることが少しずつ見えてくる。
「最近は、地域の人たちが担ってきた水路や道路の管理を、これからどう続けていくかという話をしています。そもそも誰が管理しているのか、水路がどこを通っているのか、地図すらないところもあって。まずは地域の人や職員さんと、現地を歩いて調べたいと思っています」
「道路の草刈りも、これまでは地域の人たちがボランティアでやってきました。でも、それを担う人も少なくなっている。だったら、地域の新しい仕事として、何か報酬が生まれるような形にできないか。地域の原風景やインフラを、みんなで守っていく方法を考えているところです」
岡田さんの地域との向き合い方には、原点になった仕事がある。
入社して数年。路線バスに乗り込み、利用者へヒアリングする仕事を担当した。
どうしてこのバスを利用しているのか、困っていることはないか。
最初はうまく聞けず焦っていたそう。
それでも毎日のようにバスに乗るうち、乗客とも顔なじみになっていった。
「『また来たんか』『調査が終わったらうちに寄りな』と声をかけてもらって。地域のおいしいものを持たせてくれることもありました」
「関係性ができると、地域交通の話だけじゃなく、町の成り立ちや『もっとこういう事業をやったらいいんじゃないか』という話までしてもらえる。この事業に取り組んだ4年間が、今の私の土台になっています」
これから一緒に働く人にも、そんなふうに地域と関わってほしい。
「いろんな地域に何度も足を運ぶし、すぐに答えが見つかることもないので、ビジネスタフが求められる仕事です。豊かになるってどういうことだろう。地域社会づくりの本質的なアプローチってなんだろうって、考え続けることを面白がれる人と働きたいですね」
次に話を聞いたのは、システムエンジニアのAさんと、営業のBさん。ふたりは他エリアをメインで担当しているため、社員のプライバシーに配慮する会社の方針により、名前を伏せてご紹介。
まずはAさん。普段は大分エリアをメインで担当しつつ、朝日村のシステム構築にも携わっている。

「いろんな会社の話を聞きますけど、うちはエンジニアがお客さんのところまで足を運ぶのが強みだと思っていて。直接話せるからこそ、課題を聞くところからシステムをつくるところまで、一気通貫で関われます」
以前、ある自治体の公式アプリをつくったときは、現地で住民の方と話す機会があった。
「職員さんといろいろ話しながらつくるんですけど、住民の方からも『楽しみながら使っていますよ』と言ってもらえたのは嬉しかったですね」
入社して6年が経ち、もっと地域の近くで働きたいと会社に制度を提案したAさん。第一号として地方へ移住し、その土地で暮らしながら働いている。
話を聞いていると、Aさんが見ているのはシステムそのものより、その先にいる人たちなのだと感じる。
だからこそ、営業が現地で聞いたことや感じたことを、できるだけ丁寧に伝えることも大切だ。
地域の人とエンジニア。その間をつなぐことも営業の役割になる。
「営業とのミーティングは毎週あります。既存のサービスを提案するだけじゃなくて、お客さんが思っていることを聞いて届けてくれる。本当はやりたかったことを、一緒に叶えている感覚があります」
これから一緒に働く人とは、どんなコミュニケーションをしたいですか。
「本質的な課題を突き詰めていきたいですね。たとえば『ボタンの名称をこう変えてほしい』と要望があったときも、僕はその背景まで知りたいんです」
一つの声をそのまま持ち帰るのではなく、なぜそう感じたのか。その背景まで共有する。
営業が「このシステムをつくってほしい」と答えまで決める必要はない。「こんなことで困っているみたいなんだけど、どう思う?」というところから、Aさんたちと一緒に考えていけばいい。
地域で話を聞く人と、それを形にする人。役割は違っても、同じ課題を一緒に考えていく。
地域のことを一緒に考えてくれるエンジニアがいるのは、新しく入る人にとっても心強いと思う。
最後に話を聞いたのは、京都事務所で働く営業のBさん。
新卒で入社して2年ほど。働く場所は違うものの、これから入る人と同じ役割を担っている。
「出張では、何を食べるかも楽しみの一つです。今日も3人でそば屋に行ったら、そばの上にサラダがどんっと乗っていて。ごまドレッシングで食べるんですよ」

大学では農業経済学を専攻していたBさん。学ぶなかで、地域には行政と民間、両方の力が必要だと感じていた。
「公的な支援が必要な一方で、それだけに頼るのではなく、ビジネスとして成り立たせる視点も欠かせなくて。両方のよさを掛け合わせて、できないことを補い合うことが大事なんだと思っていました」
地域おこし協力隊や公務員も考えたが、民間の立場で自治体と仕事ができることに惹かれて入社した。
ただ実際に働いてみると、多様なステークホルダーの間に立つ難しさも感じたそう。
「どこかの立場に肩入れしすぎると、聞き方も偏ってしまう。この人にはこの人の考えがあるんだな、とフラットに聞くことは大切にしています」
もちろん、最初から一人で地域に入り、関係をつくってきたわけではない。
Bさんも入社して間もないころから、先輩の訪問に同行してきた。どのように話を聞くのか。初めて会う人との距離をどう縮めるのか。
現場の空気を感じながら、少しずつ覚えていったそう。
そんなBさんが今、力を入れているのが、和歌山県由良町でのプロジェクト。
総合計画づくりのために開いたワークショップをきっかけに、住民や事業者と対話を重ねていった。
すると、当初は想定していなかったアイデアが少しずつ生まれてくる。
「話を聞くなかで、こういうことが求められているんだとか、この人とこの人が一緒に何かできるんじゃないかとか、少しずつ見えてくるのが面白くて」
聞いた声を社内へ持ち帰ってアイデアを出し、また返していく。そんなやり取りから、若い世代に地域の仕事を知ってもらう職業体験プロジェクトも生まれた。
地元の人から聞いた、忘れられない言葉がある。
「町に大きな船を修理するドックがあって、明け方に船が入ってくると『ボーッ』と汽笛が鳴るらしいんです。それがめっちゃいいんだよって教えてくれました」
何気ない話ではあるけれど、住んでいる人だからこそ知っている魅力。
嬉しそうに話すBさんを見ていると、これからも好きなところを一つずつ増やしながら、由良町のために働いていくんだろうなと思う。
帰り際、3人は役場の職員さんと立ち話。
朝日村ではどんな木が育つのかという話から、村内で活動する木工作家さんの話で盛り上がっていた。
外に出ると、今度は岡田さんのレクチャータイム。目の前に広がる山々を楽しそうに解説してくれる。
好きになれば、もっと知りたくなる。
話を重ねていけば、まだ誰も気づいていなかった必要なことが見えてくるかもしれない。
それを、地域の人たちと一緒に形にしていく。
数年後には、あなたにとって大切な場所と、そこで生まれた新しい仕事がひとつ増えているかもしれません。
(2026/07/30 取材 長島遼大)








