
滋賀県高島市で地域おこし協力隊を募集します。
2026年は約8年ぶりの募集再開で、最初の仲間を募集する機会となります。そこで、日本仕事百貨では3プロジェクトの求人記事を掲載。また、しごとバーも行います。

44,000人が暮らす高島市は、湖と山のあいだに人が暮らすまち。
今回のインタビューをつうじて、農林漁業、医療福祉、観光、行政、飲食、編集デザインといろいろなはたらく人に出会いました。地元の人も、移住した人も、帰ってきた人もいます。
インタビューをするたび、ものごとの見え方が変わっていくのがおもしろくて仕方がありませんでした。

たとえばびわ湖は「大きなみずうみ」から「多様な生きものが暮らす水源」へ。市の面積の72%にあたる森林は「たくさん木のあるところ」から「人の暮らしとつながる森林資源」へ。そして、高島市は「過疎化の進むまち」から「ゆたかな日常のあるまち」へ。
また、農林漁業、医療福祉、観光、行政、飲食、編集デザインといった分野を越えて、高島市の共通点が見えてきました。それは次のようなことです。
「ふかふかの土があるから、おいしい米もナスも柿も育つ。さらさらの水があるから、おいしいビワマスもセタシジミも育つ。すべての営みには“土”や“水”といったベースが大切で、それをつくるのは、微生物のように目に見えないはたらき。実は、ビジネスにも同じことがいえる。人間関係の土壌がほぐれていると、一人ひとりの芽が出やすくなる」
今回募集するのは、高島市の地域おこし協力隊です。そして今回は、一人ひとりの活動に、「ぼくみん・山笑う共同事業体」が伴走します。

「ぼくみん・山笑う共同事業体」は、高島市で活動する一般社団法人ぼくみんと株式会社山笑うによるチーム。年代は20代から50代まで、出身地は東京、愛知、京都、滋賀、大阪、福井とさまざま。このチームでは、インタビューのたびに話していたことがあります。
「今回の応募は、応募いただくみなさんにとって、大きな人生の転機だと思います。貴重な3年間をともに過ごすプロジェクトだから、受け入れ態勢をよく考えたいんです」
ところで日本仕事百貨は、人と仕事をつなぐ媒体です。インタビューをつうじて、見えてきた媒体の役割があります。それは未来の高島市地域おこし協力隊員とそれを迎え入れる高島のみなさんの根っこをうまくつなぐこと。それができたら、「地域おこしは自分おこし」につながる予感がしたからです。

ここからは、高島市を実際に訪ねてみたいと思います。
英語、中国語、ドイツ語。世界各国の言葉が飛び交うJR京都駅。その2・3番線ホームから「近江今津」行きの湖西線に乗る。近江(おうみ)は滋賀県の古い呼び方だそうで、これから向かう高島市は、滋賀県でもっとも高齢化率が高いまちだと聞いた。びわ湖の西を走るから湖西線で、だいたい1時間に一本の運行。強風が吹きおろす冬には、止まることもあるという。
「高齢化、止まる電車」と聞いて、ちょっと不便に思いながらも電車が走り出すと、びわ湖が現れた。

大きい、とびきり大きい。湖というより海のスケール。けれど、対岸が見えるのは、どこか瀬戸内海を思わせる。とびきりの風景だけれど、まわりの乗客たちは本を読んでいたり、スマホを眺めていたりするから、これは日常風景なのだろう。
京都駅からはちょうど1時間。新旭(しんあさひ)駅で降りて、徒歩1分のTAKASHIMA BASEへ向かう。

駅前にありながら、駅から見えない秘密基地のような立地。ここで迎えてくれたのは、瀬川さん。その手元に、地域おこし協力隊の企画提案書がある。全44ページ、30,000文字を超えるボリュームで、一冊の本のよう。
「ほんとうに“本”ですよね。TAKASHIMA BASEにはリソグラフがあるので『印刷して販売しよう』なんて話もあったぐらいです。ほんとうに、夜な夜な集まり、つくりましたね」

ちなみに瀬川さんは、27歳。TAKASHIMA BASEを運営する一般社団法人ぼくみんの創業に、大学在学中から関わってきた。
そこへスタッフの桜さんが、淹れたてのアイスコーヒーを届けてくれる。2026年の春に美大を卒業した新社会人だという。高島市は高齢化率が県内でもっとも高いまちだと聞いたけれど、いまのところ出会った高島市民の平均年齢は25歳。圧倒的に若い。
年齢は若いけれど、それ以上の何かを感じる2人だと思った。そして、高島市は、滋賀県内ではもっとも高齢化が進んでいる自治体。だからこそ役職とか、業種とか、国籍とか、性別とか。いろいろなものを飛びこえてみんなで地域おこしをしていく土壌があるのかもしれない。
ここからは瀬川さんと市役所へ。市長との打ち合わせに向かう。

口火を切ったのは、今津さん。ぼくみんの代表であり、共同事業体の代表も務めている。
「今では、8,000人を超える地域おこし協力隊員が全国で活動しています。募集を行う上では、プロジェクトの魅力も大切ですが、ぼくらは高島を好きになってほしいんです。応募いただく人に『ここええな、ここで暮らしてみようかな、働いてみようかな』と。じゃあ高島の魅力ってなんやろうと考えると“水”なんです」
てっきり今津さんが最後まで話すのかと思いきや、ここでバトンを受け取った瀬川さん。地域おこし協力隊のプロジェクトについてプレゼンを行っていく。

瀬川さんも、市長をはじめとする市役所の人たちも、みんな真剣だ。お互いが年齢や肩書きを越えて、人となりで相手を見ている印象を受ける。
この日、もう一つ印象に残る場面があった。それは、地域おこし協力隊募集のポスターデザインについてのやりとり。
2025年に就任した今城(いまき)市長は、自身も京都からの移住者。地域おこし協力隊事業は重要な施策の1つでもあり、なみなみならぬ思いがうかがえる。

「…ポスターのデザインはめっちゃいいと思います。ただ一つ気になったことがあります。この写真の“水”が濁っているでしょう。ふだんは透きとおっているけれど、しろかきの時期だけは濁ってしまうから。水だけは、きれいな水がええな」
自然資源のゆたかな高島市では、農家や漁師さんはもちろんのこと、市長もまた“自然の目”をもつ人だった。

打ち合わせが終わると、瀬川さんはふたたびTAKASHIMA BASEへ。今津さんたちと企画を練り上げていく。こうしたやりとりを重ねて、高島市の地域おこし協力隊の募集プロジェクトがかたちになりました。
最後に、瀬川さんから。
「地域おこしは、地域おこし協力隊員だけでなく、みんなで取り組むものだと思っています。だから、ぼくらは市役所、共同事業体、地域住民によるチーム『オールたかしま』で、あなたを迎え入れたいんです」

そんなオールたかしまの仲間さがし。
もし「わくわくするな」「おもしろそうだな」といい予感がしたら、まずは9/11開催の「しごとバー」でお待ちしています。その翌日の9/12開催には東京国際フォーラムで行われる「ふるさと回帰フェア」にも出展します。
また、求人記事は9/17に公開予定です。
オールたかしまのWebサイトで先行公開しているので、気になる方はのぞいてみてください。
(2026/8/31 インタビュー 大越 元)
