※このイベントは終了いたしました。
しごとゼミは、いろんな分野のプロフェッショナルの講師とともに、既存プロジェクトの実績を惜しげもなくケーススタディしながら学ぶ、少数によるゼミナール形式のスクールです。
講師はゼミで教えながら、一緒に働ける人との出会いも期待しています。受講者は生きた知識を得るとともに、働く機会も得られるかもしれません。働くつもりはない人であっても、もちろん講師は本気で教えます。
今回は「一生モノの企画発想力ゼミ」を開催します。結果を生み出す発想力を身に付けたい方は、ぜひご参加ください。
ゼミの講師は、愛知県・岡崎市の産業支援拠点「岡崎ビジネスサポートセンターOKa-Biz」でセンター長を務める秋元祥治さんです。
町工場、ベンチャー企業、NPO、地元のママさん、占い師など、日々さまざまな中小企業や起業家から相談を受け、売上アップにつながる具体的な提案をしている秋元さん。その知識や経験を共有するとともに “真の結果を出す企画発想力”について教えてくれます。
発想力は、決して天性のセンスではないといいます。「人もいない・お金もない・余裕もない」という状況下でも、知恵があれば流れを変えていける。今回は、その知恵の絞り方を体感する場です。
今回は、新設される中小企業相談所のセンター長の募集も兼ねていますので、センター長に立候補したい方のご参加も大歓迎です。
1979年生まれ。岐阜高校、早稲田大学教育学部/政治掲載学部中退。地域の中小企業と、主体的な若者育成を通じた地域活性化がテーマ。2001年G-netを立ち上げ03年法人化。04年「長期実践型インターンシップ」事業を開始。2013年に岡崎ビジネスサポートセンターOka-Bizをセンター長として立ち上げ中小企業支援を開始。5年半で1万2000件を超える相談サポートを行なっている。
99.7%。日本の総企業385万社のうち、中小企業が占める割合です。
中小企業支援の分野において、日本でもっとも成果をあげていると評価されている公的機関が富士市産業支援センター「f-Biz」。
今回の講師である秋元さんは、f-Bizセンター長の小出宗昭さんに約10年間師事し、2013年、f-Bizをモデルに「OKa-Biz」を立ち上げました。
OKa-Bizは開所早々に売上アップに繋がる事例を多数生み出し、f-Bizとともに「行列のできるビジネス相談所」と言われています。
今や全国の20を超える自治体が、Bizモデルの中小企業支援施設を設立しています。しかもセンター長の年収は1000万円以上と、公の産業支援に比べても破格の金額です。
小出さんと秋元さんは、このモデルに欠かせないのは「人」だと強調します。真の知恵を出せるプロがいれば、地域に無数の小さなイノベーションを起こすことができると。
中小企業支援コンサルティングのフロントランナーであるお二人に、直接お話を伺ってきました。
—まずは小出さんにお伺いします。f-Bizをはじめとする、Bizモデルについて教えてください。
小出 全国にはものすごい数の公の中小企業支援施設があって、税金や補助金をもとに運営されてきたわけです。ただ、経営者の『売上をアップしたい』という相談に対して、期待される成果が出ていないと10年以上も前から言われていた。
その課題は、アドバイスをする側の人間にあると。つまり具体的な成果を出せる人間がいないと言われていたんです。
そこで、相談者の売上アップに直結する具体的な提案をワンストップで行なっているのが、f-BizをはじめとするBizモデルです。
財務諸表や決算書は見ないし、出資もしない。相談者の話をぐっと集中して聞いて、本人たちが気づいていない真のセールスポイントを見つけ出し、オリジナリティを明確に形にして発信するんです。
—具体的には、どのように相談に乗っているのでしょうか。印象的だった事例はありますか。
小出 『もちの木』さんという、創業114年の老舗の和洋菓子屋さんがあります。
今、まちの和洋菓子屋さんが困っている理由は3つあります。競合店の激増とコンビニスイーツのクオリティ向上、そしてお取り寄せスイーツの台頭です。もちの木さんも例外でなく、厳しい経営状況をなんとかしたいと相談にお越しになって。
我々は、1回1時間という枠の中で徹底的に話を聞くんです。そこで思ったのは、そもそも100年以上続いているんですから、味は美味しいに決まっていると。つまり味の魅力を気づかせることができれば、お客は戻ってくるだろうと考えたんですよ。
具体的にはどうするか。
着目したのが、当時大きなトレンドとなっていた“インスタ映え”です。既存のお客さんだけを対象にすると、どうしても価格競争になるけど、おいしくてインスタ映えする商品があったら若い世代にアプローチできますよね。
僕らもInstagramで何かできないかと考えながら話を聞いていくと、地域のイベント限定で出しているどら焼きの皮を使ったクレープがあるんだって、もちの木さんが言うわけです。
ああ、それはいいよね!と。そこで我々が提案したのが、どら焼きの皮を使ったフルーツサンド『どらサンド』です。
実はこれ、我々が見る限り世界初なんですよ。なぜほかじゃ真似できないかというと、和菓子と洋菓子、両方の高い技術が必要だから。ここに、もちの木さんのオリジナリティが発揮されているわけです。
試作品が完成したら、InstagramとFacebookでどんどん発信します。テレビやラジオ、新聞などにもプレスリリースでどんどんアプローチをかけて。
そしたら一気に話題になったわけですよ。連日完売、発売から半年で松坂屋静岡店の催事に呼ばれて、出店したら2日間で600個以上をまた完売。1年で2万個を販売して、全体の売上も10%くらい上がるようになった。
使ったのは何か? 知恵ですよ。お金じゃない。真のセールスポイントを見つけて、オリジナリティを具体的な形にする。
相談に来るほとんどが小規模の会社です。町工場の親父さんから子育て中のママさんまで、いろんな人が来ます。我々が行うのはスマートなコンサルじゃない。『人もない・モノもない・お金もない』相手と膝を突き合わせて、知恵を絞って流れを変えていくスーパーコンサルなんですよ。
—「知恵を絞る」には、特別な才能が必要なのでしょうか?
小出 僕はそんなことないと思っています。天性のひらめきとか、破天荒な思いつきじゃないんです。ただ明らかに適性はありますよ。
それは何かというと、まず圧倒的な情報量を持っていること。常にいろんなものにミーハーであれるかどうか。毎日面白いことにアンテナをはって、バラエティ番組を見ているときでも貪欲にアイデアのタネを探せるか。人が見逃してしまうような情報に気づき、掴んだ情報をもとに自分で調べる。そうすると、情報が生きた知識に転換される。生きた知識の集積から、知恵が生まれて具体的なアプローチにつながるんです。
MBA的な手法には限界点があって、分析の先の具体的なアイデアが示せないんですよ。我々の発想力は、本当の結果を出すことにつながる。実際のイノベーションを起こすことができる発想力なんですよ。
—結果を出しているからこそ、あちこちの自治体に広まっているんですね。今や、全国20箇所を数えるまでになって。
4年前、Bizセンターはまだ3箇所だけだった。この4年で7倍に増えたわけですよ。人口50万人の都市から1万人の町まで、地域の人がわんさか押し寄せてきて、小さなイノベーションが次から次に生まれているんです。
我々の仕事は、人生を本当に変えちゃうんですよ。効果的にアドバイスができれば、社長・社長の家族・従業員・従業員の家族、皆をハッピーにできる。それがものすごい喜びなんです。
ビジネスセンスと、コミュニケーション能力と、情熱。これらを備えた人材こそ、本物の支援者だと僕は考えています。
—今回のゼミの講師を務める秋元さんにもお伺いします。「一生モノの企画発想力ゼミ」は、どんな場になるでしょう。
このゼミの意義は、「お金をかけずに知恵を絞る」というBizモデルを体感できるということですね。真のセールスポイントを見つけて、ターゲットを絞る、という企画発想力です。
たとえば以前、佐野花火店という国産の玩具花火を扱う問屋さんがお越しになりました。玩具花火の売り上げがどんどん下がっているなか、なんとか国産の花火を売りたいというご相談です。
というのも今、世の中の玩具花火のほとんどが中国製で、それが圧倒的に安いんですね。加えて公園の騒音対策で、遊ぶ場所もどんどん消えていっている。
話を聞いていくと、佐野さんは国内の主要なメーカーと直接取引があって、企画商品をつくることも可能だとおっしゃるんです。それに取引先の花火は、品質が全然違うんですって。同じ寸法でも、中国製が10秒なのに対し国産の花火は150秒も保つ。さらに色もくるくる変わる。
だけど、一番高い国産のもので1本千円。高くて売れないんだそうです。
ここまで聞いて見えてきたのは、品質の高い花火をつくるメーカーとのつながりが佐野さんの強みだということ。次に、ターゲットは誰なのか? そこで考えたのが『大人の花火』です。
最近、グランピングや高級リゾート星のや、列車・ななつ星にクルーズ旅行など、豊かな余暇を過ごすためにはお金を惜しまない人たちが随分増えてきましたよね。そういった層にターゲットを絞ったらどうかと。
そこで打ち出したのが『花火十二単』です。国産花火を12本、1本ずつ和紙に収めて1セット1万円。
となると、売り先がまったく変わりますよね。ホームセンターから高級インテリアショップへ。すると短期間に100万円以上を売り上げて、今や大手百貨店・高島屋の外商にも取り扱われるようになりました。
ゼミではこうした事例をいくつかご紹介しつつ、もしこんな相談が寄せられたとしたらどう応えますか?という実践にも取り組んでいただきます。Bizモデルで大切にしている発想法を体感できる時間になるんじゃないかと思います。
—今回は、f-BizやOKa-Bizをモデルにした中小企業相談所のセンター長の募集も兼ねています。センター長として6年目を迎えた今、秋元さんはどんなことを考えていらっしゃいますか。
僕は、東京と同じくらい地方に、大企業と同じくらい中小企業に、生かされるべきもの、磨けば輝くものがあると思っているんですよ。ただ地方や中小企業では、それを生かし、磨けるコンサルタントが不足している。
すべての中小企業には必ずいいところがあるはずなんです。競合他社があるにも関わらず会社が続いているっていうのは、ほかと比較して良いところがあるからです。それを一緒になって、探して、見つけて、生かすのがこの仕事です。
—センター長にはどんな人が向いているのでしょう。
ビジネスシーンの中で一定の結果を出してきた方で、地方で働きたいと思っている方には、新しい仕事の選択肢になるんじゃないでしょうか。
これまでは、ビジネスエリアで活躍してきた方が地方に行こうと思っても、道筋も門戸も開かれていなかった。そこを切り拓き、地方創生や中小企業支援の最先端に飛び込める新たなキャリアパスを用意したのがこのBizモデルだと思います。1000万円以上という年収にも、Bizモデルへの期待とそれに伴う責任が表れていますよね。
僕らが期待されているのは、プロ野球選手でいうと3割40本以上の助っ人外国人打者です。地域の事業者さんと、そこで働く人たちの生活に対して責任を持つわけですから。期待された成果を出せずに1年でトップが交代したケースもあります。
だからこそより高みを目指せるんです。責任の重さは、言葉を変えればやりがいの大きさ。それを面白がれる人に来てもらいたいし、このゼミを通してBizモデルをより深く理解したい、自分もやってみたいって人に応募してもらえたらうれしいです。
(2019/03/19、05/30 取材 遠藤真利奈)
日時
2019/7/7(日) 13:00〜18:00
場所
東京都江東区三好1-7-14 リトルトーキョー3階
参加費
¥5,000
別途1ドリンクをご注文いただきます。
定員
30名(先着順。定員になり次第、募集を終了いたします)
募集期間
2019/6/18(火)〜7/2(火) 5日(金)
※ 追加募集を開始することになりました(2019/7/2)
概要
・しごとゼミは実際のケースを通じて仕事への取り組み方や考え方を学ぶ場です。
・仕事のスタンスや考え方に共感できる人と出会うことができます。
・講師側は仕事の仲間探しを、受講生は共感できれば求人に応募もできます。
・一緒に働く、働かないに関わらず、講師側は本気で伝え、教えます。
・本気なので、普段言えない話もありますし、秘密も守ってもらいます。
対象の方
・今の仕事に活かしたい。
・アイデアを生かす仕事をしたい。
・Bizセンター長として働きたい。
※このイベントは終了いたしました。
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