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2.9 Sat

しごとをつくる合宿
つくって終わるな、動かせ編

※このイベントは終了いたしました。

地域を舞台に働きたい、いつか田舎に帰りたい。

そんな思いを持っていても、理想的な選択肢を見つけるのはなかなか難しい。もやもやしながらも、今の生活を続けていることもあるかもしれません。

そんなとき、自分で仕事をはじめることができたらどうだろう。

そう考えて開催したのが「しごとをつくる合宿—北茨城編—」でした。

2018年の秋に2泊3日で茨城県と福島県の県境にある北茨城市を訪ねて、自分だったらこの地域でどんなしごとをはじめたいか?と考えるワークショップを実施。

ほしい選択肢がないのなら、自分でつくってしまおうという考えです。

これを聞いて、「2泊3日の合宿で本当に“しごと”をつくれるの?」と思った方もいるかもしれません。

正直なところ、まだ芽が出たくらいの段階です。これからその芽に水をやり、立派な木になるように育てていく必要があると感じています。

そこで今回は、事業プランをより具体的に組み立てていく「しごとをつくる合宿—つくって終わるな、動かせ編—」の開催を決めました。

合宿をきっかけに新しいプロジェクトをはじめようとしている人たちが集まり、自分の考えた事業プランを発表。会場に集まったみなさんと一緒に、じっくりとそのプランについて考え、実現に向けて動き出すためのワークショップを行います。

ファシリテーターは、日本仕事百貨代表で「生きるように働く」の著者、ナカムラケンタが務め、しごとのコンセプトからお金のことまで、より具体的にブラッシュアップしていきます。

当日発表してもらうのは、以下の5つのプランです。しごとをつくることに興味のある人ならケーススタディになると思いますし、この場をきっかけに、プロジェクトに参画するようなつながりが生まれたらと思っています。

 

1.「気づいたら、キタイバ」
山中 裕加(やまなか・ゆか)
フリーランスとして仕事をしながら、各地を巡る「遊動生活」を行なっている

車内をワークプレイスとして整備した東京・上野−北茨城市間を直通運行するバスの提案。

あるときは海辺の民宿に、あるときは山間の集落に。「気づいたら、キタイバ」というように、東京から北茨城までの片道2時間半の「移動」を日常の延長としての働く場にすることで、離れた二拠点間をなるべくシームレスにつなごうというプランです。

メインターゲットは仕事場を選ばないフリーランスや、いつもと違う環境で創造したいクリエイティブ層の人たち。都市部のカフェやコワーキングスペース以外の働く場の選択肢を提供すると同時に、地域とクリエイターとの自然な接点をつくる狙いがあります。

“移動のデザイン”や、これからの多様な働き方を考えたいという方なら、一緒にしごとをつくれるかもしれません。現在、同参加者の寺門さんと実現に向け てブラシュアップ中です。

 

2.「北茨城をとりつくせ!」
立川 敦子(たちかわ・あつこ)
2019年から北茨城に移住予定の照明デザイナー

アーティストの制作現場、季節の山野草、星空と海など、北茨城には写真に収めたくなる風景がたくさんあります。そこで、写真愛好家を対象にしたフォトトリップを企画。

さらに、廃校を活用したシェアアートスペース「期待場」でフォトコンテストを開催。入賞した写真はクレジット付きで北茨城市関連の広報物やWebサイトに掲載するという提案です。

東京からほど近く、四季を通じた海と山の魅力をワンストップで楽しめるのが北茨城の魅力のひとつだと思います。実際に、しごとをつくる合宿でも写真を撮りたくなる場面がいくつもありました。

その魅力は、紐解くとどういったものなのか。なぜ、北茨城でやるのか。写真を通じた地域の魅力発信に可能性を感じている方は、ぜひ一緒に考えてみてほしいです。

3.「桃源郷芸術祭をアップデートする」
寺門 常幸(てらかど・つねゆき)
茨城県出身、フリーランスのコピーライター 

芸術によるまちづくりを推進している北茨城市の魅力と、20軒ほどが軒を連ねる民宿街に着目。

地域おこし協力隊の都築響子さんを中心に、昨年から開催している「桃源郷芸術祭」の会場として民宿の空き部屋を活用してはどうか、という提案でした。

訪れたお客さんは、アーティストと近い距離感で話したり、作品を購入したりすることが可能。ただアートを鑑賞するだけでなく、これから世に出ていくアーティストと、アートをもっと知りたいという人たちの商談の場づくりを目指していきます。

観光とアートをうまく融合させた自治体の例はいくつかありますが、北茨城という土地では一体どんな形で実現しうるのか。“アートによるまちづくり”のこれからを考えたい人に、ぜひ参画してほしいです。

4.耕作放棄地を活用した有機農業
中村 正則(なかむら・まさのり)
建築業界特化型の営業支援・コンサルティング会社経営者

公共土木事業の減少と増え続ける耕作放棄地、そして有機農業の需要の高まりを受けて、耕作放棄地で有機農業を振興していこうというもの。

北茨城市の農業年齢は平均65歳を超えています。かつ、どれだけ手間をかけて農薬や化学肥料を控えても、既存の市場のなかでは単価がなかなかあがりません。

田畑の整備や販路開拓まで一貫して行える法人を立ち上げることで、有機野菜がしっかりと売れる市場をつくり、さらに土木会社が新分野に参入できるように仕組み化したい、と発表者の中村さんは話します。

農業分野の課題解決に関心があるという方。有機農業など、新しい分野を開拓してしごとをつくりたい方は、ここに関わりしろがあると思います。

5.移住の入り口をつくる改修アドバイス
松田 祐光(まつだ・ゆうこう)
つくばみらい市で建築設計事務所を営む

空き家の改修や旅館等の用途変更に際して、アドバイスを実施。断熱や耐久性などを総合的に助言するというもの。

というのも、茨城県は冬季の死亡率が全国で2番目に高いそうです。その一因として考えられるのが、急激な温度変化によるヒートショック現象。高断熱化住宅があまり普及していないことも、関係しているといいます。

たしかに、合宿で訪ねた陶芸工房「土の夢」の菊地さんも「夏は冷房がいらないくらい涼しいけれど、冬が寒い」と話していました。安心して暮らせる土台づくりから、移住増や昔ながらの家屋が残る景観を守っていきたい、という提案。

地域における課題のひとつ、空き家の利活用について考えたいという方は、松田さんと一緒に向き合ってみてほしいです。

これらの5つのしごとは、まだ動き出しはじめたばかり。

自分のスキルや経験を活かして関わりたい!という方や、いつか自分の地元でしごとをつくりたいという方、ただなんとなく気になったという方も。まずはお気軽にご参加ください。当日参加も歓迎です。

また、発表会のあとには、北茨城在住のアートユニット「檻之汰鷲」の石渡のりおさん・ちふみさんご夫婦をゲストに迎えたしごとバー「生きるための芸術ナイト」も開催します。こちらもよろしければ、ぜひ!

 

日時
2019/2/9(土)
一部 18:00〜20:00
二部 20:00〜22:00(しごとバー/入退室自由)

場所
東京・清澄白河 リトルトーキョー2F

ファシリテーター
ナカムラ ケンタ
株式会社シゴトヒト 代表取締役
1979年東京生まれ。生きるように働く人の求人サイト「日本仕事百貨」を企画運営。シブヤ大学しごと課ディレクター、シゴトヒト文庫ディレクターを務める。グッドデザイン賞審査員などを務め、東京・清澄白河に小さなまちをつくるプロジェクト「リトルトーキョー」や「しごとバー」の企画・デザインを監修。著書「シゴトとヒトの間を考える(シゴトヒト文庫)」のほか、2018年9月に「生きるように働く(ミシマ社)」を出版。

プログラム
・しごとをつくる合宿の振り返り、自己紹介
・あたらしい“しごと”をつくろうとしている4名の発表
・会場の参加者を交えたワークショップ
・しごとバー「生きるための芸術ナイト

参加費
無料
しごとバーは1ドリンク制となります。

 

日時
2019/02/09 18:00〜20:00(しごとバー20:00〜22:00)
会場
リトルトーキョー2F
参加費
無料(しごとバーは1ドリンク制)

※このイベントは終了いたしました。

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