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誠実な未来へ

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「芯にあるのは、リユース・リサイクルという業界そのものをもっと地球規模でよりよいものにしていきたいということ。それだけなんです」

私たちが日々使い捨てていくモノ。その行く末に思いを馳せる人は少ないように思います。

よかれと思って、街のリユースショップに使わなくなったテレビを持っていっても、その店で買い手がつかなければ、テレビはただの廃棄物になってしまう。

ときには違法なルートで海外に運ばれ、人体や環境に悪影響を与える危険な処理をされることもあるのだそうです。

そんなグレーゾーンの多い業界にメスを入れ、正しいリユース・リサイクルの仕組みを生み出そうとしているのが、株式会社ecommit

国内外につながりをつくることで、大切な資源を無駄なく地球規模で循環させようとしています。

いらなくなったモノでも、場所を変えれば必要とされるかもしれない。正しい処理を行って、資源にできるかもしれない。

大きな夢を実現するために、今はさらにその循環の輪を広げようとしているところ。

今回は、ecommitの国内と海外それぞれの営業担当を募集します。



鹿児島空港から薩摩川内市までは、車で1時間半ほど。JR川内駅からも近い市内の中心地にecommitの本社はある。

ここではecommitの管理部と営業部のメンバー、20人ほどが働いている。

忙しそうな雰囲気のなか出迎えてくれたのは、代表の川野さん。今は国内営業部長も兼任している。

「月曜日は、週に一度の営業会議の日。いつもは出張で全国に出払っている国内の営業メンバーが集まるんです。だから、今日はバタバタしているんですよ」

にこやかに話す川野さんは、なんと33歳。お若いなぁというのが、まず感じた印象だ。

17歳のときに、リユース製品を海外に卸す貿易会社に入社。22歳のときに事業を興して、もう10年以上になる。

「はじめて出張で海外に行ったとき、日本では使われなくなったボロボロの農業機械が、現地でピカピカになって販売されているのを目の当たりにしたんです。環境ビジネスって、すごくいいものだなって思いました」

まずは、国内のリユース品を買い集め、海外輸出をしている問屋に販売するところから事業をスタート。徐々に取引をするリユースショップが増え、自分たちで海外に輸出するようになった。

その一方で、リユース・リサイクル業界の闇を何度も目にする機会があったという。

「出張で訪れたある町では、日本から送られてきたパソコンがぐしゃぐしゃになって積み上がっていました。そこでは、小さな子どもや女性たちが非常に劣悪な環境のなか、手作業でパソコンから金属部分だけを取り出していて。しかも、そのあとの残骸は平気で土に埋められているんですよ」

こんなのはリサイクルじゃない。川野さんは、業界そのものを、よりよくしていきたいと思うようになる。

「それからは、環境に負荷を与えない新しいルートはないか、国際的コンプライアンスを遵守するにはどういうサービスがあるだろうかと、ずっと考えてきました」

そうして生まれたのが、“エコバリューサイクル”というパッケージサービス。不要なモノの発生から、最終的に廃棄処分するまでの間をecoomitが一貫管理するというものだ。

具体的にはどういうことなのだろう。伺うと、川野さんがちょうどやりとりをしているという営業先の話をしてくれた。

その会社は全国展開をしている大手のリユースショップ。廃棄物の処理にかかる莫大な費用に悩まされているという。

「もともと、ショップから出る在庫処分品の買い取りでお付き合いしていた会社なんです。だから、その物流を使って、お店から出るすべての廃棄物の回収もさせてくださいという提案をしました」

会社側は廃棄物だと思っていても、海外でなら売れるものは意外とたくさんある。そこに流せるのは、海外への販路を持っているecommitだからこそ。

ゴミの量を減らすことができる上、お金を払って廃棄処分をしていたものが買い取り対象になる。その会社では、年間数億円の廃棄処理費用を5000万円ほども抑えられるという。

「ecommitの営業所に回収されたモノは、日本全国の営業所で丁寧に仕分けされて、海外にある新たな販売先に送られます」

「売れないものは、適正な方法でリサイクルできるところに持ち込み、どうしても廃棄しなければならないものだけをきちんと廃棄するんです」

独自のシステムを使って、すべてのモノがどう処理されたのかをリアルタイムで知ることもできる。

「回収業者のなかには、お店で出た廃棄物でも、処理費用を違法に下げるために家庭ごみとして捨ててしまうようなところがまだまだあります。でも僕らは絶対にやらない。コンプライアンスを守る姿勢に、いい印象を持っていただけることが多いです」

このように、回収先となる日本国内のリユースショップや家電量販店に対してecommitのサービスを提案するのが国内営業の仕事。集まった製品の販売先を確保するのが海外営業の仕事だ。

今では、日本全国600以上の回収先を持ち、20カ国以上の販売先と取引をするまでになった。

「国内営業を担当すると、まずは徹底的に廃棄物処理法を学んでもらいます。リユースのノウハウは少しずつ共有していって、半年から一年くらいかけてようやく独り立ちするようなイメージです」

関わる業者が多岐に渡るため、ひとつの契約が動きだすまでに時間がかかることも。その進捗管理も国内営業の大事な仕事なのだそう。

パートナーの輪を広げていくことができれば流通が増え、さらによいサービスが生まれていくように思う。

「会社は年々右肩上がりに成長しています。数年後の上場も目指している。とはいえ、今はまだ後ろめたさがあるんです」

後ろめたさ?

「我々が日本から海外に送った製品も、現地で数年使われたらいつかはゴミになる。処理環境が整っていない国だと、結局適当ではない方法で捨てられてしまう場合もあるんです」

そういった状況を解消するために、今後は海外の販売先を増やすことに加えて、現地で廃棄物を回収、リサイクルするような拠点づくりも計画しているという。現地でリサイクルされて原料となり、製品として生まれ変わって日本に戻ってくれば、本当の意味で資源がぐるりと循環することになる。

国や大手企業と協力しながら、あと4年ほどでこの循環を一回しできると川野さんは考えている。

「グレーゾーンがあるこの業界を僕は真っ白にしたい。誠実な方法で、国際的な循環をつくって、アジアの一大プレイヤーになりたいんです」

「この想いに共感して、一緒に信じて走ってくれる人に来てほしいですね」



ともに夢を追いかけているスタッフの1人が、海外営業部部長の武石さん。

ecommitは4社目の会社で、以前は外資系企業の営業として、外国にも10年近く駐在していた経験もある方だ。

どうしてecommitに入社したのですか?

「いくつかの会社を経験してきたなかで、営利を求めるだけの会社には、自分の求めるものはないなって思うようになったんです。先はまだ見えないけど、世の中のために壁にぶつかっていく。求める答えが、ここにある気がしました」

入社前に行う数日間のインターンを経て、経験やその人柄から、海外営業部の部長として入社することに。

武石さんは一見コワモテだけど、話してみると茶目っ気たっぷり。飲み会を企画するのが大好きで、メンバーからは“お父さん”なんて呼ばれることもある。

海外営業部は、女性ばかりの5名。アジアの国々を中心に世界のあちこちと取引をしている。

「海外のお客さまに対して、工夫しながらリユース品を提案する。契約が取れたら製品の輸出手配をし、お金を回収するところまでが基本の流れです。新しく入る人には、まず自社の製品とこの営業の流れをよく理解してもらった上で、どんどん責任と活躍の場をひろげてもらいます」

やりとりはメールやSNSを駆使して行うことが多い。市場需要の動向や、輸出入の規則、港や船社など、国ごとに違うので大変なことも多いそう。

今後は中近東やアフリカ市場の開拓を狙っているので、海外出張へ行く機会はどんどん増える、とのこと。

海外のお客さまへの営業経験はあったほうがいいですか?

「私としては、何らかの営業経験が1年でもあるなら、海外との営業経験は必須ではないと思っています」

「というのも、営業で大事なのは、いかにお客さま自身のことやその要望を気に掛け理解しようとすることができるか。文化や考え方が違うからこそ、その熱意と努力が求められるんです」

その話を隣で大きく頷きながら聞いていたのは、同じ海外営業部の濵津さん。

「コミュニケーションは本当に必要ですね」

「海外営業の取引先は中小企業、個人事業主的なところが多いんです。企業対企業というよりは、人と人で接しているようなイメージが強いと思います」

海外にある取引先の工場に、単身で出張したときの思い出を話してくれた。

それは英語を正確に理解できない現地スタッフに、100通りもある古着の選別をやってもらうという任務だった。

言葉が伝わらないならと、食事を一緒にとったり、必ず挨拶をするなどして交流するようにした。さらに想いを伝えるときには現地の方にも分かる簡単な英語を使うようにして、絵と写真で100通りの資料をつくってみせ、のんびりしがちな国民性のスタッフたちのお尻を叩いたそうだ。

「彼らがどうしたらわかってくれるか、一緒に働きたいと思ってくれるかを自分なりに考えました。やり方を上から目線で押し付けたりはしたくない。どこでも誠実に取引先に寄りそう姿勢はecommitらしいのかなと思います」

取引先の人とは、長いこと親しくしている友人のような関係になることもあるそうだ。

濵津さんは働きはじめて3年目。どんな人が向いていると思いますか?

「会社のビジョンは変わらないと思うけど、やり方とか手段は結構変わっていきます。新しいことを受け入れられる柔軟性がある人がいいですね」

その言葉を受けて、再び武石さんが加わります。

「組織自体まだ整えられていない部分があるけど、それはこれから変えていけばいいんです。ずる賢い方法じゃなくて、誠実な方法で、よりよく変えていこうとする意欲と力を、この会社のスタッフは持ってる」

「この会社は働く人たちがつまんない顔をしていたり、嫌々仕事をしているということがないように感じます。こんな環境に興味がある人はきっとやりがいを持って働けると思いますよ」



取材後は国内・海外営業合同のミーティングにも参加させてもらいました。この時間は、担当している仕事の進捗や、これからの方針などを共有していきます。

真剣な空気かと思いきや、ときおり笑い声があがって、メリハリのあるいい雰囲気。

柔軟で誠実に。

ecommit自体も、つくろうとしている未来も、きっと同じなのだと思います。

(2018/12/4 取材 遠藤沙紀)

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