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家のなかで過ごしていると、「もっとこうだったらいいのに」と思うことがある。たとえば、洗濯機の上やトイレにちょうどいいサイズの収納があったら、すごく便利。でも、納まりのいい既製品に出会うのは難しいし、オーダーメイドにはなかなか手が出せない…。
そんなとき、第三の選択肢があったらいいんじゃないか。そう考えたのが、ファニチャーメーカー株式会社です。
代表の小塚さんはこう話します。
「家具を既製品のなかから妥協して選ばなくてもいいんだよ、って伝えたいんです。自分のほしい家具を、誰もが手軽につくることができる。そんな世の中を、当たり前にしていきたいと思っています」
ファニチャーメーカーは、オーダー家具を扱う会社。設計・製作フローを自動化した独自のシステムを開発し、既製品並みの価格でオーダー家具の製造を実現しています。
今回は、オーダー家具をつくりたいお客さんに向けてデザインの提案をおこなう営業アシスタントと、システムへのデータ登録や受注作業をおこなう設計・開発アシスタントを募集します。
京王新線初台駅を降りて、甲州街道に沿って歩くこと10分。ファニチャーメーカーのショールームが入るビルに到着した。
出迎えてくれたのは、取締役の大瀧さん。営業担当として、社外に出る機会も多いそう。
まずは、ファニチャーメーカーがどんな会社なのかを教えてもらう。
「ぼくたちは、オーダー家具を扱っている会社です。オーダー家具って、一般的にかなり高級品ですよね。それは製作までの過程が手作業なので、工場で大量生産できる商品と比べて、膨大な手間がかかっているからなんです」
お客さんのニーズをもとに専門家がスケッチを図面に起こし、見積もりを作成して、再度打ち合わせを行い、また変更作業を行う。
受注してからも、工場で図面から製造データを作成し、部品リストを作成し、資材の発注をして…。と、一つの家具ができあがるまでに手間と時間がかかるぶん、価格が高くなってしまうという。
「既製品を工場で製造するのと同じようにオーダー家具をつくることができれば、価格を抑えられる。そのために新しいシステムを開発したのが、我々の親会社であるドゥーマンズ株式会社です」
ドゥーマンズがつくり出した独自のシステム『FurnitureMaker』。
平たく言えば、家具のサイズや色、材質などを自由にカスタマイズできるシステムだ。
このシステムは、材料、構造、設計ルールがあらかじめ登録されており、オーダー収納家具の見積、図面、工場に送る加工データが自動で生成される。
完成したデータは工場に送信され、機械によって自動的に製造されるという仕組みなのだそう。
「このシステムを見せると、現場のみなさんはすごく驚かれるし感動されるんです。今まで職人さんや技術者の方が経験と勘をもとにつくっていた図面や原価表を、自動で作成できる。業界の常識を超えたこのシステムには、家具の世界を新たなフェーズに引き上げる力があると思っています」
「なにより、このシステムによって一番恩恵を受けるのはエンドユーザーなんです。本来なら50万円かかっていたオーダー家具を、20万円で買えるようになったということですから」
オーダー家具はもっと手軽につくれるということを、世の中に広めていきたい。
そんな想いのもと、エンドユーザー向けにオーダー家具を販売する会社として生まれたのが、ファニチャーメーカー株式会社。
社員は現在4人。まだ立ち上がったばかりの会社のため、試行錯誤しながら、よりよいサービスを追求しているという。
そんな会社で、日々お客さんに向き合っているのが、営業スタッフの福山さん。
「もともとリフォーム会社で働いていて。仕事でたくさんのお家を見ていると、オーダー家具をもっと安くお客さまに提供できたらって思うことも多かったんです。だからこの会社と出会ったときに、これは!と感じて。昨年の4月に入社しました」
働きはじめて、どうでしたか?
「最初は、システムを使いながらお客さまと一緒にプランをつくるのに、戸惑うこともありましたね。わからない部分は教えてもらったり、先輩の営業に同行したりしながら、理解を深めていきました」
ファニチャーメーカーの営業は、HPなどから問いあわせのあったお客さんの家まで行き、家具のデザインについて打ち合わせをおこなうスタイル。
お客さんによって、求めるデザインは大きく変わってくる。
まずはお客さんのニーズをヒアリングし、その場でデザイン案を作成。完成イメージのCG画像を見てもらいながら、デザインを一緒に考えていく。
「食器棚ひとつとっても、『ここにこの家電をどうしても置きたい』とか、『キッチンや建具にあわせた色や素材にしたい』とか、お客さまによって要望はさまざまです。生活スタイルに合わせて、より暮らしが豊かになるように家具をつくるイメージですね」
家具に合わせて置くものを決めていくのではなく、今持っているものに合わせて家具をつくっていけるのがオーダーメイドの魅力。
「オーダー家具は『失敗したらまた買い換えればいいや』というものではないと思っていて。せっかくつくっていただくのだから、使いやすいなって満足してもらいたいですよね」
お客さんの要望をかなえるため、一歩踏み込んだ提案をすることもある。
たとえば以前、「棚の収納を増やすために、小さな引き出しがたくさんほしい」とお客さんに言われたことがあった。
「たしかに引き出しが多いと一見収納がしやすそうだけど、実はそのぶん空間が狭くなって、かえってものが入らないということもあって」
だったら、引き出しを増やすよりも、仕切りを自由に取り外せるデザインにしたほうが、あとで調節できて使いやすいかもしれない。
そんなふうに、お客さんが本当に求めていることを見極めて、別の角度からアドバイスすることもあるという。
「もちろん決めるのはお客さま自身ですが、選択肢を増やしてあげられたらと思っていて。そのうえで、お客さまにとって一番いい形を選んでいただきたいですね」
営業や家具業界の経験がなくても大丈夫だという今回の募集。働くうえでは、どんなことが求められるのだろう。
「私は、生活するうえでの知恵が大切だと思っています」
生活するうえでの知恵?
「普段の生活での何気ない気づきというか。炊飯器を置く棚はこのぐらいの高さがちょうどいいとか、デスクにプリンターを置くのなら、スライドをつけると自由に引き出せて使いやすいかも、とか。そういうちょっとした気づきが、提案のスキルにつながるんです」
日常のなかで便利さを感じるポイントや、ちょっと煩わしいことは何なのか。
そんな視点を持ちながら日々生活していくなかで、お客さん一人ひとりに合ったデザインを提案できるようになるのかもしれない。
「オーダーメイドの家具って、お客さまのお部屋にもともとあったかのようにぴったりとはまっていくんです。商品を納めるときのあの感じは、既製品にはない気持ちよさがありますね」
「実際にできた商品を見てお客さまが喜んでいる姿を、目の前で見ることができる。お礼のメールや写真を送っていただくこともあります。そういうのを見ると、自分が提案した商品に満足してもらえたんだなって感じられてうれしいですね」
「やっぱり、オーダー家具の喜びを少しでも多くの人に知ってもらいたいんですよね」
そう話すのは、代表取締役の小塚さん。
「オーダー家具を気に入ってくださったお客さまが、SNSに写真をアップしてくれて。それを見て、別のお客さまがうちに問い合わせをしてくれるケースがすごく多いです」
「ただ、今はなんでもネットだけで完結できる時代。ネット通販で既製品を買う感覚で、オーダー家具も購入したいという方もいるんじゃないかと思っていて」
そんなニーズにも応えていくために現在進めているのが、オーダー家具のエンドユーザー向けデジタルカタログ。
カタログに載っている商品であれば、1mm単位でサイズを変更し、発注することができるという。
「今は一般のお客さまへのリリースに向けて、吊り戸棚や玄関収納、食器棚といった、ニーズが多い商品の登録を完了したところです。カタログのラインナップやカスタマイズ内容は、これからどんどん増やしていきたいと思っています」
今回募集する設計・開発アシスタントの主な業務のひとつが、このデジタルカタログのデータ登録。現在は小塚さんが担当している部分を新しく入る人に任せていきたいという。
「カタログに載せる商品が決まったら、基本設計を行い、独自のシステムに情報を入力していきます。専門的な知識がなくても、入社後に勉強してもらえば大丈夫ですよ」
もうひとつの主な業務が、受注したオーダー家具の発注作業。
請求業務や工場の工程管理、部材メーカーなどとのやりとりを担うことになる。
「見積書って、お客さまのニーズの塊ですよね。設計・生産管理スタッフはそのすべてに目を通すことになる。ある意味では、お客さまのニーズやトレンドを一番把握できるかもしれません」
「だから、受注業務をしながら『最近こういう注文が多いな』とか、『ここはなにを収納するんだろう?』とか、想像しながら仕事をしてほしい。それが、デジタルカタログの商品開発にもすごく役立つと思うんです」
発注業務と聞くと、一見流れ作業のように感じてしまいがちだけど、想像力が大切な仕事なんですね。
「そうですね。家具を使うお客さんの姿を想像したり、『あの商品、実際に出来上がってどうでしたか?』って、社内でもコミュニケーションをとったりしてくれたら嬉しいなと思います」
「僕たちは、まだまだ小さい会社。その分、変化も多いし、やることも多いかもしれない。常に考えているのは、“お客さまのために”ということです。その思いに共感してくれる人と、一緒に頑張っていきたいですね」
ファニチャーメーカーで働くみなさんの言葉からは、自社のシステムやサービスへの誇りと自信を感じました。
それはきっと、日々お客さんと接するなかで、笑顔や感謝の声に触れているから。
自分の仕事に、納得感をもって取り組める環境だと思います。
(2020/02/06 取材、2020/11/16 再募集 鈴木花菜)