求人 NEW

泊まれて憩える小学校
ここからまちの元気をつくる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

まちを元気にしたい。

そう思ったときに、なにができるだろう?

遠方からそこをめがけて来たくなるような施設をつくったり、イベントを企画したり。地元で暮らす人のために交流の場をつくることも、そのひとつだと思います。

これらすべてを兼ね備えているのが、今回の舞台「ちょうなん西小」。

千葉県長南町にある、120年以上の歴史をもつ小学校をリノベーションした宿泊施設です。

手がけているのは、株式会社マイナビ地域創生

求人や結婚式、賃貸やトラベルなど、さまざまな情報サービスを提供している株式会社マイナビから分社化した会社で、廃校や古民家を利用した宿泊施設、地元食材を用いたレストランなど、新しい事業を次々と展開しています。

今回は、ちょうなん西小で働くスタッフを募集します。

宿泊者の対応やイベントの企画、カフェのメニュー開発まで。未経験からさまざまなことに挑戦し、実践的に学んでいける仕事です。

 

東京駅から高速バスに乗り、約1時間で市原鶴舞バスターミナルに到着。ちょうなん西小は、ここから車でさらに15分ほど離れた場所にある。

トンネルをいくつか抜けて、山道を進んだ先に突然現れる、大きな校舎。遊具のある校庭や渡り廊下など、外観は学校の面影をそのまま残している。

こういう遊具で遊んでいたなあ…と、自分の学生時代を思い出す。

入り口には、小学生の背丈に合わせた少し低めの下駄箱が並んでいた。

「できる限り手を加えないで、以前のまま利用しているんです。掲示物や卒業制作もみんな飾ってありますよ」

そう教えてくれたのは、この施設の立ち上げから関わっているパルハティさん。みんなからはパルさんと呼ばれているそう。

中国新疆ウイグル自治区出身のパルさん。

小さいころから日本に興味があり、大学進学を機に日本へやってきた。マイナビに就職して初めて配属されたのが、このちょうなん西小事業だったそう。

「最初は何もないところから、みんなでできる限りDIYをして。外に置いてあるかまど設置も、我々でやりましたよ。自分たちで生み出した、我が子みたいな場所ですね」

ちょうなん西小がオープンしたのは、2018年。地域に賑わいを取り戻すために、マイナビ地域創生が初めて手がけた事業だった。

1日1組限定で、最大84人が宿泊可能。それぞれの教室は、机が並べられた食堂やヒノキの五右衛門風呂がある浴室、ベッドや布団が置かれている宿泊室になっている。

子どもが遊べるように、ちょっとしたおもちゃや絵本が置いてある教室や、カフェを運営しているスペースも。

そのほかにも、体育館や図書室、音楽室といった学校内の施設は、ほとんど全て自由に使うことができるそう。

「学生さんの合宿や企業の研修、子ども団体の利用など、いろいろな人たちに利用してもらっています。運動会やバーベキュー、夏には肝試しもよくされていますね。リピーターさんも多いんですよ」

昨年度の宿泊者数は1万人を超え、夏のピーク時は抽選になったほど。これまで接点のなかった人たちが、長南町を訪れるきっかけとなっている。

地元に住む人の雇用にも積極的に取り組んでおり、過去20人近くを採用してきた。

地域に関わる人を増やし、働く場所をつくる。

そのための仕組みを、今まさにつくっている最中だという。

「ちょうなん西小以外にも、千葉県内で進めているプロジェクトがいくつかあって。それらを起点に、千葉県全体を盛り上げたいと思っています。ゆくゆくは、ここで築いたノウハウを全国に広めていきたいですね」

見学者の施設案内や、予約の確認、宿泊当日の対応など、スタッフは宿泊に関する一連の流れをすべて担当する。

「お客さんと会話する機会が多いですね。事前に幹事さんと打ち合わせをしたり、当日はルールや設備について聞かれたり。記念写真の撮影を頼まれることもあります」

「スタッフの対応は満足度にも直結するし、すごく大切だと思っていて。笑顔で接することは基本ですが、お客さんとの間に壁をつくらないようにしています。”We are friend”です」

こちらからフレンドリーに関わっていくことで、お客さんも心を開いてくれる。

帰るころには「また次もパルさんに担当してほしい」と言われることも多いんだとか。

「ある団体さんが家族連れで来てくれたときに、子どもたちが四つ葉のクローバーを見つけてプレゼントしてくれたんですよね。それは今でも大事にしています。ママさんたちも最後『ありがとう、また会おうね』ってハグしてくれたりして」

スタッフと仲良くなることで、また次も利用したくなるし、ほかの人にもおすすめしたくなる。ちょうなん西小を訪れる人が増えている背景には、そんな循環があるんだと思う。

「コミュニケーションは大切ですね。宿泊者はもちろん、スタッフともです。アルバイトの人と協力して運営しているので、スタッフをまとめていく力も必要だと思います」

現在、正社員のメンバーは3人。

現メンバーはほかのプロジェクトも並行して担当しているため、より地域に密着し、ちょうなん西小専門で働いてくれるスタッフを今回募集することに。

ちょうなん西小より徒歩10秒のところに、今回募集するスタッフ用の住宅があり、住み込みで働くことも可能とのこと。

将来のリーダー候補ではあるものの、まずはパルさんやほかのスタッフのもとで、基本的な仕事から学んでいけばいい。

 

続いてお話を聞いたのは、小巻さん。前回の日本仕事百貨の記事をきっかけに、昨年6月に入社した方。

「小さいころからよくキャンプに行っていたこともあって、自然や生きものがすごく好きだったんです。その土地の自然や生きものを守りながら、そこで暮らす人たちも利益を得られる。そんな仕組みをつくりたいと思っていました」

ちょうなん西小では、以前から地域の人を巻きこんで田植えや稲刈り体験をおこなってきた。

「自然を生かしたイベントを企画し、運営するノウハウを身につけたい」と、入社を決めたそう。

「今はまだイベントの企画はできていないんですが、カフェもやっているので地元の人と話す機会がかなりあって。『昔はこのあたりに、レンコンの畑があったんだよ』というように、土地の歴史や自然について教えてもらえるのが、すごく面白いです」

地域の魅力を外から来た人に伝える場である一方、ここは地元人たちが集まる拠点でもある。

学校内にはキッズルームやカフェがあるため、土日には親子連れが多く訪れるそう。

「地域向けのイベントもいろいろ開催しています。昨年は、盆踊りやハロウィンパーティー、クリスマスパーティーもおこないました。僕も、地元の人と一緒に踊ったり仮装したりしたんですよ」

「『この辺りには子どもを連れて遊べる場所やイベントが少ないから、すごく助かる』という声もよく聞きます。地域の人がたくさん集まって、楽しんでくれている姿を見るとうれしいですね」

昨年の台風のときは、避難場所にもなった。

「役場からの要請に応えて、学校を開放しました。地域の人と一緒に炊き出しをしたり、僕たちでカレーを振る舞ったりして。ここがただの宿泊施設ではなくて、地域のための場所だということを、あらためて認識しました」

宿泊施設として人を呼び込むのも、イベントを開くのも、地域をよりよくするため。

地域の力になることは、なんでも積極的に取り組んでいく姿勢が大切かもしれない。

ここで働くなら、どんな人がいいんだろう。

「いろいろなことに挑戦してみたい人が合っているかなと思います。宿泊業務をしながら、その合間でイベントの企画や準備も進めていて。何か一つのことに集中していることはあんまりない。スケジュール管理や、マルチタスクをこなす能力はすごく求められますね」

「僕も最初のころは、宿泊業務をこなすだけで精いっぱいでした。それなのに、入社して4ヶ月が経ったころ、カフェのハロウィン限定メニューの開発をいきなり任されたんです」

飲食のご経験があったんですか?

「まったく(笑)。アルバイトでホールスタッフをやっていたぐらいです。料理は好きだったので苦ではなかったけれど、どんなメニューがいいのか、もう必死で考えましたよ」

社長直々の厳しいチェックをうけながら、試作品を何度もつくったそう。

「原価計算や価格設定も自分でやるんですが、そんなこと今までやったこともないし全然わからなくて。『そうだよな、楽しいだけじゃだめだよな。ビジネスとして続けていくためには、こういうことも考えなきゃいけないよな』って痛感しました」

「それ以来、カフェのメニューは僕が中心となって考えています。予算を達成できなかったら、その理由や対策を求められるし、次の季節に向けたメニューもどんどん考えないといけない。スピード感が早いし実践の機会も多いので、すごく勉強になりますね」

マイナビ地域創生は、社員数が17人とまだ少ないため、社長との距離も近い。企画や運営面について、直接アドバイスをもらうことも多いという。

宿泊業やイベント業、飲食業まで多くのスキルを学べる環境だと思う。

「この前は、ガレットの新作メニューをつくりました。そしたら地域のおばちゃんが『スモークサーモンなんて、このへんじゃなかなか食べられないからうれしい。美味しいね』といって、よく来てくれるようになったんです」

「自分の考えたものが形になって、地域の人が喜んでくれる。それを間近で感じられるのは、すごくやりがいにつながっていますね」

今は、地域の食材を使った新しいメニューや、この地域ならではのイベントを地元の人と一緒に考えているところなんだとか。

「最近、『うちでつくっている梅が余っているんだけど、何か活用できない?』って、地域の人が相談に来てくれて。梅を利用したカフェメニューや、ジャムづくり体験が実現できたらいいなと思っているんです」

「地元の人たちと、これからもっと関わっていきたい。ちょうなん西小から地域を盛り上げて、ここで暮らす人たちに誇らしいと思ってもらえる場所にしていきたいですね」

 

宿泊業のスタッフや、イベントのプランニング、カフェのメニュー開発まで。

未経験でも新しいことに挑戦して、自分たちのできることを次々と増やしていくみなさん。

その根底には、お客さんや地域の人に喜んでほしいという想いがいつもあります。

まず目の前の人たちを笑顔にしていくことが、地域活性化につながる大事な一歩なんだと思いました。

(2020/01/31 取材 鈴木花菜)

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