求人 NEW

人がつながるまちの
ハコ、モノ、仕組みを
ゼロから最後まで

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

まちづくりに関わる仕事って、選択肢はたくさんある。

土地を活用して事業のプロデュースをするデベロッパー、人がつながりやすい仕組みをつくる自治体の職員、すでにある場を活用してサービスを考える立場の人もいる。

今回紹介するのは、そのどれでもなく、全部に当てはまる仕事かもしれません。

もともと、マンションのなかでの「近所づきあい」を生み出すために、取り組みをはじめたフォーシーカンパニー。最近では既存の居住空間にとどまらず、オフィスビルや商業施設、ひいてはその建物をとりまくまち全体をフィールドに活動しています。

今後は、コミュニティづくりを専門に取り組んできたこれまでのノウハウを生かすだけでなく、今はまだないつながりに可能性を見出していこうとしているところ。

今回はプランナーとしてプロジェクトを引っ張り、チームの舵取りを担っていけるスタッフの募集。さまざまな業界での経験や視点を生かしてみたいという人を探しています。

新しいまちの開発などが行われる前段階から、デベロッパーや行政などのクライアントに企画提案を行い、ハードとソフトの両面からコミュニティを考えていく。

現場での自治的なコミュニティ運営を得意としている会社なので、きちんと人の声に耳を傾けながらまちづくりに関われるのも、強みだと思います。


東京神田にあるフォーシーカンパニーのオフィスを訪ねる。最寄り駅の小川町からは、歩いてすぐ。エレベーターでビルの2階に向かう。

「代表の中澤が出張中なので、今日は代わりに私がお話をしますね。うまく話せるかな」と柔らかい雰囲気で迎えてくれた専務の田代さん。

田代さんはもともと、ご自身が主婦としてニュータウンで暮らした実感をもとに、コミュニティづくりに携わってきた。

東京と大阪、ふたつのオフィスを拠点に、日本各地でコミュニティづくりを手がけてきたフォーシーカンパニー。前身となる会社の時代も含めると、20年以上の実績がある。

「20年くらい前はSNSも今みたいに当たり前ではなく、リアルなコミュニケーションが主流でしたね。今はITがどんどん発達して、簡単にコミュニケーションがとれる一方で、やっぱりリアルなコミュニケーションの大切さに、多くの人が気づきはじめていますよね」

当時は特に都市郊外のマンションのように、みんなが「転入者」という地域では、近所づきあいをしようにもきっかけがない。

そこで、マンションの共有スペースを利用して、餅つきやハロウィンのようなイベントを企画運営し、マンション経営の「ソフト」の部分に特化したサービスを生み出してきた。

「昔は地域コミュニティというと、主婦と子どもと年寄りのものだと思われていました。最近は子育て交流会のようなイベントでも、お父さんも含めて家族全員で参加するような時代になってきましたね」

これからテレワークが定着していくと、その傾向はますます大きくなるはず。

「暮らす」と「働く」が、今まで以上に密接になって、建物や空間の用途が多様化していく時代。もしかしたら、「学ぶ」とか「休む」「遊ぶ」のように、これまで別々の場所で行われていた活動が、もっと近づきあっていくかもしれない。

働き盛りの人たちが地域活動に参加するだけでなく、住宅街にシェアオフィスができたり、地域の産業とのコラボレーションが生まれたりする可能性もある。

時代の変化に伴って新しく生まれようとする「芽」に対して、必要な空間や、仕組みを考えていくのも、今回募集するプランナーの役割でもある。

「最近は、マンションだけじゃなく、働く場所でのコミュニティづくりも手がけるようになってきているところなんです。オフィスと住居が一体となった複合ビルや、ロジスティクスのような場所がフィールドになることもあります」

「これからは本当に、人と人が交わることのできる場ならどんなところでも、私たちの仕事が役に立つ可能性があると思います。これまでに実績がない事例に、チャレンジしてみたいと思うような人が来てくれたらうれしいですね」

すでにある建物をフィールドにしたコミュニティづくりだけでなく、デベロッパーや自治体と一緒に、開発のゼロ段階からプランニングに携わっていけるから、イメージできるコミュニティの幅も広いはず。


入社して5年目の取締役の小野沢さんは、もともとデベロッパーで働いていた経験も活かしつつ、多くの開発事例に携わっている。

「たとえばマンションの共有部分でも、僕たちは実際いくつものコミュニティ運営に現場で携わった経験があるから『もっとこういうスペースがあったらよかったな』っていう視点が持てるんです」

マンションのなかで、地域に開放されていて多世代が交流できるカフェをつくるなら、子どもが遊べるスペースとテーブル席の距離感はどれくらい必要か。スタッフの動線、具体的なインテリアのイメージなどから、開発事業主であるデベロッパーに提案を加えていく。

実際に、東京都郊外のマンションでの提案用パースを見せてもらった。

「このパース、左端におじいさんが描いてあるでしょう。建設予定地の近くにサービス付き高齢者住宅があって、マンションのカフェが住民だけでなく、地域の人の多世代交流拠点になるようにというコンセプトがあるんですよ」

新しいマンションが建つ、というと、その地域にもともと住んでいた人は賛否両論、あるいは、自分とは無関係なこととして捉えがち。

それが、誰もが出入りできるという機能が加わると、マンション開発が受け入れる地域全体にとってポジティブな意味づけに変わっていきそう。

一方で、マンション住民にとっては、地域のためのカフェ運営を自分たちの管理費でまかなうという負担が生まれませんか?

「そうなんです。場の修繕費とか、細かいところは後々議論になるポイントなので、マンション住民の目線にたって、メリットの面も考えていく必要があるんです。たとえば、カフェの売り上げをマンションの管理費の収入に回すとか、コーヒーの割引を設定してみるとか」

つい気になって尋ねてみた細かい質問にも、小野沢さんはかなり具体的に答えてくれた。

まだそこにない暮らしのイメージを、ハードとソフトの視点を行き来しながら捉えて提案ができるのは、実際にさまざまな地域で住民の声に触れた経験があるからだと思う。

手がける建物だけではなく、同じエリアに住む人やオフィスワーカーなど、まちを構成するいろんな人のことを考えながら提案する仕事。

それって、本当にまちづくりそのものですよね。

「そうですね。地域の拠点としてにぎわいをつくっていくために、自治体に働きかけて連携をはかることもあれば、開発エリア内で一般社団法人を立ち上げて、収益性のある取り組みに育てていくこともあります」

「最近は、学生寮も含む野球場くらいの大きな敷地開発のなかで、芝生広場やコミュニティ拠点を地域に解放できる仕組みを整えたりしていて。それは本当に、小さなまちを一個丸ごとつくるようなプロジェクトなんですよ」

自治体や、住民、デベロッパーなど、さまざまな立場の人のあいだに立って、通訳をするように、プロジェクトをまとめていくのが、このフォーシーカンパニーの仕事。

小野沢さんのようなデベロッパーの経験者だけでなく、商業や建設、行政など、ほかの業界での経験が、相手の理解につながる場面も多いと思う。


「オフィスビルでの案件も増えてきたので、大企業で働いた経験のある人と一緒にプランニングしていきたいですね」

と話すのは、大阪の事務所で働く中塚さん。この日は、オンラインで会話に参加してくれた。

「僕は、同じオフィスビルで働くワーカー同士が、企業の枠を超えて、新しい価値を創造するための取り組みを進めているんです」

「この取り組みをスタートする前に、まずは当事者となるワーカーたちにヒアリングをしました。アンケートをとったり、ときには一緒にご飯を食べたりしながら、どんな活動がいいと思います?って、ざっくばらんに話を聞いて」

そのコミュニティの当事者たちと、直接話しながらプロジェクトを進めていく。これは、どんな案件でも大切にしていること。

そのビルやエリア開発を主導するデベロッパーの思いと、ギャップが生まれないように、間をつないでいく。

「『朝活』についてヒアリングをしてみたら、セミナーなどがあればぜひ参加してみたいっていう声がある一方で、朝はギリギリまで寝ていたいっていう声も結構ありました。僕も気持ちはわかります(笑)」

「でも、異なる企業のワーカー同士の偶発的な出会いを通して、モチベーションを高めあったり、コラボレーションが生まれたり。今までの企業の教育プログラムでは見られなかった変化を起こせるはずだと思って、やってみませんかっていう働きかけを続けています」

まずはニーズの多かったビジネスセミナーからスタート。

企画を立て、イベントスペースを確保して、ポスターやチラシなどを準備する。当日は参加者同士がうまく接点を持てるように、輪の中に入って名刺交換を促しながら現場を回していく。

取り組みを始めて4年。少しずつメンバーも増えてきた。さらに最近では、朝活で出会った人同士のサークル活動も生まれはじめている。

テニスやフットサル、読書会や休日に農業体験を行う農園部など。すでに15種類ほどのサークルがあるという。

「基本は自主的に運営してもらいつつ、僕たちは『部長を決めたほうがやりやすいですよ』っていうアドバイスをしたり、プラットフォームになるSNSグループを立ち上げたり。活動しやすい空気を吹き込みながら、見守っています」

ところが、せっかくサークルが立ち上がった矢先に、コロナウイルスの流行を考慮した自粛によって実際に集まって活動する機会は少なくなってしまった。

今まで対面でつないできたコミュニケーションをオンラインで補完できるよう、工夫をはじめたところ。

「オンラインって、まだ不便な面について語られることが多いけど、メリットもあると思うんです。たとえば、大勢の前で話すのもリアルな場より緊張しないとか」

「時代の変化に応じて、いろいろ試してみるっていうことは大切な姿勢だと思います。そうするうちに、やっぱりここは人と人が対面じゃないとできないっていう、コミュニケーションの大切さも見えてくると思うから」

マンションやオフィスビル、地域など、コストもエリアも大きなものを相手にプランニングをしていくからこそ、小さな声も、直接聞く機会も大切にしながら。

温かい人のつながりを生み出す出発点には、そんなバランス感覚があるのかもしれません。

(2020/7/14 取材、2021/1/19、12/15 再募集 高橋佑香子)
※撮影時にはマスクを外していただいております。
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