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チームの困りごと
仕組みから解決する

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現代の仕事は、たくさんの便利なツールに支えられています。

たとえばこの記事も、ウェブ上のシステムに文字と写真を入れて、ボタンを押すと公開される。何気なく使っているけれど、その仕組みは意外とわからないもの。

そういった仕組みを支えている人たちは、影の立役者と言えるかもしれません。

株式会社TOOLBOXは、洗面台やキッチン、床材やタイル、金具や照明スイッチまで。内装を彩るさまざまな建材や住宅設備を「toolbox」というウェブサイトで販売している会社です。

今回募集するのは、社内のシステム担当とソフトウェアエンジニア。EC事業を支えるカートシステムや、受発注を管理する基幹システムを企画・開発・マネジメントする役割です。合わせて、商品コラムや読みもの記事を作成するコンテンツ制作も募集します。

住まいやインテリアに興味がある人、物事の仕組みを紐解いていくのが好きな人には、面白い仕事だと思います。



TOOLBOXのオフィスがあるのは、目白駅から歩いて10分ほどの場所。

住宅街と商店街の境にあるビルで、1階がショールーム、2階から上がオフィスになっている。

今はリモートワークを進めていて、オフィスはがらんとした状態。ミーティングルームで代表の荒川さんに話を聞かせてもらう。

TOOLBOXは、不動産仲介事業を行う東京R不動産から派生した会社。さまざまな建材の販売サイト「toolbox」を主に運営している。

サービスを開始して、今年で11年目。扱う商品は、キッチンなどの大きなものから、ドアノブやタオルかけといったパーツ類まで幅広い。

「日本の住空間に楽しさと豊かさをもたらす」という理念のもと、住み手が自分で暮らしをカスタマイズするサポートをしてきた。

「この1年でいろんなことが変わりましたね。ウェブ販売が主体なので、売り上げ自体に大きな影響はなかったんです。でも一時はショールームでお客さんと会う機会がなくなってしまったり、仕事も基本リモートになったりと、変化が大きかった」

「コミュニケーションのあり方を試行錯誤するなかで、僕たちはうまく変われた感じがあって。それはすごく良かったなと思ってるんです」

うまく変われた?

「できないことは増えたけど、じゃあどうしたらいいだろうって、ショールームやカスタマーサポート、システム…それぞれのチームが考えて動いてくれて。新しいチャレンジもどんどん生まれたんですよ」

たとえば、お客さんが来れないなら自分たちから発信しようと始めたのが、インスタライブ。週一回、ショールームから商品を紹介したり、施工方法について解説したりなど、毎週続けるなかで視聴者も増えているそう。

また、ショールームも予約制に。Zoomでの相談対応もはじめた。

お客さんが家づくりのどのフェーズにあるのか、どんなものをつくりたいのかを、予約時のアンケートでヒアリングしやすくなったことで、より的確なアドバイスにつながっているそう。

「僕たちはECサイトが中心なので、顔が見えづらいところはあります。だからこそ、お客さまとのコミュニケーションで得たフィードバックは、しっかりとECサイトに落とし込んでいきたいと思っているんです」

「理想の暮らしをつくっていくために、思い描いた通りのものを注文できるよう、これからもっと注力していきたい。システムチームの役割はすごく大切だと思っています」

toolboxで扱っている商品は、素材の種類や長さなどを細かく選べるものも多い。“痒い所に手が届く”よさもある一方、1cm単位でサイズオーダーができるという、一般的なECサイトでは見られない特徴があるため、どうしても複雑で見づらくなってしまう。

今回募集するシステム担当者には、過去のお客さんが購入時に迷った点や決め手などを把握し、ECサイトに反映していく役割を担ってほしい。

また現在のtoolboxは、商品ページとカートシステム、そして社内オペレーションの管理システムが別々のデータベースにつながっていて、複雑な仕組みのもと成立しているそう。

同じ情報がいくつものデータベースに散らばっているため、今後はひとつにまとめて管理できる新しいシステムをつくることで、より使いやすいものにしていきたい。新しく入る人は、その作業にも関わっていくことになる。



どんな人たちと働くことになるのか、システムチームの本間さんに話を聞いてみる。

「大学では建築の勉強をしていました。就活のタイミングを逃してしまったのもあって、卒業後しばらくはバイトをしながら暮らしていて。たまたま知り合いからtoolboxを紹介してもらったのがきっかけでしたね」

本間さんが働き始めたのは、2013年ごろ。最初はアルバイトとして、電話対応などの仕事からスタートした。

当時はまだサイトが立ち上がって間もない時期。お客さんから商品名と買いたい個数をメールで送ってもらい、金額を計算して振込先と一緒に返信するという、アナログな方法で運営していたそう。

「商品も増えてきて、さすがにそれじゃ追いつかないってことで、ショッピングカートのシステムを入れようという話になったんです。そのときから徐々に私がシステムの設定を担当するようになりました」

経歴を聞くかぎり、とくにシステム関連の経験やスキルがあったわけではなさそう。どうして本間さんが担当することになったんでしょう?

「もともとパソコンは好きだったんですよ。お父さんが言うには、3歳くらいのころから家にあったパソコンを触っていたらしくて。中学生のときには、自分で調べて掲示板サイトを立ち上げたりしていました」

「裏でどんなツールが使われているんだろうって、仕組みを知って自分でもつくってみるのが好きなんです。だから専門的なスキルはなかったんですが、楽しいからってことで担当させてもらっています」

現在のtoolboxのシステムは、外部の開発ベンダーと協働してつくったもの。

本間さんは、システムに関する社内の要望をまとめ、ある程度の設計をしてベンダーに伝える役割を担っており、対処できる範囲なら不具合の修正もするという。

「システムでエラーが出てきたり、わからないことがあったりすると、私に連絡が来ます。軽微なものも含めると毎日10件くらいは何かしらあるので、それが来たらバーッと調査してババッと修正する、みたいな。あとは次につくる新しいシステムの要件整理やスケジュール調整もしています」

「黙々とパソコンに向かって作業をするっていうよりは、人と話す機会が多い仕事だと思います。どういう問題を抱えていて、どんな機能があったら助かるのか。社内外合わせて、週の半分くらいはミーティングの時間になっていますね」

たとえば、と話してくれたのは、商品の受注後に送る発送完了メール。

お客さんからの注文情報は、社内のカスタマーサポートチームがそれぞれの納品希望日などと合わせて製造元に伝達する。その後、商品の発送が完了した時点で、toolboxのカスタマーサポートチーム宛に出荷日や配送番号などの連絡が来る。

あとは発送完了メールをお客さんに送信すれば終了…なのだけれど、これまでは、注文番号や名前からシステム内にある注文情報を探し、出荷日や配送番号をコピー&ペーストする作業が発生していた。

「毎日500件ほどある出荷のうち、自社倉庫からではない200件くらいの出荷分は、 全部一人のスタッフがコピペ入力していたんです。それをどうにかしたいよねって、システムチームで相談して。このときは、外部サービスのグーグルフォームをうちのシステムと連動させて、自動的に情報が入力される仕組みをつくりました」

結果、空いた時間でスタッフが別の仕事をできるようになったそう。

「今のシステムじゃできません、で終わらせたくないんです。私だけでは解決できないことも、社内外の人たちと相談しながらできる方法を探っていけたので、よかったなと思います」

今回募集するシステム担当は、本間さんのように建築に興味があって、プログラマーの知識がある人を求めているそう。また、ソフトウェアエンジニアの経験があるけど、いわゆるエンジニア組織ではなく事業会社で働いてみたい、という人も歓迎とのこと。



続いて話を聞いたのは、もう一人のシステム担当でソフトウェアエンジニアの宮本さん。

toolboxの商品はサイズオーダーが多く、納期も発注する職人さんによって差があるので、通常のカートシステムの機能では対応できないそう。そのため、注文を受けるカートシステムと受発注情報を管理する基幹システムが別々に動きながら連携することでカバーしている。

仕組みが複雑であるため、開発ベンダーとのやりとりでは技術的な会話ができるとスムーズにいくことが多く、ソフトウェアエンジニアの業務経験がある宮本さんがさまざまな調整をしつつ、ベンダーと協働している。

「たとえば、納期案内の連絡を改善したことがありました。注文確定時に、商品ごとに設定されたお届け予定日が自動で届く仕組みになっているんですが、お客さまの入金タイミングによっては製造元への発注が遅れて、最初のお届け予定日からずれてしまうことがあって。それだと困るよねと」

最初はカートシステムを担当するベンダーに相談し、製造元への発注日ベースで納期を連絡できる仕組みをつくろうとしたけれど、予想以上に費用がかかることが判明。

そこで、別の方法を考えることに。

「話を聞いて、カートシステムとは別のクラウドサービス上でも同じ処理ができそうだなと考えました。ベンダーさんといくつかの選択肢を協議して、仕組みを自社で実装してテスト運用することにしてみたんです」

システム全体を俯瞰して見ているからこそ、広い視点での提案をすることができる。納期案内の連絡機能も、すでに運用が始まっているそう。将来的にはカートシステムの改修に組み込めるように、ベンダーと相談しているところだ。

「いろんな会社での業務を経験してきて思うのは、toolboxっていやな人がいないなって(笑)。いい人が多いと思います。みんなわりと素直に喜んでくれるから」

「言い方(笑)」と突っ込みながら、本間さんも続く。

「みんなかわいいんです。『日本の住空間を楽しく豊かに』っていう会社の理念をそれぞれがちゃんと理解して進んでいるので、チームが違っても同じ方向を見ている感覚はすごくあって」

「裏方ではありますが、自分がなんのためにつくってるんだろうっていう悩みは一切ないです。人と話すのが好きで、仕組みを知ってつくるのが好きっていう人には、すごく面白い仕事だと思いますよ」



ちょっとした困りごとも、積もり積もると大きなものになる。

身近に応えてくれる存在がいるからこそ、組織は健やかに伸びていくように感じました。よく人から相談を受けるような人に、似合う仕事だと思います。

(2021/3/11 取材 稲本琢仙)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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