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建築の外観は社会の財産に
森を通じ
エコを伝えるマイスター

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

木でつくられたものには、ほかの素材とは違うあたたかさがあると思います。家具や建物などにもよく使われていて、親しみもある。

一方で、その木がどこから来たものなのかについて考える機会って、なかなかありません。

チャネルオリジナルは、自然素材を通じて建築や街、森に至るまで様々なことに取り組んでいる会社です。

防火木製外壁材や、エクステリアやインテリアに関わる様々なエコ建材、更には省エネ設備など。製品の数々は、住宅や商業建築、公共施設など色々な場所で使われています。

今回募集する営業職は、様々な自然素材の提供と、木の魅力と森やエコロジーにまつわるメッセージを、建築を通してお客さんへ届けていく仕事です。

建材メーカーや建築関係の会社、設計事務所などで営業の経験がある人はもちろん、未経験でも“サステナブル”や“エコロジカル”という言葉に関心がある人に、ぜひ読んでほしいです。



チャネルオリジナルの本社は、JR関内駅から徒歩5分、13階建ての大きなビルのなかにある。

エレベーターで5階にあがると、無垢のフローリングが敷かれたオフィス空間が広がっている。会議室でまず話を聞いたのは、代表の家山さん。

家山さんは会社を立ち上げる前から木材業界に関わっており、10年ほど海外で働いていたそう。

「バンクーバーで初めて製材場を訪れたときに、木材ってすごい!と思って。好きがこうじて、自分から勉強するようになったんです。どんな森で育った木なのか、どうしてこの種類の木を使うのか、工場ではどんな機械で加工しているのか。商品ごとに全部そらで言えたんですよ」

「お客さんからしたら、どんな商品でも熱心に語る俺が面白かったんだろうね。帰国して初めて営業を担当したけど、社内ではトップクラスになれた。それも、商品に対する熱い想いがあったからだと思うんです」

その会社を辞めたのも、家山さんのなかに別の熱い想いが生まれたからだった。

「出張で帰国するたびに、日本の街並みは整然としているけど、美しいと感じられなくて。なぜなのか考えたら、レンガ調や木目柄など、結局柄をフェイクでつくっている建物が非常に多いことに気がついたんです」

「欧米に行くと、その国々の街並みや景観が守られているでしょう?日本でも京都とかはそうですよね。そこに使われている外装材は全て本物。そこで『自分の使命』を考え始めたわけです」

当時、家山さんが住んでいたバンクーバーには、50年、100年と残る天然木の外壁がたくさんあった。

「壁や屋根も“木”であることが多くて。年月を経て現れる経年美も含めて、その美しさに『これだ!』と思いました」

「木の外壁を広めることで、将来に残したいと思える街並みを日本につくりたい」と、23年前にチャネルオリジナルを設立。

防火木製外壁材「ウイルウオール」の開発や、木製のエクステリア材を中心に、床材・壁材などのインテリア、省エネ設備など、幅広い商品を販売してきた。

そして6年ほど前からは、北海道で床材などの生産工場を始めたり、衰退した人工林の復興を目指し、屋久島で島内初の製材所や地杉加工センターを構えたりと、ものづくりの川上にも取り組んでいる。

「屋久島では、『屋久島地杉プロジェクト』もおこなっています。天然林と産業林という、『守るべき森と復興させるべき森』のふたつを見据えた活動をしているんですが、建築業界のみならず、様々なクリエテイブ業界も活動に参加してくれているんですよ」

「この活動の経緯になったのは、もう十数年通い続けているカナダUBC大学の調査林で。そこで、産業林と天然林の違いや、自然・生態系に対するものすごく深い知見とリスペクトを知ったんです」

今はコロナで中止となっているものの、基本的に営業職は必ずこの森で研修を受けてもらいたいとのこと。

「自分たちが提供する製品を、森から供給してもらっている意味。それを『売れればいい』だけではない観点から考えてもらいたいのです。そういう自然への畏敬をきちんとお客さまにも伝えたくて、商品説明では産業林や自然林のストーリーもお話ししています」

家山さんは、シンポジウムや学生向けのセミナーで積極的に発信を続けているほか、ドイツの高性能窓メーカーとの独占販売契約を結び、グリーンビルデイングと呼ばれるエネルギーを無駄にしない建物の仕組みづくりにも取り組んでいる。

また、自然環境との共生につながる新しいプロジェクトが常に動いていて、今も社員と協働で複数の事業を進めているそう。

「新しい方には、自分が主体となってチャネルを創造し、社会に貢献していこうという気持ちできてほしい。ただ販売することに疑問を持っている人や、自分の仕事が環境に貢献している手応えがほしい人には、十分満足できる事業コンテンツだと思いますよ」

「一方でなぜその商品ができたのか、自然に対してどういう意味があるのか。商品知識も幅が広くて、うちの営業は覚えることがたくさんあります。でも極めれば、エコロジーや環境、自然に関してのマイスターになれると僕は思うし、自分でこういう商品を開発したい!販売したい!という提案も大歓迎です」



チャネルオリジナルには、工務店や設計事務所を中心に、毎月300件を超える問い合わせがあるそう。

営業スタッフは、商品を通じてどのように森林の大切さを伝えているんだろう。入社8年目の渡邊さんに聞いてみる。

「お客さまは最初から森林に興味のある方ばかりではありません。そんな状況でいきなり話をしても、なかなか届かないですよね。まずは『君がそう言うなら』って信頼してもらえるような関係性になることを大切にしています」

「なにかしらの課題や危機感を、お客さまは抱えている。それを解決できるような商品や情報を提案しながら関係性をつくっていくと、自分のなかで“今だな”って思うタイミングがあるんです」

たとえば、と話してくれたのが、渡邊さんが担当しているスターバックスコーヒーの店舗の案件。

担当者から「この木材に近い商品はないか?」と問い合わせをもらったことが始まり。最初の2年間は、先方からの要望に対して確実に応えていくことを心がけた。

「最近になって、『サステナブルでストーリー性のある木材を使っていきたいんだけど、何かない?』って相談をもらったんです。そのタイミングで初めて『実は、うちでは屋久島地杉プロジェクトっていう取り組みをしていて』と、うちの思いをぶつけて」

屋久島地杉プロジェクトとは、屋久島にある“産業林”の活用と、世界自然遺産に登録された“自然林”、両方の大切さを伝えていくために始まったもの。

自然林のイメージが強い屋久島だけど、実は戦後に植えられた産業林も多く存在している。林業の衰退に伴い、ほかの地域と同様に森林荒廃の問題に直面していた。

そこでチャネルオリジナルでは、産業林を「屋久島地杉」としてブランド化。油分の多さと耐久性の高さを活かし、ウッドデッキなどの商品を製造・販売している。

渡邊さんの提案により、スターバックスの店舗でも屋久島地杉が使われることに。

「屋久島地杉の商品は、うちの加工センターでつくっています。建物が完成したときは、こんな風になりましたよって写真を送っていて。そうすると、みんなめちゃくちゃ喜んでくれるんですよね。林業への貢献にもつながっているので、やっていてよかったなって思います」

「工務店さんと一緒に、引き渡しに立ち会うことも結構あるんです。お施主さんに『これにしてよかった、すごく気に入った』って言ってもらえると、商品をつくった人と実際に使う人、喜んでいる人同士の板挟みになって、すごくうれしいですね」



今回は、木材や建築業界の経験がない人でも大丈夫。入社4年目の東さんも、もともとはまったく違う仕事をしていたそう。

「工場から出る廃棄物を処理する仕事をしていました。何も残らないのが良し、っていう仕事なので、もっと形に残る仕事がしたいなと思って入社したんです」

「自分が手がけた建物を見るたびに、『この物件ではあんなことがあったな』って、当時の自分を思い出すんですよね。何十年と残る商品を扱っているので、長く楽しんでもらえるのが非常にいいなと感じています」

チャネルオリジナルでは、自然由来の丈夫な木だけを扱っているため、メンテナンスしながら長く使い続けることができる。

そのぶん、価格も決して安いわけではない。お客さんからは、より低価格の素材を求められることもあるそう。

「見た目だけだったら、安くて同じような商品っていくらでもあるんですよ。『何が違うの?』って疑問に思っているお客さんに対して、どうやって商品の良さを伝えるか。それはすごく難しいですね」

「一番は、まず一度試してもらうことなんです。その一歩を踏み出してもらうためにも、商品が生まれた背景をどれだけお客さんに伝えられるかが、大事なポイントなのかなと思っています」

その材料はどこでつくられて、森までさかのぼるとどんなストーリーがあるのか。どんな人たちが、どんな思いで加工しているのか。

より深く商品のことを知るために、カナダや屋久島にあるグループ会社へ研修に行く機会もあるのだとか。

東さんも、北海道の製作工場を訪れたことがあるという。

「実際の現場を見て感じることはたくさんあって。機械を使いながらも、人の目で確認する作業が多いんです。商品一つひとつに、職人さんの手と目が入っていることを実感しました」

女性や若いスタッフも多く、活気があって明るい雰囲気であること。加工した木材は目視検査をして、みんなで競いながらその技術を向上させていること。

一見、商品とは関係がなさそうな情報もお客さんに伝えることから、興味を持ってもらえることもある。

「何より、自分自身の仕事に対する想いも変わりましたね。林業のリアルな話を聞き、加工してくれている人たちに会うことで、前以上にもっと多くの人に届けたいと思うようになりました」

「チャネルオリジナルでは、カタログに載っている以外にも、かなりの商品を扱っていて。建物一棟建てるのに必要な資材を、まるごと賄えるほどなんですよ。商品によって、頑丈さや柔らかさ、施工で気をつけることなども全然違います」

それぞれの特徴や注意点を覚えていくのは、なかなか大変そうですね。

「いや、本当に大変ですね…。入社したときは知識ゼロだったし、最近は省エネルギーに考慮した窓や断熱材なども扱うようになったので、未だにわからないことが山ほどあります」

「勉強会で情報を得たら、まずはお客さんに話してみるようにしていて。いろいろ質問をもらって『ああ、ここがまだ分かってないんだな』って把握する。それをまた調べていくことで、知識量が増えていく。いかにキャッチボールしていくかが大事だと思いますね」



自然への思いや高品質の商品。どちらも大事だけど、それだけでは広まっていかないのだと思います。

ふたつをつなぐ背景まで理解して、自分の声で伝える人がいてこそ、心地いい形で広がっていくように感じました。

(2021/5/6 取材 鈴木花菜)
※撮影時はマスクを外していただきました。
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