求人 NEW

海の青と高原の緑
あとは人次第で
いろんな絵が描けそうなまち

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

土地の魅力ってなんだろう。

水が豊かでおいしい農作物がとれたり、景色が美しかったり。なにがあるか、はイメージしやすい。

そこからさらに、もう少し考えを進めると、人々の生業や暮らしぶりが見えてくる。その地域にあるものを、どう活かしているか。自然環境や地形といった要因に、人の生活や仕事が絡むことで、その土地にしかない魅力が形づくられていく。

岩手・洋野町(ひろのちょう)。

三陸の海に面し、内陸に高原が広がるこのまちでは、地域おこし協力隊の制度を積極的に活用してきました。

外の視点を組み入れながら、まちを元気にする。今回募集するのも、そんな協力隊の一員です。

ひとつは、廃校を利用した複合施設の管理運営や、イベントの企画運営などをする人。もうひとつが、道の駅や工芸体験工房、宿泊施設などを含む複合施設「おおのキャンパス」で広報やマーケティングを担当する人です。

どちらも経験は求めません。来る人次第で、いろいろな可能性が広がる仕事だと思います。



東京から東北新幹線に乗り、八戸へ。八戸線に乗り換え、三陸海岸沿いを1時間ほどかけて南に進んでいく。

海を眺めながら電車に揺られていると、やがて目的地である種市(たねいち)駅に到着した。まずは、駅から歩いて5分ほどの場所にある町役場へ。

はじめまして!と迎えてくれたのは、特定政策推進室の安藤さん。

今回新しくできる施設は、まちの廃校をどう活用するか、という課題からスタートしたそう。

昨年閉校した宿戸(しゅくのへ)中学校を、サテライトオフィスやコワーキングスペースを兼ね備えた複合施設へと生まれ変わらせていく。

「リモートワークが普及したり、地方にサテライトオフィスをつくったりと、働き方の変化が加速しつつあります。そういった需要の受け皿になる施設があれば、まちにも活気が出るし、いろんな人が出会うことで事業や雇用の創出にもつながるんじゃないかと思っていて」

「オフィススペース以外にも、簡易宿泊機能も備えた場所になる予定です。40人くらいは宿泊できるキャパシティがあるので、観光にも活用できたらと考えています」

今は10月ごろのオープンに向けて、工事を進めている真っ最中。

今回募集する協力隊には、予約管理や利用者とのコミュニケーションなど、この施設全体の管理運営を担ってほしいそう。また同時に、地域内外の人が参加できるイベントも企画していきたい。

どうして協力隊に任せたいのでしょうか?

「やっぱり、新しいつながりを生み出すような場所には、外の人の目線や発想が必要だと思っていて」

「箱モノをつくっても、活かさないと意味がない。そのためには、役場の固い発想だけじゃうまくいかないだろうなと。『こうしたら面白くなりそう』っていうことを、柔軟に提案してもらいたいんです」

宿戸中学校には、グラウンドや体育館などの設備もそのまま残っている。

また洋野町は、サーフィンのできる海や山側に広がる高原など、自然に恵まれた地域。

地域に住む親子向けに運動教室などのイベントを企画してもいいし、たとえばサーフィン教室と宿泊をセットにした企画もいいかもしれない。

「考えているのは、キャンプとかできたら楽しいだろうなって。広いグラウンドがあるので、木を拾ってきて焚き火をしたり、魚を釣って調理したり。テント泊が苦手な人でも、施設内で泊まれるのはいいんじゃないかな」

「僕は釣りが趣味で、休みの日はよく釣りに行っているんですよ。このあたりはいろんな魚が釣れるので、釣り好きの人が来てくれたら、魚を活かしたイベントなんかも一緒にできそうですよね」

学校という場所を活かしてなにができるか。アウトドアや趣味の企画はもちろん、シェアオフィスの機能を活かし、働く人たちをつないで新しいビジネスの種が生まれるきっかけづくりもできそうだ。

1からアイデアを形にする大変さはあると思うけど、役場としても、提案の実現に向けて可能な限りサポートしていきたいと考えているという。

「あとはいま、現役の協力隊に空き教室を貸し出しているんです。それぞれの活動内容もユニークなので、一緒にできることもあると思います。ぜひ話を聞いてみてください」



安藤さんに紹介してもらった協力隊の人に会うため、役場から車で10分ほどの距離にある宿戸中学校へ。

向かったのは校舎の1階にある美術室。ふたりの協力隊が迎えてくれた。

まず話を聞いたのは、サイクリングを軸にしたまちづくりに取り組んでいる寺田さん。

「洋野町は、もともと三陸沿岸の地形を活かしたジオツーリズムが盛んな地域なんです。そんなベースを活かしつつ、サイクリングツアーを軸とした洋野町の観光振興を考えています」

「この教室は、その拠点として使えたらいいなと思っていて。ひと休みできるカフェスペースを設けて、自転車のレンタルやツアーの案内所にもしようかなと。あとはアウトドアのアクティビティも好きなので、新しく来る人と一緒になにかできたらいいなと想像しているところです」

教室内には、寺田さんの私物だという自転車がずらりと並んでいる。ほかにも、オーディオやコーヒー、そば打ちにピザづくりなど、寺田さんの趣味の幅はものすごく広い。

企画を考えるにあたって、いろんなアイデアやヒントをもらえると思う。



そしてもう一人紹介したいのが、協力隊の上野さん。

木工などのものづくりを軸に、技術室を借りて活動していく予定なのだそう。

「出身は、洋野町の隣にある階上町なんです。大学進学を機に10年ほど関東にいたあと、こっちに戻ってきました」

小さい頃に何度か洋野町を訪れたことがあり、馴染みがあったという上野さん。「高原のあるまちに住むのが、人生のひとつの目標だったんです」と、はにかみながら教えてくれた。

「このまちで、一つひとつやりたかったことが叶っているなと思います。宿戸中も、最初は木工の作業場として使うつもりだったんですけど、せっかく学びの場なので、ものづくりのワークショップも開けたらいいなと思っていて。一緒につくったり、いろんなつくり手と出会える場所にしたいですね」

上野さん自身も、洋野町の伝統工芸である大野木工を学んでいる最中なのだとか。

「もともと、言葉で感情を伝えるのが苦手で。その言葉に代わる手段として、ものづくりや絵で気持ちを表現できたらいいなと思っていたんです」

「そんな思いを持っている人は、実は少なくないんじゃないかなと。表現のひとつとして、ものづくりを提案できたらいいなと思っているんです。学校という場所を使わせてもらう機会をもらったのも、いいご縁だなって」

サテライトオフィスやコワーキングスペースの機能もあるので、いろんな人たちの仕事と趣味が重なり合うような場になっていきそう。今回入る人は、その間に入って橋をかけていくような存在になるのかもしれない。

上野さんは、どんな人に来てもらいたいですか?

「そうですね…柔軟性があるっていうか、ものの考え方がフレキシブルな方がいいかなと。あとは、洋野町に可能性を感じて、好きになってくれる人だったらいいですね」

「私自身も、このまちに来てよかったなって、日々感じているので。海も高原もどっちもあるまちでものづくりができるって、贅沢だなって思います」



続いて、役場から車で20分ほどの場所にある「おおのキャンパス」へ。

建物のまわりには高原が広がっていて、牛が放牧されている。

敷地内には、地域の野菜などを販売する直売所やお蕎麦屋さん、大野木工の工芸体験工房に、パークゴルフ場や宿泊施設と、いろんなものが集まっている。

そのなかの事務棟で、事務局長の川村さんに話を聞いた。

今回、おおのキャンパスで募集する協力隊は、広報やマーケティングを川村さんと一緒に進めていくことになる。

「ここは40年ほど前につくられた場所で。地方から人や仕事がなくなっていくなかで、持続可能な地域づくりのためには生涯学習の場が必要だと、当時の人たちが考えてつくったと聞いています。だから名前もおおのキャンパスなんですよ」

伝統工芸である大野木工も、畜産以外に冬場でも稼げる手仕事をつくろうと、木工技術を学び合って広まったのがはじまりだったそう。

そこから、木工の製作所だけでなく、直売所などのさまざまな施設が併設される施設になった。

今回募集する協力隊には、今ある事業を伸ばし、道の駅全体の売上アップにつながる取り組みを進めてほしい。

たとえば、ECサイトの運営やPRなど。おうち需要が高まるなかで、まちの産品を全国へ届ける仕組みづくりをしていきたい。

「こんないいものがあるんだって知ってもらうためにも、扱っている産品のストーリーを伝えることが大切だと思っていて。たとえば、大野木工もそのひとつなんです」

「一般的に木工食器は、木を横に切ってつくっていて。でも大野木工は、木目をきれいに出すために、木を縦に切ってつくっているんです。そこに職人の焼印が入って、すべてオリジナルの商品になる」

つくり方にどのようなこだわりがあるのか、つくり手はどんな人なのか。

使う人の手に届くまでに、その器が辿ってきた道のりを追体験できるようなコンテンツがあれば、大野木工の価値を今以上に伝えられるかもしれない。

SNSアカウントや会員アプリなど、現状活用しきれていないものもあるので、一緒に活かし方を考えてほしい、と川村さん。アイデアや意見を交わしながら、新しく来た人にどんどん任せていきたいそう。

この景観のなかでつくられている、ということも大事な要素ですよね。ものづくりの背景にある環境の美しさから、洋野町に行ってみたいと興味を持つ人もいる気がします。

「そうなんですよ。その土地の環境や歴史とものづくりって、つながっていますから。どこからでも興味を持ってもらえたら」

「そして実際に来たら、こんなにいい場所があったんだって、気づいてもらえると思うんです。そのきっかけづくりの方法を、一緒に考えていけたらいいなと思っています」

経験は問わないそう。試行錯誤しながら、事業を一緒に転がしていける人に来てもらいたい。

「やっぱり、ストーリーを語れるということが大切だと思うので。好奇心を持って地域の人たちとコミュニケーションを交わしながら、外からの目線で編集していくのが得意な人がいいですね」

「僕も最初は地域の人との関わり方で失敗してきた経験があるので、いろいろとチャレンジしながら、一緒に取り組んでくれたらうれしいです」



海や高原、おいしいもの。

もともとの恵まれた環境もありつつ、やはりそこに手仕事やアイデアがかけ合わさることで、土地の魅力は感じやすく、伝わりやすいものになっていくのだと思いました。

その方法は、ここにいる仲間と一緒に考えていってもいい。興味が湧いた人は、ぜひ一度訪れて、この景色や空気を感じてみてほしいです。

(2021/6/29 取材 稲本琢仙)
※撮影時はマスクを外していただきました。

この企業の再募集通知を受ける

おすすめの記事