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シェフを置かないチームで
飲食業界に風穴を開ける
スペシャルティチョコレート

一つひとつ手仕事で丁寧につくることと、それをたくさんの人に届けること。

決して簡単ではないその二つの両立を目指して、クラフトチョコレートのブランドMinimalは挑戦を続けています。

日本のBean to Barチョコレートの先駆けとして誕生したMinimal。

農園に直接足を運び、買い付けたカカオを材料に、すべて手作業でチョコレートをつくっています。

最近では、そのチョコレートを使ってケーキやパフェを開発したり、お店でコーヒーやお酒とのペアリングを楽しめたり。カカオの風味を生かしたクラフトチョコレートならではの表現の幅を広げています。

今回、製造スタッフと店舗のサービススタッフを募集します。どちらも経験があると望ましいですが、未経験でも働きながら学べる環境があります。

あわせて、ネットストアのカスタマーサポートスタッフも募集します。



取材に向かったのは、代々木上原駅から徒歩2分の場所にある「Minimal The Baking 代々木上原」。

途中、保育園に向かう親子連れや、立ち話をしている近所の人たちとすれ違う。都心の駅の近くとは思えない、静かな住宅街という感じ。

一軒家を改装したショップに到着した。街並みに溶け込むさりげない佇まいだ。

開店前のお店で待っていてくれたのは、代表の山下さん。

「ここでは常時6種類のガトーショコラと2種類のチーズケーキを提供していて、その食べ比べとドリンクのペアリングが人気なんです」

「コロナ禍をきっかけにデジタル面に力を入れたことで、インスタで“バズった”こともありました。若いお客さんも増えて、オフシーズンの夏場でも行列ができる日がありましたよ」

もともと経営コンサルティングの仕事をしていた山下さん。まったくの異業種から飲食業界へ足を踏み入れ、2014年にMinimalを立ち上げた。

バイヤーとして、自らカカオ豆を調達。豆を砕くところから職人による手仕事でチョコレートを生み出し、サービススタッフがお店でお客さんに届ける。

Minimalのように、その一連の流れが高い水準で管理されているものを、スペシャルティチョコレートと呼ぶ。

「コロナ禍以前は、ガーナやインドネシア、ブラジルなどの農園に毎年出向いていました。産地によって生育環境も豆の味わいも全然違うので、農家さんと一緒にその土地のカカオが一番引き立つ加工法を見極めてきました」

生産者に選ばれるパートナーになれるよう、毎年1キロでも多く豆を仕入れ、完成したチョコレートを楽しむ日本のお客さんの映像も共有している。

そうやって少しずつ信頼関係を築いてきた。

「うちの求めるカカオは、普通の生産よりも手間がかかります。だから、僕らは市場価格+1ドルのフェアトレード価格を、最低買取価格として保証していて。さらに品質がよくなれば、そこに1ドル単位で上乗せしていく仕組みもとっています」

毎年収穫した豆の味を評価して、買取価格を決める。毎年質が上がれば価格を上げていくし、逆に品質が落ちれば1キロあたり6ドルだったものが5ドルに下がるような年もあるという。下がった理由は具体的に指摘し、翌年の改善につなげてもらっている。

最低価格は保証しつつも、決して品質を妥協しない。そんな山下さんの姿勢に生産者たちも呼応し、高品質なカカオ豆が生まれている。

フェアトレードとも違う、足並みを揃えて同じ方向を向いているからこそ実現できる、本当に対等なビジネスパートナーなんだと思う。

「最近は豆の品質がより向上しているし、僕らの豆への理解も深まってきて。そのポテンシャルを最大限に活かす技術が必要だと、強く感じるようになってきました」

「製造技術を徹底的に磨いて、お客さまに楽しい体験をしてもらえるサービスを追求しなければいけない。スペシャルティチョコレートならではの価値を最大限発揮するために、僕らのあるべき姿は“シェフを置かないチーム”だと思ったんです」

シェフを置かないチーム?

「シェフがいてトップダウンで動く組織だと、統率しやすい反面、一人ひとりのクリエイティビティは制限されてしまう。うちはとにかく打席に立つ機会を増やすようにしています」

Minimalでは、新人スタッフも含めたチーム全員で新商品開発に取り組むそう。年間30〜40種類の新商品が生まれるのは、同じような規模のお店ではかなり多い数字なのだとか。

「工房にもお店にも、海外とか有名店で修行を積んだような、活きのいい子たちが数年前から集まってきていて」

「レベルの高い職人たちがチームでつながれば、有機的に作用し合っていいものをどんどんつくり出していける。そうすれば、大量生産のかたちをとらなくても、広く僕らのチョコレートを届けることができると思うんです」

そんな工房のあり方は、飲食業界に風穴を開けることにもつながる、と山下さん。

今の飲食業界では、独立するかシェフにならない限り、給与は頭打ちしてしまう。そのため、やりがいを持って取り組んでいても、30〜40代でキャリアを諦める人も多いという。

経験と技術のある人たちが、長く生き生きと働き続けられるチームをつくることができれば、ブランドは成長し続けられるし、給与を上げていくこともできると考えている。

「今から入る人たちは、10年後、そんな未来を一緒につくっていくメンバーだと思います。簡単ではないし、一歩一歩地道にやっていくしかないですね。でもMinimalを通して一緒に挑戦したいと思うんです」

「10年後にチョコレートづくりの何かの技術で世界一の職人と呼ばれるパティシエやショコラティエが、たくさん出てくる工房を目指したいですね」

飲食業が好きでも長くは続けられないと感じている人はいるだろうし、逆に、経験が浅いからこの世界では勝負できないと思っている人もいるかもしれない。

これまでの枠組みのなかで諦めていた人たちも、Minimalのチームで見つけられるものがあると思う。



続いて、スタッフのみなさんにも話を聞いた。

白金にある工房で働く製造スタッフの片岡さん。5年ほど前にアルバイトとして入社し、今は社員として働いている。

シェフを置かないチームと聞きました。どんな雰囲気ですか?

「責任がみんなに均等にあるので、やりがいがありつつ重さも感じますね。新商品開発担当は、自信を持てる味まで自分の力で持っていかなければいけない。そういう難しさはあるけれど、チャンスを多く与えてもらっている楽しさのほうが勝るかなと思います」

片岡さんが開発に携わった、ガトーショコラの「ソフト」というシリーズ。

従来のMinimalのガトーショコラは、カカオの風味をそのまま活かしているぶん、個性的な味わいのものが多かった。ソフトシリーズは、子どもからお年寄りまで幅広い年代に楽しんでもらえる商品を目指して、生み出されたそう。

開発過程では、山下さんや開発統括のスタッフも交えて、ディスカッションを重ねていった。

「Minimalらしさや普通の味ってなんだろうとか、大衆受けを目指しすぎてアピールポイントがないとか、そもそもどれくらいの甘さのものにするかとか… 今思い出しても長かった(笑)。定番品になった今も、味わいがよりよくなるように、少しずつ手を加えています」

製菓・製パンの専門学校を卒業してから、さまざまなパティスリーで働いてきた片岡さん。

フランス菓子をメインに、パンやカップケーキのお店でも働いたほか、3年間パリでも経験を積んだ。

チョコレートを学ぶために、ほかのお店と掛け持ちではじめたのがMinimalのアルバイト。

「ここに勤めるまでは、チョコレートって“材料”のひとつで。それをつくること自体が未知でしたね。入った当初は右も左もわからないし、今みたいにケーキづくりをはじめるまでは、自分が持っていた製菓の知識や技術は正直あまり役に立たなくて。やりながら学んでいく毎日でした」

チョコレートづくりは、カカオ豆のローストからはじまる。それを砕き、すりつぶしてペースト状にした後、砂糖で味を整えて成形。適切な風味を引き出すために、それぞれの工程で温度や時間の調節など、繊細な職人技が求められるという。

「カカオは農作物なので、毎年味わいが変わってきます。その微妙な違いに合わせて、製造の微調整をして、変わらない味のように仕上げていくのもやりがいですね。職人として働く人は、カカオやチョコレートに対して、常に興味を持ち続けられるといいのかなと思います」



職人たちが生み出したものを、お客さんに届けるサービススタッフ。板チョコレートを専門に扱う富ヶ谷本店と、ガトーショコラ専門の代々木上原店がある。

力武(りきたけ)さんは、代々木上原店の店長として、3年前のオープン時から働いている。

初めてMinimalを知ったのは、前職のコーヒーショップ時代。

富ヶ谷店の近所にお店があり、Minimalのチョコレートを取り扱うために山下さんのワークショップを受けたそう。

「Minimalのチョコレートを食べたとき、鮮烈な衝撃がありました。カカオ豆と砂糖だけでつくられているのに、青リンゴの風味をしっかり感じたんです。ちょうどコーヒーのフルーティーさをうまく伝えられずに悩んでいるときだったので、ずるいとすら思いましたね」

数年後に山下さんから誘われ、店長としてこのお店へ。

働きはじめてからも、驚かされることがあったそう。

「ガトーショコラって、一般的にはリッチなバター感としっかりとした甘さがあるケーキですよね。なので、ペアリングするコーヒーは、深煎りで苦味が主体のものだと思っていました」

「でもMinimalのガトーショコラは、浅煎りのコーヒーとすごく相性がよかったんです」

同時に楽しむことで、コーヒーの隠れた甘さに気づいたり、カカオの香りをより豊かに感じられたり。お互いの繊細な味わいを引き立て合う組み合わせだとわかってきた。

今は新商品が出るたびに、スタッフとともに仕入れるコーヒーを選んでいる。

自分と同じような体験をお客さんにも味わってもらうことが、やりがいにつながっているという。

「コーヒーのことはあまりわからないっていう若いお客さんも多いんですけど、お店にはそれぞれのケーキに相性のいいコーヒーを用意してあるので、特に合わせてみたいものをヒアリングして抽出しています」

「感想を聞くと、『すごく合いますね』とか『おいしいです』って言ってくれて。そのときの表情がすごくいいんですよ。食べてもらえれば勝ちだと思っているので、わかってもらえたんだなって」

チョコレートとコーヒーの両方を極められるのがこのお店で働く良さ、と力武さん。

どちらも自信を持って提供していることが伝わってくる。

「ものがどんなに良くても、サービススタッフが適当な扱いをしたら、その良さはうまく伝わりません。僕は、商品はもちろん、人が好きで会いに来てくれるお店にしたいと思っています」

「あの人がおいしいって言うならおいしいんだろうな、と思ってもらえるような。そういう空間やサービスを一緒に表現していけたらいいですね」

そう話した後に、「とはいえ、これは僕の考え方なので、好きなようにもしてほしいです」と笑う、力武さん。

このフラットさが、Minimalの魅力なんだろうなと思いました。

みんながチームとなって、「おいしいチョコレートをつくり、届ける」という目標に向かっている。

Minimalだからこそ実現できる、お菓子屋さんのかたちがあると思います。

(2021/9/24 取材 増田早紀)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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