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みんなに居場所がある
まちをつくりたい

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「まちのなかに、気軽に話せる人や困ったときに相談できる人、仕事帰りに飲む友だちがいる。イベントをきっかけにそんなつながりを生むことで、まちの居心地がいい、ここが自分の居場所だなって感じられる人を増やしていきたいんです」

そう話すのは、株式会社花咲爺さんズ代表の加藤さん。

花咲爺さんズは、主にイベントを通じてまちづくりに取り組む会社。

今回募集するのは、イベントディレクター。地域住民やワーカーを巻き込みながら、イベントの企画・制作・運営をトータルプロデュースします。イベント制作や運営の経験があって企画部分にも関わりたいという人、まちづくりにも興味関心がある人にフィットすると思います。

あわせて、新設ポジションであるクリエイティブディレクターも募集します。スキルと経験次第ではありますが、グラフィックデザインを中心に、協力会社と連携しながら空間のデザインやディレクションにも取り組んでもらいます。

どちらもマネジャー候補として、トータルでプロジェクトを推進していく役割です。

 

品川駅の港南口を出て、オフィスビルやタワーマンションが並ぶ通りを歩くこと15分。倉庫をリノベーションした建物の4階に、花咲爺さんズのオフィスはある。

普段はリモートワークの人が多いそうで、オフィスはフリーアドレス制のシンプルなつくり。全体を見渡せる奥のテーブルに座っているのが、代表の加藤さん。

イベントの企画・制作とまちづくりの会社で経験を積んだのち、2016年に花咲爺さんズを設立。

「まちに花を咲かせる」「枯れ木に花を咲かせるような奇跡を起こす」という想いを込めて、品川エリアを中心にまちづくりに取り組んできた。

「まちづくりと聞くと地方創生のイメージを持つ人もいると思います。もちろんそういった仕事もあるんですけど、僕らは都心部でデベロッパーと取り組む仕事のほうが多いです」

「ほとんどの仕事がクライアントと直接コミュニケーションをとるもの。広告代理店が担うような企画提案から、制作と当日の運営まで、全部一貫して担います。それが大変でもあり、面白いところですね」

たとえば、創業時から長く取り組んでいるのが、オフィスから歩いて5分ほどの場所にある複合施設「品川シーズンテラス」のエリアマネジメント事業。施設内の広場を舞台に、さまざまなイベントの企画運営を担ってきた。

そのうちのひとつが「品川ハロウィン」。7年前の立ち上げから関わっている。

「品川港南エリアって新しいタワーマンションが多くて、地域に根付いたお祭りや行事が少ないんです。『ここで育った子どもたちに、故郷の記憶として残るようなイベントをつくりたい』という親御さんたちの想いが発端にあって。近隣住民のみなさんや企業ワーカーのみなさん、デベロッパーさんたちと実行委員会を立ち上げました」

コロナ禍の昨年は、一部オンラインでの開催。地域のクラブのステージショーやワークショップのオンライン配信のほか、リアルな場では地域のお店をまわるクイズラリーやお菓子交換などを実施した。

資金調達から協賛企業集め、小学校や幼稚園・保育園での広報など。地域のさまざまな人たちと協力しながら、子どもたちが自分の故郷を感じるきっかけとなれるよう、活動している。

そのほかにも、クライアントが運営するローカルメディアで地域のお店を取材・執筆したり、地域の学校のPTAやマンションの管理組合運営をサポートしたり。国交省の助成事業である、公共空間活用のための取り組み「プレイスメイキング」の普及啓発にも携わっている。

「ひとつのイベントごとに、まちの人やクライアント計20団体くらいとの調整が発生します。そのとき、イベントディレクターは全体像がわかっていたほうが進めやすい」

「企画から制作、運営まで。実務経験は一部だけでもいいので、全体の流れと、必要な業務を把握して進められる人に入ってほしいと思っています」

あわせて募集するのが、クリエイティブディレクター。

イベントづくりでは、Webページやポスター、会場装飾など、平面立体問わずさまざまなデザインが必要とされる。

現在は協力会社と制作することが多いものの、将来的には社内でクリエイティブチームをつくりたい。今回入る人は、その立ち上げメンバーとなる。

グラフィックの制作は自分で手を動かしつつ、経験のない分野についてはディレクションという形で関わってほしい。

「たとえば品川シーズンテラスでは、毎年冬に点灯するイルミネーションの企画も任されています。電気の配線とかLEDの光り方とかも勉強しながら、照明やデザインの会社と一緒に企画を検討していきます」

数年前の企画では、自由に鳴らせるハンドベルを設置し、音階によって光り方が変わるというセンサー技術を導入。地元の保育園にも呼びかけて、住民参加で点灯式も開催した。

「この時代にわざわざ空間を体験しに訪れるんだから、まず『素敵な場所に来た』と思わせる空間体験を提供したい。クリエイティブの重要性は高まっていると思います」

花咲爺さんズが得意とする、イベントという手法。

自由に参加できるこのかたちは、まちのあり方と相性がいい。

「まちって会社や組織とは違って、みんなで同じビジョンやミッションを共有して動くものではありません。それぞれ自分のペースで過ごしたいなかで、全員がまちのことを自分ごととして考えるのは、いろいろな無理が出てくる話だと思っています」

イベントは、参加者として軽く関わることから、実行委員会のように企画や長期的なプランニングを見据えて動くことまで、関わり方に幅を持たせられる。

時間を割くのがむずかしい人には、まずイベントに来てもらうことから、だんだんとアイデアを出してもらえるように。

一方、自分でも何かやりたい、まちの人が喜ぶ企画をつくりたいという人には、一緒に形にする機会を積極的に設ける。こんなふうに、関わり方の違う入口をいくつか設定しておく。

「それぞれの人たちに、自分が出した意見が形になる楽しさを知ってもらいながら、関わり度合いをちょっとずつ上げていく。それくらいの心持ちが、ちょうどいいんだろうなと思います」

「一つひとつのイベントを通して、自分のまちっていいなと思う人を、その場所にあったペースで増やしていきたいと思っています」

 

イベントディレクターとして長年関わっているのが、田畑さん。加藤さんとともに会社を形づくってきた。

「イベント業界の経験は長いですが、ここの仕事は経験してきたイベント制作とは異なっていて。これもやるんだ、あれもやるんだって、とにかく考えることがたくさんあります。手を動かしたら終わるわけじゃない仕事も多いので、ペースが掴めない時期もありましたね」

考えることに向き合えるかどうか、選考過程でも見極められる。

花咲爺さんズの選考課題のひとつが、簡易的な企画書づくり。実際に進行中のプロジェクトに対して、自分ならどんな企画を出すか考え、プレゼンしてもらう。

どこかの事例のコピーや、深く考えずにつくった企画は、話を聞いてすぐにわかるという。入社してからも日々同じような仕事が続くので、ギャップがないかの確認にもなっている。

「受け身だとすごくつらい会社だと思います。やりたいことができる!って思いながら、ガツガツやってくれるような、前向きな方がいいのかなと」

「社内でのコミュニケーションは多いですし、担当者を中心にみんなで案件に向かっている感じですね。担う範囲が広いので、すべて網羅するのはむずかしい。一人よりもチームで企画をつくっていきたい、っていう人が合っていると思います」

 

今回募集するメンバーは、将来のマネジャー候補でもある。

現在、社員は12人。20〜30代の若手が中心で、経験者として入ってきた人は少ない。そんなメンバーをまとめていくことになる。

現在マネジャー候補として力をつけているのが、入社2年目の村澤さん。

新卒から薬剤の営業職として5年ほど勤務。エンタメ業界に憧れがあったことから、芸能・イベント会社に転職し、タレントを各地のイベントに派遣する仕事を担当していた。

「華やかだけど、派遣して終わりなので、正直そこまでの達成感はなくて。そんななかでも、たまにイベントの企画から運営まで一括で担う仕事があって、そっちがすごく面白かったんですよ。もっと制作寄りの仕事がしたいと思って、転職を決めました」

日々企画から関わる環境に移って、どうですか?

「以前は前提となるオーダーがあって、その通りに実施するにはどうするか、という考え方でした。今は、たとえば新しいショッピングモールのプロデュースとかまであるんですよ。白紙にみんなで向き合って、さあ考えましょう!っていうやり方なので、全然脳が追いつかないときもありますね」

村澤さんが現在メインで取り組んでいるのが、千葉県印西市にある商業施設の案件。

地域で開発を進めているデベロッパーから依頼を受け、まちの人たちとの関係性づくりとイベントスペースの企画運営を主に担っている。

芝生でヨガを企画したり、地域の英会話の先生に子ども向けの英語レッスンをやってもらったり。地域の事業者とも直接話をして、月々のイベントに呼び込んでいく。

さまざまなかたちで地域の人たちを巻き込むことで、まちに愛着を持ってもらうきっかけの場にしていきたい。

「クライアントと相談しながら毎回企画を形にしていきます。チームメンバーのやりたいものと、クライアントの意向の両方を汲んでどう納得できる形に落とし込むか、常に考えますね。イベントでは参加者さんの声を直接聞けるので、やりがいがあります」

今は、マルシェの出展者を集めているところ。「こんな人たちいいんじゃない?」「このイベントの出展者さんに声かけられそう」など、オフィスではさまざまなアイデアが飛び交っていた。

「自由度は高い会社ですね。広い農場で、自由に動いていいよ!って放牧されている感じ(笑)。一方で、加藤さんや田畑さんのサポートも手厚いです。新人の能力を持て余すようなことは絶対なくて、むしろガンガンやったら?っていう雰囲気ですね」

「まちづくりでアイドルグループをつくったっていいわけですし、ちゃんと企画の形に落とし込めれば、自分がやりたいことを仕事にできるなってすごく感じていて。まちづくりやイベントの根幹を学びながら、スキルを身につけられる環境だと思います」

イベントを通じてまちに顔見知りが増えたり、自分のやってみたいことに挑戦できたり。少しずつそんな体験を増やしていくことで、まちを自分の居場所だと感じられる人が増えていくのだと思います。

イベントという方法だからこそつくり出せる、まちのかたちがあるように思いました。

(2022/7/1取材 増田早紀)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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