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心地よい混沌で見つける
おいしい、楽しい、うれしい

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

ほしいものは決まっていないけれど、なぜか立ち寄りたくなる。

そんなお店がいくつかあります。

共通するのは、商品のおもしろさやお店の雰囲気、店員さんの人柄など、たくさんの魅力があること。

加えて、「ここに行けば、きっとなにかに出会える」という予感。

今回取材したGAIAは、そんないい予感が詰まったお店だと思いました。

GAIAは食料品や服飾、雑貨など、オーガニックの商品を中心に集めたセレクトショップ。東京・御茶ノ水と代々木上原にお店を構えています。

運営しているのは、株式会社がいあプロジェクト。

ほかにも神奈川・伊勢原での倉庫業や、オンラインショップでの販売もおこなっています。

今回募集するのは、お茶の水の店舗スタッフ。雑貨の販売を中心に担いながら、ECサイトの運用やSNS発信も手がけます。

“モア・ベター”という考えのもと、よりよい生活を送るために集められた、おいしく、楽しく、うれしい気持ちにさせてくれるGAIAの商品たち。

自分だったらこんな商品を、こんなふうにお客さんに届けてみたい。

そんな想像をふくらませながら、読んでみてください。



向かったのは、GAIAの本社兼倉庫がある神奈川・伊勢原。

小田急線の伊勢原駅からバスに揺られること、およそ20分。遠くに見えた山々が近くなってくる。

最寄りの停留所で降りると、待合所の裏手に広がる草原には数頭のヤギたちが。

ゆったり、のんびり。気持ちよさそう。

そのすぐそばに、GAIAの本社兼倉庫がある。

倉庫の入口で「こんにちは」と挨拶をすると、奥から元気に走ってきてくれたのが代表の佐々木さん。

倉庫の隣で運営しているカフェに移動して、話を聞くことに。

GAIAに入社したのは、2006年。

「特別オーガニックが好きってわけでもなかったんです。偶然、あるイベントでGAIAが発行している商品紹介の瓦版を見つけて。読んでいたら、周りの人がGAIAじゃん! って言っていて。私は、GAIAってなに? という感じでした(笑)」

もともと文章を書くことに興味があった佐々木さん。

勤めていた大手システム会社の仕事と並行しながら、外部スタッフとして瓦版の編集に携わることに。

しばらく経ったころ、お茶の水店のスタッフ募集を知る。

「本業を続けていても、結婚して子育てしながら仕事をする自分が想像できなかったんです。心地よい働き方をしたかったし、GAIAは規模がコンパクトで、どんな仕事も判断が早かった。そこもいいなと思って」

スタッフに名乗りを上げてシステム会社を退職し、がいあプロジェクトに入社。

当時、GAIAが運営していた書店のスタッフから始めることに。

「最初は、お客さまに『いらっしゃい!』って言うことに驚いて」

本屋さんで、ですか?

「そう。馴染みというか愛着というか、そういうものを感じてもらうために、いい『いらっしゃい!』を常に言い続けるのが大事だって、よく言われていて。だんだんと、それもいいなと思ったんですよね」

「あ、当時も今も『いらっしゃいませ』っていう人もいますよ。全然強要もしないし、みんな好きなように挨拶をしていると思います」

接客の仕方や、店舗での商品の並べ方など。GAIAにマニュアルはない。

あるのは、よりいいものを扱いたいという、“モア・ベター”の考え方。

そんなコンセプトのもとに商品を選んでいったら、丁寧につくられていて心意気が伝わるオーガニックのものが、自然と集まってきた。

「ECサイトには『おいしい、楽しい、うれしい』ってキャッチコピーを入れていて。そういう想いはあるけれど、『絶対こうじゃなきゃいけない』ということはうちの会社にはないんです」

「ただ、なんとなくみんなが思い描く、GAIA像があるんですよ。お客さんも、メーカーさんも、私たちも。言葉にするのはむずかしいけど、最後にたどり着く心地よさみたいなものは一緒で」

心地よさ、ですか。

「ずっと変わらない、お店が持つ素朴感みたいなものですかね。たくさんの商品がごちゃごちゃっとしているなかに、楽しさやワクワクが発見できる、というか。一般的なオーガニックショップとは、少し違うのかなって思います」

食品から日用品、衣類に寝具まで。

衣食住のあらゆるものが揃うGAIAの商品は、日替わりでどんどん変わっていく。

「お店で接客したとき、お客さんに『わ! 商品がいっぱいある! 宝探しみたい!』って言ってもらったことがあって」

「接客しているときはわからないけれど、うちのお店でなにかに出会ったことで、価値観や人生が変わるかもしれない。そんなことが起きてくれたらいいなと思っています」

宝探しのようにワクワクできて、見つけたものが暮らしをより豊かにしてくれる。

話を聞いていると、どんなお店なのかどんどん気になってくる。

「心地いい環境で働きたいとか、いろんな仕事を楽しみたいとか。そんな人にとっては、うちの会社は楽しいと思うんです」

佐々木さんも、本屋のスタッフ、ネットショップの運営、卸に関わる物流システムなど、あらゆる仕事を担ってきた。

前任の清水さんから代表を引き継いだのは、2020年。

いろんなことに取り組んできた先に、代表にまでなってしまうなんてすごいですね。

「私、そんなにこだわりがないんですよ。経験がないことでも、しょうがない、やってみるか! ってなるタイプで(笑)」

今回新しく入る人も、雑貨の販売に加えて、ECサイトの運営やSNSの発信、ときには食品フロアに入ることもある。

佐々木さんのように、いろんなことを前向きに楽しめる人がいいと思う。

「変化球がバンバン来るんですよ。店舗にいるときも、人が来ない時間帯ってあるじゃないですか。そこでなにができるかも大事で」

「たとえば、雨で人が来ないなら、明日の晴れに向けて掃除しまくろうって切り替えるとか。その日の売り上げが低かったとしても、お店が綺麗になって、次につながったらいいですよね」

佐々木さんは、どんな人と一緒に働きたいですか。

「小さなことに喜びを感じたり、GAIAでいいものと出会って、またお店に足を運んでくれる人が増えるような発信をしてくれたりする人。そういう人がうちの会社には多いし、合っているんじゃないかなと思います」

オフィスビルに囲まれたなかにある、GAIAのお茶の水店。

「30年の年月をかけて、みんながつくり上げてきた空気感があると思うんです」

「でも長く働いているから、私はもうGAIAの雰囲気は当たり前になっていて。初めて行く人だから感じられる空気感を、このあとぜひ体感してみてください」



佐々木さんにお礼を言って、伊勢原をあとに。東京・御茶ノ水へ向かう。

東京メトロの新御茶ノ水駅から歩いてすぐの場所。大きなオフィスビルの合間に、GAIAのお茶の水店を見つけた。

店先に並んでいるのは、果物、野菜、服、カバン、石鹸などなど…。

入り口だけでいろんな商品があるなぁ。

通りすがりに足を止めて商品を見る人がいたり、「またあとで見に来よう」なんて声が聞こえてきたり。

店内からほどよい音量で歩道に漏れてくるのは、陽気な音楽。

「音楽が好きで、気分を上げるために流しているんですよ」

そう話すのは、お茶の水店・店長の井上さん。

入社以来このお店で働いていて、12年目になる方。写真が苦手ということで、遠目から仕事中の姿を撮らせてもらった。

「最初のころは、商品の知識も全然なくて。小松菜とほうれん草の見分けもつかないくらいでした(笑)。今もお客さんやスタッフに助けられています」

話をしながら、早速店内を案内してもらう。

1階は食品のフロア。野菜に調味料、豆腐やパンなど、あらゆる食品が所狭しと並んでいる。

商品のそばにある手書きのポップには、スタッフさんの一言コメントが散りばめられていて、読んでいるだけでも楽しい。

続いて階段を上がり、今回新しく入る人が主に働くことになる、2階の雑貨フロアへ。

今回新しく入る人は、主に雑貨フロアで働くことになる。

足を踏み入れてすぐ目に入るのは、壁沿いに並ぶスキンケア用品、洗剤、衣類、紅茶、お菓子、そして本。

「選び抜いた商品ばかりなんですけど、もう本当にぎゅうぎゅうで」

コンパクトな空間にこれだけ商品が詰まっているのが驚き。混沌としているけれど、不思議とその雑多さが心地いい。

「この生地、触ってみてください。気持ちいいですよ」

そう紹介されたのは、メイド・イン・アースというメーカーの衣類。ほかにも、タオルや寝具、洗剤など、いろんな商品が並んでいる。

「綿の栽培から製造工程まで“天然”であることを大切につくられていて。デリケートな肌の方も安心して使えるんです」

古くから付き合いのあるメーカーで、最近は月に一度、メーカーのスタッフさんをお店に招いて、お客さんと直接話す機会を設けている。

「スタッフさんのお話は、知識と製品への愛がすごく伝わってきて、私たちも勉強になります。つくり手の顔が見えると、お客さまの満足感も大きいと思うんです」

さまざまなつくり手から、たくさんの商品が集まってくるがいあ。

それぞれにスポットライトを当てるために、大切にしているのがイベントの企画。この日は、インド製布ナプキンのポップアップが開かれていた。

毎日、いろんなものや人が出たり入ったりしているんですね。

「たまにお客さまから『GAIAのカレンダーを見て今月の予定を立てるんです』と言われることもあって。そこまで生活に密着していると思うと、こちらももっと楽しませなきゃなと思います」

お気に入りの商品をたずねると、井上さんはいきいきとした表情で魅力を教えてくれる。

「たとえば、この『アレッポの石鹸』はシリアでつくられているもので。以前、輸入している会社の代表の方にお話を聞いたことがあるんです」

内戦による空爆で工場が壊れてしまったり、地震があったり。

過酷な環境下でも、石鹸をつくり続けて生活している人がいることを井上さんは知った。

「お話を聞いて、この石鹸を自分の日常にすることで関わっていきたいと思って。私の場合、商品そのものよりも、商品の周りの人や物語に共鳴している気がします」

新しく入る人も、まずはGAIAで好きなものを見つけることから始めてみるといいと思う。

「その日の天気や気温によって、今日売りたいものを自分たちで決めています。梅雨に入って洗濯物の生乾き臭が気になるから、植物性のいい香りの洗剤やスプレーを置こうか、とか」

「お客さんを想像して、その人がほしいと思うような商品を目立つように置いたりもしますね。みんなの関わり合いで成り立っているお店だなと思います」

今日訪れても、明日また来たら、別の新しい発見がある。

「何度でも行きたくなるお店に、だんだんなりつつあるんです」と、井上さんは話していた。

これからGAIAでやってみたいことはありますか。

「これから… うーん、なんでしょうね。ビルの合間にこんなお店があるって、かっこいいと思うんです」

「これを続けていきたいし、よりいいお店にしていきたいですね」



“これ”を続けたい。

きっと一言では言い表せないけれど、お店を見て少しわかったような気がしました。

自分次第でいくらでも可能性を広げていきながら、楽しむことができる仕事だと思います。

(2023/5/12 取材 小河彩菜)

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