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住んでいる部屋の床一面が変わったらどうなるだろう。
多種多様な色や柄、質感があるカーペットを敷く。空間の印象はガラリと変わるので、想像が膨らんで楽しい。
「足は常に床と触れています。見た目だけでなく、感触も楽しむことができるのが、床材の魅力です」
Oshima Pros代表の大島亜季子さんの言葉が印象的でした。
Oshima Prosは、欧米でつくられる上質かつサステナブルな床材を、輸入販売している会社。
オフィスやホテル、商業施設から個人宅まで。それぞれのインテリアに合わせて、デザイン性の高いカーペットや床材を提案しています。
実際に見て、触れて、感動したものだけを扱う。Oshima Prosに根づいているのは、創業時から変わらない想い。
今回は、事務部門とセールスのスタッフをそれぞれ募集します。
扱う商品に自信を持って提案ができるから、お客さんにも安心して使っていただける。そんな健全な循環がある仕事だと思います。
JR目黒駅を降りて、勾配のある坂道をゆっくりと下りる。
目黒川にかかる目黒新橋を渡ると、桜並木が続いている。春には桜まつりが開催され、多くの観光客が訪れる。
川沿いを歩いた先の静かな住宅街の一角に、Oshima Prosのショールーム兼オフィスを見つけた。
壁一面に床材が飾られ、まるで美術館のよう。
大きなテーブルを囲み、最初に話を聞いたのは代表の大島さん。
1987年に創業したOshima Pros。大島さんが創業者のお父さんから引き継いで、今年で8年になる。
「ここ数年のコロナ禍を経て、どうやって働き、生きるのがよいのか、私自身よく考えました。Oshima Prosも、働き方や環境について試行錯誤していて、4月にショールームの床を新しいカーペットに張り替えました。思っていた以上に雰囲気も変わって、過ごしやすいです」
スタッフ8人、猫1匹を加えて計9名の現体制。自分たちが扱う床材を、身をもって空間に取り入れることで、商品に対する自信もより高まっているそう。
「お客さまにも、私たちの扱う床材を選んでよかったと言っていただけることがあります。色や質感の選択肢が豊富で、なにより環境にやさしいことを評価いただき、新しい案件でお問い合わせいただく機会も増えています」
たとえば、デンマークのブランド“Ege Carpets”は、とくに環境面に力を入れているブランド。
多くの製品でリサイクル素材を100%使用。また工場では、製造工程で発生する熱エネルギーを周辺の民家に暖房として供給するなど、環境に配慮したさまざまな取り組みをしている。
商品の美しさや機能だけでなく、ものづくりの背景まで知り、共感する。だからこそ、扱う商品はどれも自信をもっておすすめすることができる。
「私たちの仕事は、生活を豊かにする選択肢を増やすことだと思っています」
「空間も、そこで生活する人も多種多様です。Oshima Prosには、ここにしかない色やパターンの床材があります。お客さまに合わせたご提案をできればと考えています」
音楽のようなものかもしれません、と大島さん。
「誰にでも必要ではないけれど、好きな人にとってはかけがえのないもの。だからこそ、新しい出会いがあるとわくわくするし、誰かと共有して、分かち合えたときはうれしいです」
今回募集する、事務とセールス。それぞれの日々の仕事のお話を聞く。事務部門の責任者を担うのが、荻島さん。
留学を経験し、英語を活かせる仕事に就きたいという思いから、Oshima Prosに入社。大島さんと二人三脚で東京事務所を育ててきた。
「セールスが主導するプロジェクトの、受注から納品までをサポートしています。仕入れ先は海外ブランドなので、発注から納期調整まで英語でやりとりをして、国内へ仕入れて納品までを手配をする仕事です」
Oshima Prosの仕事は、セールスと事務が連携して進めていく。
まずはセールスがクライアントに提案するところからはじまり、プロジェクト全体の舵取りをする。このとき、事務部門がサンプルの取り寄せや見積りの作成など、裏方としてセールスのサポートを行う。
受注後は事務部門がメインとなり、海外ブランドや国内の倉庫と連携しながら、納期に合うよう床材を手配する。
「セールスから引き継いだあと、海外ブランドとの製造打ち合わせや、在庫確認、納期調整を行います。その後日本国内へ仕入れるために、通関手続きをフォワーダー業者へ依頼します」
書類作成と細かなコミュニケーションを重ねながら、商品がきちんと納まるまでの一連の流れが滞りなく進むよう整える重要な仕事。
仕入れ先の海外ブランドとの窓口になるため、英語力は必須。
また製造モニタリングや、納期のコントロールを行ううえでは、正確な情報管理が欠かせない。情報を適切に把握し、伝達する能力が必要となる。
「専門的な仕事に思えますが、貿易に関する事務経験は不要です。マニュアルも整っていて、丁寧に教えていくので、安心してください」
「ただ、社内社外を問わずたくさんの方々と連携をとっていく仕事です。チーム全体で、お客様に合わせたご提案をしていくことが大切になるかと思います」
それぞれのチームが連携しながら、パズルのピースを一つひとつはめていくような感覚だと話す、荻島さん。
「だからこそご提案から納品まで、全体を通してスムーズに進んだときは、すべてのピースがうまくはまったようで、すごく気持ちがいいです」
「事務の仕事は、ご提案から納品まですべての場面に携わります。ですので、納品した床材が敷きこまれた空間を見たときは、本当にうれしい気持ちになるんですよ」
話がだんだんと熱を帯びてくると、サンプルを取り出して見せてくれた。
「これは、私の推しカーペットです。ギュッと目が詰まった厚いパイルに、マットな質感。色も絶妙なラインナップ。それでいて、納期も比較的短く、価格も抑えられています。もちろん、環境面の配慮もしています」
「もっとたくさんの人に知ってほしいし、いろいろな場所で使っていただきたいです。そのために、これからも製造ブランドとよい関係性を築いくことが重要です」
事務部門は、取引先のブランドにとってはOshima Prosの顔となる。
ブランドとの関係性は日々のちょっとしたやり取りで大きく変わっていく。お互いに気持ちよく仕事ができるよう、丁寧なコミュニケーションが大切になる。
「私たちは裏方でもあり、プロジェクトの中心になることもあります。床材のよさを伝えるために、海外ブランドと日本のお客さまの橋渡しとなる存在です」
次に話を聞いたのは、セールスチームの大野さん。日本仕事百貨の記事をきっかけに、5年前に新卒で入社した。
「心からよいと思うものを扱うという会社の考えが、素直に素敵だなと思って入社しました。そのときの気持ちは今も変わっていません」
「Oshima Prosは床材に特化しているので、私たちは深い専門性を持って商品のことを伝えられますし、常にプロフェッショナルの意識で働いています」
セールスの仕事は、空間の設計者やデザイナーからの問い合わせをきっかけにはじまる。
まずはつくりたい空間のイメージ、スケジュールや予算などをしっかりとヒアリング。カタログやたくさんのサンプルを実際に見て打ち合わせを重ね、最適な床材を納品するまで責任を持って伴走する。
「お客さまの望む商品をさがすときに、条件が合うものの提案はもちろんですが、色やデザイン、価格帯、納期の長さなどいろいろな組み合わせを用意して、お客さまが納得して選んでいただける選択肢を提案するよう心がけています」
「試行錯誤しながら考えたご提案が、お客さまに『これがいいです』と言っていただいたときは、やった!と気分が上がりますね」
Oshima Prosではオフィスやホテル、商業施設、住宅、病院や公共施設など、幅広い空間に合わせた床材を販売している。
それぞれの空間に最適な床材をどう見極めているんでしょうか?
「まず、法律などの守るべき基準を確認します。オフィスや店舗などの商業空間は防炎素材の認定が必要ですが、住宅では不要となるケースがあったりと、細かな違いがあります」
「具体的にどのような場所で使用されるのかは、なにより大切です。廊下など歩行の多いスペースは、適度な堅さで足に負担のかかりにくいカーペット。リラックスするための部屋は、落ち着きのある色やデザインのものなど、シーンに合わせてご提案をしていきます」
人やものが、どんなふうに床へ触れるのかを想像する。そのうえで最適な床材を紹介する仕事なので、まずは相手のことを知りたいと興味を持てる人が向いていると思う。
今年、セールスチームに新しいスタッフが入社し、先輩として教えていく立場となった大野さん。日々サンプルやカタログを見ながら、社内で勉強をしているそう。
「一緒に働く仲間も増えたので、いいお手本になれるようもっと商品について勉強していきたいです。忙しいなかでもインプットを忘れず、お客さまがより満足できるような幅広い提案ができるようになりたいです」
大野さんは、どんな人と一緒に働きたいですか?
「私たちの扱うブランドは、色やデザインといったパッと見てわかる魅力を持つだけではなく、環境に配慮した取り組みもとても熱心に行っています。そういったものづくりの背景にまで共感いただける人であればとてもうれしいです」
買いたいものを選ぶとき、商品そのものの価値はもちろん、それを伝えてくれる人たちの純粋で素直な動機に強く惹かれることがあります。
自分たちが扱う商品が好きだから、よさを伝えていきたい。
Oshima Prosのみなさんは、そんな想いにあふれた人たちです。
(2023/07/27 取材 田辺宏太)