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キチっと納める
世界にひとつだけの家具

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「僕らがつくったものが形に残って、この先10年20年と使い続けられるんですよね。ものをつくる責任と、つくり上げた自負心を持つことが仕事への意気込みになっています」

ニシザキ工芸は特注家具をつくる会社。

塗装の技術を強みに、一つひとつオーダーに応えていくものづくりは、仕上げまできめ細やか。まさに職人の腕が試されます。

今回は設計から納品まで、クライアントの要望を形にしていくプロダクトマネージャーを募集します。

経験がなくても大丈夫。

ものづくりや家具の世界に興味があって、コツコツと取り組むことが好きな人にはぴったりだと思います。

 

江東区・清澄白河。

日本仕事百貨のオフィスもあるこのまちには、昔からあるお寺が多く、最近ではカフェやいろいろな国のご飯屋さんも並んでいる。

駅から5分ほど歩くと風になびく紺色の暖簾が。

入り口のそばにある部屋から代表の西崎さんが、にこやかに迎えてくれた。

中に案内してもらい、さっそく話を聞く。

「僕らの家具づくりは高度な技術が必要とされていて。お客さまもご依頼の内容も毎回違うんですよね」

「ほかの会社でも同じものをつくれるんだけど、出来上がったものが細部まで突き詰められているか、お客さまの要望を超えるものができているか。それがうちが選ばれている理由だと思います」

大きな利益よりも目の前の声を丁寧に形にする、その心意気は昔から変わらない。

ニシザキ工芸は西崎さんのお祖父さんが江戸指物(さしもの)という職人だったことからはじまった会社。

ちゃぶ台や火鉢など、当時必要とされていた和家具をつくっていた。

「父の代では、洋風の文化が一般的になってきたので、婚礼家具をつくりはじめました。ただ、私の代になるとき、ちょうど自分も結婚することになって。婚礼家具の時代じゃないなって思ったんです」

「クローゼットとか収納ケースでいいんじゃないかって、世の中もそうなりはじめていたんです。そこから方向性を変えようと話し合って、今のオーダーメイドの家具づくりをはじめました」

創業からつくるものや方向性を見直し続けてきた。伝統を変えていくことに不安はなかったのだろうか。

「私自身、婚礼家具そのものに魅力はあまり感じなくて。親父がつくってきたんだけど、それよりも今、お客さまが必要としているものをつくる方がいい。そのほうがつくる私たちも楽しいって思ったんです」

「伝統がなくなるというより、代々の“背骨”を残したい、という気持ちが強くて」

背骨、ですか。

「手がけたものが形になってお客さんに喜んでもらえる。そしてそれが10年20年と使い続けられる。そういったものをつくる責任感と、つくりあげた自負が、仕事への意気込みになっています」

「使い続けられる家具をつくるには、要望を汲み取ることが大切で。聞く力と察する力、あと加える力は必要だと思います」

たとえば、お客さまから細い足のテーブルをつくってほしいという要望があったとき。

デザイン通りにつくると強度が弱くなることがあるため、見えないところに補強を入れたり、違う素材を使ったりなど、工夫をする必要がある。

「オーダーメイドの家具は、世界にたったひとつ。つくるのは一発勝負なんです」

一発勝負を満足のいくものにするためには、要望を聞くだけではなく、デザイナーや設計士と事細かに話し合い、どんなふうに形にしていくか、イメージを共有しなければならない。

「エンドユーザーさんとのやりとりもあるけど、間に入っている設計士さんやデザイナーさんと話す機会の方が多いです。エンドユーザーさんの思いに加えて、プロの美的センスとか、機能的なデザインとか、チャレンジングな提案もある。それらをすり合わせて形にしていくんです」

雑誌に取り上げられたニシザキ工芸の商品を見て、感動して入社した人もいる。

会社が100年も続いてきたのは、ブレない思いが人の心を打つからだろうな。

「製品はつくり手の顔みたいなもので、能力を磨いていかないと向上していかない。なので、現場に入って仕事を覚えながら自分を磨きつづけてほしいですね」

 

続いて話を聞いたのは、入社6年半、プロダクトマネージャーを務める柴さん。

大学在学中にインターネット物販の会社を友人と起業。2年ほど続けたあと、日本仕事百貨の記事を見てニシザキ工芸に入社した。

業界も職種も違うのに、転職を決めたのはなぜだろう。

「起業した会社では、日本の製品を海外に売ったり、海外の製品を取り寄せて日本で売ったりしていました。ただ、自分でつくっていない製品なので思い入れがなくて。右から左に流しているだけのようで、やりがいを感じなくなってしまったんです」

製品をつくる側になりたい。その想いが強くなり、辞めることを決意。

「新しくチャレンジしようと転職先を探していたんですけど、ものをつくるって技術とか経験が必要だという先入観があって」

「ニシザキ工芸の記事を見つけたとき、企画から家具の納まりまで携わることができるのを知って。経験がなくても、ものづくりに携われるんだって、応募しました」

入社してみて、どうでしたか?

「家具って、衣食住の住で。人生で取っ替え引っ替えするものではない。ずっと使ってもらえるものをつくれることはうれしいです」

「最初は上司について、自社で製作した家具を現場で取り付ける手伝いをしていました。3年くらい経って、はじめてデザインや設計の打ち合わせから、納めるまで一人で担当することができたんです」

印象に残っていると話してくれたのは、マンションの住居に納める家具。収納棚やTVボードなど、数も種類も多い。加えて、依頼をくれたのは普段はあまり関わることはない海外の設計事務所だった。

「要望が書かれた書類や図面が英語なので、まずはそれを読み解くところから。1ミリ単位の寸法で納まりを検討する必要があるので、実際に現場で取り付けようとしたら、うまく寸法が合わないこともありました」

「あと、扉の突板(つきいた)にはすごくこだわっていて。木目のバランスとか納品したときにきれいに見えるかとか、細かく気を遣っています」

突板とは天然の木を薄くスライスしたもので、デザイン性を高めるために貼り付けて使用される。

突板には、同じ樹種でもいろんな表情の木目がある。どの突板のどの部分使うか、そしてどのように貼っていくか。柴さんはよりきれいに見えるバランスにこだわって突板を組み合わせた。

「先日、同じ住居で別の仕事があったので久しぶりに見る機会があって。時間が経っても使われているのは、やっぱりうれしかったです。いい仕事したなって」

細かいことにも気遣える人が向いていそうですね。

「そうですね。あと、変化を好む人とか、肝が据わっている人がいいなと思います。最近、会社も体制が変わりつつあって。以前は西崎社長が、依頼された案件を最初に見定めてくれていたんですが、今は僕たち自身で判断するように変わりました」

「ある意味、会社として新しい時代に入っているのかなと。今スタッフで話しているのは、自分たちの強みである『塗装』の仕事をもっと打ち出していこうということで。そうなると求められるレベルも高くなるので、それに技術で応えることができるように、腕もメンタルも向上しないといけないと思っています」

 

「自分の想像していたものが、想像通りに工期内にピッタリ納められる。その感覚が楽しめる人がいいかもしれませんね」

そう話すのは、入社29年目の野田さん。

大学生のころ、偶然見つけたニシザキ工芸の短期アルバイト募集。2週間ほど特注家具の搬入や取り付けを体験したそう。卒業と同時に声をかけてもらい、入社した。

「今も昔も、会社の姿勢は変わらない。ニシザキ工芸で取り扱うものはカタログに載っているものではないし、特注でご依頼が来る。最近は特注家具の会社も減ってきて、職人さんも高齢化とか人員不足というのが現状なんです」

「うちへご依頼が集中していることも感じるし、仕事量も増えていて、大変に感じることはありますね」

最近印象に残っている、と話してくれたのは、特殊な階段を手がけたときのこと。

ご依頼は、別荘に階段を取り付けてほしいというものだった。建物のほかの内装の工事も進めながらの作業になるため、スピードと正確さが求められる。

「お施主さんは画家の方で、階段のイメージを絵に描いていただいていました。通常の階段とは違って、上から細い棒で吊るされて、段もあいだが透けているようなデザインで」

「それを外注の設計士さんに図面化してもらって、どんな素材を使うのか、デザインと耐震性も担保するにはどうすればいいか、相談しながら進めていきました」

現場では、どんなふうに仕上げてほしいのか、現場の職人さんにイメージを正確に伝えるためのコミュニケーションも欠かせない。

「現場のルールみたいなのはありますね。職人さんたちへきちんと挨拶するとか、基本的なこと。現場の雰囲気は堅くはなくて、職人さんたちも面倒見がいいと思いますよ」

今回来てくれる人は、まず現場に足を運んで先輩の仕事を見ることからはじめることになる。どんなやりとりをしているのか雰囲気を体感しつつ、実際に棚など簡単にできる取り付け作業も一緒にやっていくことになる。

現場に行くことが多いときなどは、社内でも直接コミュニケーションを交わすことが難しいときがある。

そこで、一日のスケジュールと、その日にできたこと、感じたことなどを記入する日報をオンライン上で共有しているそう。全員が日報を見ることができるため、ほかの人がどんな仕事をしているのかも把握できる。

悩みやうまくいかなかったことを赤裸々に書く人もいれば、困っていることを書いた日報を見て手助けをしてくれた人に感謝するコメントも。代表の西崎さんは毎日、全員分の日報に目を通してひとこと添えているそう。

クライアントやデザイナー、設計士、そして社内みんなの声も取りこぼさない。ニシザキ工芸の“ものづくり”には、こだわりだけではなく、思いやりもあるように感じる。

野田さんが、29年もこの仕事をしているのはなぜでしょう。

「あんまり深く考えたことないですね(笑)。この10分後には、頭を切り替えてすぐに仕事をしているんだろうな」

「野田さんに担当をお願いしたいってご依頼も多いんです」と柴さん。

「まあ、ずっと続けてきたから。一番はスケジュール内に終わらせること。図面化されたものをきっちりで納めるのが基本であり、一番大切なことだと思っています」

 

一つひとつを丁寧に、この先ずっと使い続けられる家具をつくる。

その魅力に惹かれたなら、ぜひ暖簾をくぐってみてください。

(2023/03/20,7/18 取材 大津恵理子)

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