美しいものにふれると、自然と心が動く。
繰り返し聴いてしまう音楽、美術館に並ぶアート、丁寧につくられたプロダクト。
「なんとなくいいな」というビビっとした感覚を、少しずつストックしていく。たくさんの良いものを見て、なぜ惹かれるのかを言葉にしてみる。
日々の暮らしのなかでそうやって選ぶ練習を繰り返すうち、自分の中にある基準のようなものが、形づくられていく気がします。
働きながら、そんなふうに感性を磨いていける環境が、Oshima Pros(オーシマプロス)にはあります。

Oshima Prosは、ヨーロッパを中心とした海外から、上質で環境に配慮された床材を輸入し、販売している会社。
扱うのは、色鮮やかな模様が描かれたものや、複雑な織りで自然を表現したものなど、いわゆるカーペットの概念を覆すようなプロダクトばかり。
今回は、そんなOshima Prosで床材の提案を担うセールスのスタッフを募集します。自分の手ざわりを大切に、足元から、空間の空気をつくる仕事です。
目黒にあるOshima Prosのショールームに足を踏み入れると、天井には透明な鐘のような照明が並び、壁には大きな床材がいくつも飾られている。

色鮮やかなものから、でこぼこしたもの、毛足の長いものまで。この空間を訪れると、いつも新鮮な驚きがある。
迎えてくれたのは、代表の大島さん。前回の取材からおよそ2年ぶり。
最近の会社の様子を尋ねると、問い合わせの数が増えてきていると教えてくれた。

「これまでは、ホテルや結婚式場など、特別な場所で使っていただくことが多かったんです。最近は、一般的なオフィスでも、エントランスなど一部だけでも使いたいという声が多くて。床材が持つインパクトみたいなものが、少しずつ広く伝わってきたのかなと思います」
1987年の創業からもうすぐ40年。デザイン性の高さはもちろん、環境にも配慮してつくられた欧米のインポート床材を長く取り扱ってきた。
デンマークのブランド「ege(エゲ)」の新作を紹介してもらう。
「これは “青写真”という古典的な写真技法がモチーフになっています」
深く、鮮やかな色が目を引く。

青写真は、コピー機がなかった時代に図面の複製などに使われていた技術。特殊な薬品を塗った紙に、花などを置いて紫外線を当てると、化学反応で紙が青く染まり、シルエットだけが白く浮かび上がるというもの。
草花を日光で写しとる手仕事のプロセスから生まれたという柄も、なんだか温かみがある。
手をかざし、ふれてみる。
一般的なふわふわとしたカーペットとは違い、平織りならではの確かな密度。素材にはリサイクルナイロンが使われていて強度があり、環境への配慮も欠かさない。
見た目の美しさだけでなく、背景にある哲学やつくり手の思いを知るほど、誰かに伝えたくなる。

まだあまり知られていないものを、みんなに知ってほしい。大島さんの話の根っこには、毎回そんなピュアな想いがある気がする。
「カーペットは、直接肌にふれるもの。硬いものもあれば、柔らかいものもある。きれいな色の床にふれていると、気持ち的にも楽しくなったりするんですよ」
そんな思いを伝えるために、オーシマプロスでは少し変わったアプローチで床材の魅力を発信している。
たとえば、アーティストに声をかけて独自のプレイリストを公開したり、ショールームにDJブースが置かれていたり。すぐ近くには、音楽を楽しめるワークスペース「Ambi」もあって、ときどき音楽イベントを主催したりもする。
さらにこの秋には、野外音楽フェス“FFKT”に自分たちの床材を持ち込んで、リスニングルームを出展する予定だという。今年はプロダクトデザイナーの角田陽太さんに、空間を仕切るパネルデザインを依頼しているそう。

「ただ同じことをするだけだと、私自身もつまらないし、働いているスタッフも夢中になれないと思うんです。どうしたらお客さまに楽しんでもらえるか、好奇心を持って取り組めるかを日々考えていて」
「ゆったりとした音楽を聴きたいとき、どんな床があったら心地よいだろう? とか。そんなふうに、楽しみながら好きなものを共有しているうちに、結果として新しいつながりが生まれ、床材を知ってもらえる機会も自然と増えていきましたね」
話に耳を傾けていると、ミーティングを終えたセールススタッフたちが続々とショールームに集まってきた。

マネージャーの大西さんをはじめ、これまでの記事に登場してくれた大野さんや永樂(えいらく)さんの姿も。
新しく加わる人にとっても、数年先を行く先輩たちがすぐそばにいる環境は、とても心強いと思う。
セールスの仕事は、設計士やデザイナーから問い合わせをもらうところからはじまる。空間の用途や予算、スケジュールなどの要望を聞きながら、いくつもあるブランドのなかから最適な床材を見繕って提案していく。
大西さんは、アパレル業界から転職して10年ほどが経つ。

「案件によってスピード感はさまざまです。数ヶ月のものもあれば、数年単位のプロジェクトになることもあって。平均すると、提案から受注まで1年くらいかかる案件が多いですね」
オフィスやホテル、商業施設。ときには個人邸宅まで、床材が使われる空間も幅広い。エントランスや重役スペースなど、企業の顔となる場所にポイントとして使われることもあれば、1000平米を超えるような広い空間に敷き詰められることもある。
「最近だと、オフィスの案件でグラデーションになるカーペットを提案しました」
「あらかじめ色味は決まっていたので、グラデーションの幅をどうするか、どの位置から色を変化させていくか。営業サポートのスタッフやチームのみんなと相談しながら、資料をつくって提案させてもらって。それが受注につながったんです」

華やかに見える裏側には、意外と体力勝負な一面も。
提案の際は、いくつものサンプルをカバンに詰めてクライアントの事務所を訪問する。1日の大半を外出して過ごすことも多く、ずっしりと重い床材を肩にかけて持ち運ぶことも少なくない。
ときには、膨大な数の品番を管理し、細かな確認作業に神経を使うこともある。
「扱っている商材が多いので、とにかく品番が細かいんです。何桁もある品番を一桁間違えるだけで、まったく違うものになってしまう。特注の案件になれば、色味や柄の大きさ、位置の調整など、さらに確認事項が増えます」
それでも大西さんが10年にわたってこの仕事を続けてこられたのは、どうしてでしょう。
「一番は、自分たちが自信を持っておすすめできるものを扱っていることですね。代表が納得したものしか置かないので、私たちも安心してご提案できるんです」
「あとは、できあがった空間を見たとき。ずっと平面の図面で見ていたものが、実際に納品されて、家具が置かれて人が歩いているのを見たとき、空間としてうまくはまったなあって。それが次のモチベーションにも繋がっています」

もうひとつ、大西さんが楽しそうに話してくれたのが、関わる人たちの存在。
「お客さまであるデザイナーさんたちは、デザインに対してストイックで、皆さんこだわりを持っていらっしゃいます。そういう方たちとお話しするのは、すごく勉強になりますし、映画や音楽など、仕事以外の話で盛り上がるのも楽しくて」
美しいもの、環境に配慮されたものを、自らの手でたしかに選び取る人たち。
そんな人たちとの日々のやりとりのなかで、自分自身の感覚も少しずつ磨かれていくのだと思う。
「新しく入る方には、完璧にやろうとするよりも、わからないことがあったらすぐに周りに相談できるような、素直な方にきてもらえるとうれしいですね。私たちも、相談しやすい環境をつくるよう心がけているので」
「彼も、最初はお客様に会うときには緊張していましたが、今では、人との出会いを楽しんでいるように見えるし、新しい知識にも貪欲で、とても頼りになっています」
そう紹介してくれたのが、前回の求人記事をきっかけに、入社して1年半になる中瀬さん。前職は物流業界で、海外輸出の手配などを担当していた。

「以前の仕事は、いかに早く、安く運べるかが大切にされる世界でした。それは社会にとってすごく重要なことなんですけど、自身はもう少し、時間をかけて商品の良さを見てもらうような提案がしたいなと、少しもやもやしていたところがあったんです」
「Oshima Prosが扱っている床材は、価格もそれなりにするし、海外から取り寄せるので時間もかかります。でもそのぶん、デザインや素材の質感をちゃんと見て、納得して選んでもらえる。それがすごく楽しいですね」
入社してしばらくは、先輩の商談に同行したり、資料を見ながら商品やメーカーについて学んだり。そのあとは、実践を重ねていった中瀬さん。
中瀬さんに、とくに思い入れのある床材について聞いてみる。
「そうですね…」と少し考えて教えてくれたのは、「OBJECT CARPET」というブランドのカーペット。
サンプルを見せてもらうと、毛足が長くてふわっとした質感。

「見た目だけじゃなくて、触っているだけで気持ちよくて、普通に自分の家にも敷きたくなるくらい(笑)」
「カーペットと一口に言っても、本当にいろんなものがあるんです」と、いろいろと取り出して紹介してくれる。
海に捨てられた漁網やペットボトルをリサイクルした素材が使われていたり、メーカーによっては、カーペットをつくるときに出た熱を、地域の暖房として再利用していたりもしている。
「見た目や肌触りの良さだけでなく、環境配慮や工場での誠実なものづくりの背景も含めて、心からいいと思えるものを提案できるのは、すごく気持ちがいいですね」

日々の営業活動だけでなく、仕事の枠を超えた体験も嬉しそうに話してくれる。
「納品された空間を見るために沖縄へ行ったり、今年の秋には、メーカーの工場見学ツアーに同行してデンマークに出張する予定なんです。あとは、代表が音楽好きということもあって、野外フェスに自社のカーペットを持ち込んで空間をつくったり。いろんな場面で面白さを感じられる環境だと思います」
自分自身の感性が、日々のたよりになるはずです。
まずは、ショールームでも、さまざまな場所にあるOshima Prosの床材にふれてみてください。色鮮やかなカーペットを前にしたとき、きっと、理屈ではない何かが伝わってくると思います。