平城宮跡を中庭に
「新大宮・大和西大寺」
平城宮跡はいい 
1300年前に日本の首都「平城京」があった奈良。10万人が住んだ120ヘクタールの土地は、再開発されることなく残されている。名前を、平城宮跡(へいじょうきゅうせき)という。
高いところから眺めると、ドーナツの穴のよう。本来、経済最優先で発展するまちの中心にある余白は、奈良独自のゆたかさのランドマークともいえそう。
平城宮跡は、訪れる人次第で公園にも、スタジオにも、音楽室にも、オフィスにもなる。犬の散歩をする人、ヨガをする人、トロンボーンを吹く人、映画を撮る人、パソコンをひらく人、走りまわる子ども。そこにいる一人ひとりが自分に還り、おのおのに過ごしている風景に身を置くと、まったく新しい発想が浮かんできそう。
平城宮跡はいいです。
平城宮跡のいいオフィス
いいオフィスを知ると、まちが見えてくる。奈良の企業をめぐる探訪記です。
右は京都、左は大阪。 大和西大寺
平城宮跡から徒歩5分ほどの近鉄・大和西大寺(やまとさいだいじ)駅。一日に10万人が利用する奈良最大のターミナル駅でもある。
京阪神への移動も視野に入れつつ、関西のベースキャンプを奈良にかまえたい人には、うってつけのエリア。
特急電車を利用すると、京都まで30分。大阪難波へは29分、神戸三宮行きの直通も運行している。
2022年にリニューアルした駅は、ショッピングモール併設。いそぎの出張で奈良土産が必要なときにも助けられる。仕事帰りには、飲食店で「奈良醸造」のビールや地酒も楽しめる。
ターミナル駅特有の“人ごみ感”がないのもうれしい。お茶をするおばあちゃんも、お酒を飲むビジネスマンも、学生も、みんなでにぎわいを育てている感じがある。
北口には人工芝の広場があり、10代のたまり場に。広場から接続する商業施設「ならファミリー」は多世代が行きかう奈良市民の心のよりどころとなっている。生活空間(Living)と、実験室(Lab)をかけ合わせた“リビングラボ”という言葉があるけれど、まさに奈良は生活と企業の共存から、新しい仕事が生まれうるまちだと思う。
2024年には、南口に奈良商工会議所会館が移転。ジェトロ奈良もオフィスをかまえるなど、駅周辺の再開発も進んでいる。
あきないあつまる新大宮
続いて、奈良市役所やハローワークなどの最寄駅である近鉄・新大宮(しんおおみや)駅。
東京からは見えにくいけれど、奈良で働き暮らすと接点の増えるエリア。
ここ数年、大規模開発が行われている。2020年には蔦屋書店併設の奈良県コンベンションセンターとJWマリオット・ホテル奈良がオープン。2025年には奈良最大の地銀「南都銀行」の新本社ビルが竣工予定。ぞくぞくと商業が集積している。
平城宮跡のいい物件
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(編集 大越はじめ 撮影 奥田しゅんじ)