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心地よい暮らしを
上質なヨーロッパリネンと

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「日本って麻に特別なイメージがあると思うんです。夏のものとか、すごく高級そうとか。ただヨーロッパではリネンはもっと日常的なもの。洗えば洗うほど柔らかくなって、人間が心地よいと感じられる繊維なんですよ」

そう話すのは、麻平(あさへい)代表の夏目さん。

麻平はテーブルクロスやベッドリネンなどのヨーロッパリネンを中心に、心地よいライフスタイルを提案している会社です。

今回は、麻平の魅力を伝えていく営業企画の担当者を募集します。仕入れ先のブランドとのやりとり、ポップアップショップでの販売など、幅広い仕事を担います。

リネンはもちろん、インテリア全般に興味のある人にぜひ知ってほしい仕事です。

あわせて、取り扱っている海外ブランドと英語でコミュニケーションをする、営業アシスタントも募集します。



東京・表参道。

取材に向かったのはクリスマスの3日前。たくさんの人で賑わうケヤキ並木のメインストリートを、一本小脇の道に入っていく。

3分ほど歩いて到着したのが、麻平のショールーム兼ショップ。

中に入ると、さまざまな色合いのテーブルクロスやクッションカバー、フレグランスなどの小物が並んでいる。

奥の階段を上がると、ベッドルームのディスプレイ部屋が。

ここで代表の夏目真澄さんに話を聞く。

麻平の母体は、明治元年に長野で創業した株式会社夏目。最初は麻のロープや麻袋などを扱う麻問屋として始まり、次第にさまざまなものを扱うようになった。

そんななかで、ルーツに立ち返ろうと、ヨーロッパリネンを扱う関連会社として2005年に生まれたのが麻平。

もともとリネンが好きだったという真澄さん。調べていくうちに、使うほどに質感の変化を楽しむことができるヨーロッパリネンに心惹かれていったという。

「ヨーロッパですと花嫁がお嫁に行くとき、自分とお相手のイニシャルの刺繍を入れた白いリネンのシーツやテーブルクロスを持っていくんです。日本のお着物と似ていますね」

一方で、当時の日本にはあまりリネンを使う文化がなかった。ヨーロッパのように日常にリネンを取り入れるには、現代の生活や感性に馴染むデザインや機能性が必要だと考えた真澄さん。

そこで見つけたのが、創業時から扱っているフランスのアレクサンドルチュルポーというブランド。

紹介してくれたテーブルクロスには、植物の柄とゴールドとシルバーの刺繍が施されていて、白いリネンに華やかさを添えている。

「これはデジタルプリントを施した上に、刺繍をしているんですよ。植物のような自然な曲線も、動きを持たせる刺繍のテクニックが必要で」

何層にも重なっているゴールドの刺繍は松ぼっくりなのだそう。さりげなくクリスマスの雰囲気が感じられる。

こんなテーブルクロスで日常に変化を加えたら、生活が豊かになる予感がします。

「そうですよね。ただ、心地よい生活にはヨーロッパリネンだけじゃなく、ほかのものも幅広くご提案する必要があることが販売するうちにわかってきたんです」

トータルで心地よい住空間を提案するために。たとえば、お皿などの食器類や小物雑貨、インテリアなど、ヨーロッパリネンに合うものをセレクトして販売するようになっていった。

 

「うちでお取り扱いしているものは、華美ではないけれどこだわりが詰まっている商品が多いですね」

そう話すのは、夏目涼子さん。

10年ほど前から真澄さんと共に商品の仕入れやお客さんとのやりとりなどを担っている。

「先ほどのテーブルクロスは、裏側にある布端の処理にもこだわりがあって。誰も見ないようなところにまで誠実であろうという、つくり手の想いを感じますよね。私たちは商品に込められたこだわりを、お客さまにしっかりとお伝えすることが大切だと思っています」

「うちの商品はオンラインの説明だけではどうしても誤差が出やすい。お客さまが実際に手にとって風合いを感じていただくのが一番なんです」

たとえば、色味。とくにヨーロッパリネンは濃淡などによる色合いがさまざまで、言葉や画面越しの説明だけでは正確に色味を伝えるのはむずかしいという。

「裏を返すと、それは商品の魅力でもあると思っていて。絶妙というか曖昧というか。色のバリエーションが本当にきれいなんですよ」

実物を見せてもらうと、言葉だけでは表現しきれない色合いが多い。なめらかな肌ざわりや刺繍のこまやかさも、自分の手で触るからこそわかることが多い気がする。

そんな商品の魅力を一般のお客さんや、百貨店、インテリアショップ、雑貨屋といった取引先に自分の言葉で伝えることも今回募集する営業企画の仕事のひとつ。

取引先とのやりとりはオンラインも多く、希望に沿ってセレクトした商品をパワーポイントやワードでまとめ、その資料をもとに提案していくこともあるそう。

「今はメールでのお問い合わせも多いんですが、『この商品ありますか』の質問に『ありません』という返答だけではお相手との関係がそこで終わってしまう」

「『その商品はないんですが、似た質感のものでこういうのがあります』みたいに、求められていることを一歩先まで想像してご提案することも大切ですね」

最近は、一般のお客さんからの問い合わせも増えているそう。今後はBtoBだけでなく、BtoC向けに特化した発信の仕方をより考えていく必要もあるかもしれない。

今回新しく入る人は、会社全体のことを知るために、まずはいろいろな業務のアシスタントから始めてもらう予定とのこと。

発注書や見積もり書の作成、商品の検品やポップアップストアの準備など、幅広く携わることになる。

「全体の仕事の流れがわかるのに半年くらいはかかると思います。むずかしいこともあると思いますが、何でも前向きにチャレンジしてほしいですね」

 

最後に話を聞いたのは小売り担当の安齋さん。3年ほど前に日本仕事百貨の記事を通じて麻平に入社した。

「前職は医療関係の人材紹介をしていました。毎日パソコンに向かって電話対応するのが中心で。もっと自分の足でいろんなものを見たり、お客さまと話したりする仕事がしてみたいと思ったんです」

以前、旅行で訪れたフランスの蚤の市で、リネンに興味を持ったという安齋さん。麻平なら、自分の好きなことを仕事にできるかもしれないと感じた。

「麻平のホームページを見ていたら、ミツバチとミモザの刺繍がされたテーブルクロスを見つけたんです。その刺繍がすごくキレイで、私もミモザが好きだったので、いいなと思って」

入社したのは、ちょうど百貨店でのポップアップショップに向け、準備していた時期。

「百貨店さんが閉店したあと、みんなで売り場をつくるんです。商品の梱包から搬入、段ボールの開梱と商品の陳列まで私たちが全部やるので、想像以上に肉体労働でしたね」

少人数の会社だからこそ、明確に仕事は分けられていない。売り場が完成したら、翌日には社員全員で販売員として店頭に立ったという。

「実際に店頭に立ってみると、リピーターの方がすごく多くて。長く愛されている会社なんだと思いました。あと、お話好きな方やインテリアがお好きな方もたくさんいる印象でしたね」

これまでに印象に残っているお客さんとのエピソードを聞いてみる。

「うちでお取り扱いしている、イタリアのボルゴデレトヴァーリエというブランドのクッションカバーを使っているお客さまがいらっしゃって。黒と青が基調の部屋に合う新しいクッションカバーがほしいと、ご相談に来られたんです」

壁が黒かもしれないし、青色の壁でソファーが黒かもしれない。まずはどんな部屋なのか具体的に知ろうと、お客さんに画像を見せてもらった。

部屋には革製の黒いソファーにガラス製のテーブル、そして深いブルーのカーテンがあり、ソファーにベージュや白のクッション、黒や青の膝掛けがかけられていたそう。

「最初はアイボリーなど白に近い色味をおすすめしたんですが、部屋の雰囲気が変わるような色味がほしいという想いを持っていらっしゃって」

そこですすめたのが、セージと呼ばれるややくすんだグリーン。黒や青にも合い、差し色にもなる色だった。

「お客さまも喜んでくださって、うれしかったですね。やはり実際の商品をお見せしながらご提案するとイメージしやすいので、納得していただけることが多いです」

洋服や靴を買うのと少し似ているかもしれない。ほしいものが似合うかどうか、見て触って使いたくなるかどうか。

とくにクッションカバーやテーブルクロスは実際に自分の部屋で試せるわけではない。迷ったときに、一緒に考えながら背中を押してくれる店員さんの一言は大きいと思う。

働き出して3年が経つ安齋さん。入社して初めての仕事だったポップアップストアも、今では企画から運営まで任されるようになった。

「ポップアップの運営は大変でしたね。店頭に並べる商品をすべてエクセルでリスト化して、在庫管理や販売数を記録していくんです。ブランドやアイテムもいろいろあって、数量もバラバラなので、正確に入力するのがむずかしくて」

過去に売れたものが同じように売れるとは限らないし、季節や天候によって売れるものは変わってくる。

商品はポップアップがはじまってからも更新しつづけられる。運営担当は、お客さんの様子を日々観察しながら、どんな商品を並べるか、舵取りをしていくことが求められる。

「状況を見てくださっている百貨店さんから、商品のご提案をいただくこともあって。そうすると倉庫への追加の連絡など、いろんなやりとりも加わってきます。大変さはありますが、お客さまから『来てよかった』と言っていただけると、頑張って良かったなと思いますね」

普段は表参道のアトリエで接客をしたり、アトリエから歩いて数分のところにあるオフィスでデスクワークをしているという安齋さん。

取り扱っているブランドとのやりとりや、オンラインショップに来た注文の発送依頼など、仕事の幅は広い。

「コロナ禍でアトリエが休業していたときは、より商品のことをお伝えできるようインスタグラムの投稿にも力を入れました」

投稿では商品紹介のほかにも、アイロンかけ方や汚れたときのお手入れ方法など、リネンにまつわる豆知識のような要素も取り入れた。

どんな写真だとヨーロッパリネンを日常で使うイメージを持てるだろうか。華やかすぎず、かといって普通すぎず。心地よい暮らしを想像しながら、投稿に使う写真の撮影をしているという。

「『投稿を見てこの商品がほしくなったんです』と言っていただくことも増えて、すごくうれしいですね。扱っている商品がどれも素敵なので、雑貨とかインテリアが好きな人だったら楽しく働けると思います」

 

麻平が扱うヨーロッパリネンは、暮らしに溶け込むようななめらかさがあるように感じました。

幅広い仕事を担う大変さはあるかもしれないけれど、さまざまな面から好きなものに関わることができるのは、きっと楽しいことだと思います。

気になる人は、ぜひ一度自分の目で見て、手で触れてみてください。

(2022/12/22 取材 小河彩菜)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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