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カフェからまちづくり
お店もスタッフも
ともに成長する場

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

これから何をしていこう。何をすればいいんだろう。

将来に迷ったり、悩んだり。誰しも、人生の帰路に立つと不安に思うものです。

そんなときは、喫茶店で一息つきたくなります。

お客さんとして行くのもいいけど、もしあの空間で働けたら。今まで見ていた景色が、ガラッと変わるかもしれません。

今回の舞台は、栃木県の中心に位置する鹿沼市にある珈琲屋さんです。

 

北千住駅から特急で1時間半、この日は朝から雪が。東京から離れるにつれ、窓の外の景色が白く染まっていく。新鹿沼駅に着くと、あたりは真っ白。

手をこすりながら、滑らないようにそっと歩いていくと、細い路地にたどり着く。奥に「OPEN」という小さい看板が。どうやらここが日光珈琲の本店、饗茶庵(きょうちゃあん)らしい。

入り口に立つと代表の風間さんが「どうも」と笑顔で迎えてくれた。

中に入ると、ポカポカして温かく、心地いい音楽やコーヒーを挽く音に何だかホッとする。

淹れ立ての珈琲をいただき、さっそく風間さんに話を聞く。

日光珈琲は今年で24年目。

1店舗目として生まれたこの饗茶庵は、風間さんの実家の隣にあった空き家を自らリノベーションしてつくったもの。最初はひと部屋の空間からはじまり、今では栃木市や日光市を含め、6店舗を展開している。

「ちょうどいいときに、いいきっかけが来るんですよね」

穏やかな口調で話す。

「大学生のとき、何になりたいかわからなくてずっとモヤモヤしていて」

「19歳くらいだったかな。友達に誘われて中国に行ったんです。初めて違う文化に触れたことが刺激的で。それから年に2回、アルバイトで貯めたお金で海外に行くようになりました」

南米に行ったときは、100m先で人が撃たれている瞬間を見たこともあったそう。

「たくさんの人や場所を見て、人生って何が起こるかわからないなって。大変だけど納得する生き方をしたいと思ったんです」

ただ、納得する生き方が何なのか、すぐに見つけることは難しい。金銭面でも両親に負担をかけたくないという思いから、地元の会社に就職。

任された営業の仕事は楽しく、社長からも認められるほどの実力だった。ただ、この会社でずっと働き続けることに疑問を持つようになり、4ヶ月で退社する。

その後、鹿沼に新しくバーができるというチラシを見て、そこで働くことに。

「最初に来てくれたからって、即採用してくれて。お店の内装からメニューの開発まで手伝わせてもらいました」

お店がオープンし、接客をしてみると、ある発見があった。

「鹿沼っておもしろいなと気づいたんです。人も雰囲気も。田舎なので、オシャレではないんですけど、シャレが効いているというか、独特なんですよね」

もともと、鹿沼は日光で仕事をした大工職人が休むために滞在することもあった場所。その名残か、荒々しくも人情味あふれる人が多いのだとか。

「バーの仕事は面白かったんだけど、大学を卒業して、就職先もすぐ辞めて、これから先どうするんだって、初めて親に真剣に叱られて」

「それで自分に何ができるだろうって考えたときに、お客さんと接するのが面白いからお店をやってみたいなと。それで自宅の部屋を改修して、小さい喫茶店をはじめたんです。それが最初のきっかけですね」

それまでは飽きっぽい性格だったけれど、これだなって思ったものに対しては、やり続けることができたという風間さん。それが偶然コーヒーだった。

「喫茶店を始めたことによっていろんなものが見えてきて。大変だけどなんか楽しい。楽しさのほうが何よりも上回っていたなって思います」

最初はほとんど人が来なかったけれど、チラシをつくって配ったり、人づてに広まったりすることで、次第にお客さんが来てくれるように。

その後は人の紹介で物件を見つけ、2軒目の店舗もオープン。それ以降に開いたお店も、基本的にはお客さんの「こんな物件があるんだけど、使ってくれない?」という話からはじまっているそう。

最近は、鹿沼にはビールをつくる人がいないという話から、クラフトビールをつくる計画もある。今回募集する人も、喫茶店での経験を積んだのちに、希望があればブルワーとして働くこともできるとのこと。

風間さんは、どんな人に入ってきてほしいですか。

「“自分がやりたい”っていう気持ちがある人がいいよね。それはコーヒーの仕事でもいいし、調理でもいいし、接客でもいい。コーヒーの焙煎をやりたかったら教えるし、なんならコーヒー講座を開いて教える側になってもいい」

「働く人自身のスキルになることはたくさんあるから、経験を積みながら、お客さまに豊かになってもらいたいという気持ちを持っている人がいいなと思います」

自信がないという人も、まずは日光珈琲でチャレンジしてみる。もしかすると、そのなかで自分の得意なことを発見し、新しい事業を起こせるかもしれない。

「“風間総合サービス”なので、いろんなことが生まれていいと思っていて。ただ、喫茶店として始まったので、まずはカフェ業務から学んで、日光珈琲の文化を知ってほしいですね。そこで、もしやりたいことにつながりそうだったら、どんどんチャレンジしてもらいたいし、独立してもらうのも歓迎です」

優しく、穏やかで、懐の深い風間さん。ここに来れば1人ではできないことも、バックアップしてくれると思う。

 

続いて話を聞いたのは、入社して12年目の井上さん。各店舗への配達と、商品のパッケージなどのデザインも手がけている。

「大学で絵画を専攻していて、卒業してからは通っていた大学の教務助手として働いていました。その任期が終わるころ、『次は何をしよう』と考えていて」

「絵の制作は続けたいし、それを展示できるところがあったらいいなと。それでギャラリーとかカフェとかをいろいろ探しているときに、ここを見つけて。コーヒー好きだし、自分で淹れられるようになったらいいなっていう、軽い気持ちで応募して採用された感じです」

最初の仕事は、ホールを回すことから。それと同時にコーヒーを淹れる練習を数ヶ月続けて、先輩に味見してもらってオッケーをもらう。

「僕はあんまり勘がいい方ではないので、修行という感じでしたね。だからできるようになるまで結構時間がかかったと思います」

先輩には丁寧に教えてもらえるんでしょうか。

「もちろん教えてくれますが、やっぱり実際にやりながら、という感じですね。マニュアルみたいなのもなくて。見ながら覚えていくっていうことが多いかなと。自分も同じ道具を買って家でも練習したりしていました」

それぞれ人によって技術の習得には差があるだろうけれど、井上さんも地道に努力することで、一通りのことができるようになった。

加えて、絵の制作も続けているそう。2、3年に一回はギャラリーなどを借りて展示をしているのだとか。本店に飾られている絵も、井上さんが描いたもの。

「カフェがやりたいっていう人じゃなくてもいいと思っていて。ほかにやりたいことがあって、そのためにここでの仕事を経験するとか。自分でお店を出すのに、誰かに背中を押してほしいとかでもいいと思います」

「あとはなんでも面白がれる人だといいですね。最近はカフェを通したまちづくりっていう観点も持つようになってきたので、言ってしまえばカフェをするということ自体がまちづくりの一部で。そう思うと、普段の接客とかも変わってくるし、自分のやってることが社会にコミットしてる感覚が生まれる」

カフェには近所の人はもちろん、旅人や観光客など、さまざまな人が訪れる。そのなかでホスピタリティを発揮して接することができる人であれば、自然とそれはまちづくりにもつながっているのかもしれない。

 

最後に向かったのは、本店から車で5分ほどの場所にある、朱雀店。

ここで待っていてくれたのは、入社2年目の山口さん。案内してもらい、話を聞く。

「私は新卒で入ったのがこの会社で。千葉から鹿沼に引っ越してきたんですけど、千葉以外で暮らすのも初めてだし、一人暮らしも初めてで。最初は千葉に帰りたいなって、ちょっと思ったりしてました(笑)」

学生時代にお店を訪れたことはあったものの、この会社に入りたいという強い気持ちはなかったそう。食べることとカフェが好きだというところから、日光珈琲を見つけて応募した。

「学生時代にお菓子づくりを学んだことがあったのもあって、ケーキとかを最初はつくっていました。それにプラスして、ちょっとカフェ業務をする、みたいな。お店をふたりで回すこともあるので、少ない人数でやるのはすごく大変だなって感じましたね」

加えて、少ない人数でやるからこそ、個人のミスが大きく響いてしまうこともある。

「お菓子づくりは一人でやるんですよ。いろんな種類のものを同時にいっぱい焼くので、計量ミスとかしないように気をつける必要があって。あとは… スコーンを30個焼くはずが、40個できちゃったりとか(笑)。いろんなことを考えながら複数の作業をしていたので、最初のうちは大変でしたね。やっちゃいましたって、店長に報告しに行ってました」

失敗してしまったことも、笑顔で話してくれる山口さん。その人柄から、お客さんにも好かれている。

「以前は本店にいて、朱雀店に異動になったんです。そうしたら、本店の常連さんが、最近あの子見ないねとかって言ってくれていたみたいで」

「わざわざこっちのお店まで、『久しぶり』って来てくれたりするんですよ。うれしいし、すごく元気をもらいますね」

忙しいと、ついつい作業に集中して、お客さんへの態度がないがしろになってしまうこともある。

それでも、笑顔を忘れずに、一人ひとりに対して丁寧に接していく。なんでもやるお店だからこそ、ホスピタリティを忘れずに働くことが大切なんだろうな。

 

それまでなにもなかった場所に、喫茶店ができる。すると自然に人が集まってきて、新しいアイデアが生まれ、街に活気があふれる。

日光珈琲は、その良い循環をつくりだしてきたお店なのだと思いました。

ピンと来た人は、ぜひ一度お店を訪れてみてください。お店の雰囲気と、コーヒーの味。そしてスタッフの人たちの姿。

何か一つでも引っかかるものがあれば、そこでチャレンジする価値はあると思います。

(2023/2/10 取材 大津恵理子)

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