求人 NEW

心も体も幸せに
手の届く
最高級オーダースーツ

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

最高級の生地に、最高峰の縫製。

加えて、襟やポケットといったデザインや、体へのフィット感を自分好みにオーダーする。

信頼できるプロがつくる最高品質のオーダースーツながら、価格は約15万円からという、驚くほどリーズナブルな価格設定。

FILOのスーツは、つくるときも、着るときも、みんなを幸せにしているように感じました。

FILO(フィーロ)は、東京・新宿と神楽坂に2店舗を構える、オーダースーツのテーラーです。

FILOで扱う生地は世界三大生地としても名高い、エルメネジルド・ゼニアやロロ・ピアーナといった最高級品。

そして自社で製造から販売までを一貫して手がけることで、一般的なオーダースーツより手が届きやすい価格で販売でき、お客さんは増え続けています。

今回は、FILOの企画・販売スタッフを募集します。



訪れたのは、都営大江戸線の若松河田駅。およそ10分歩けば新宿という立地で、駅前からは新宿の高層ビル群が見える。

駅から7分ほど歩いて大通りから一本小道へ。少し進んだマンションの1階にあるのが、FILOの新宿店。

入り口で挨拶すると、社員の方がマンション5階のFILOのサロンに案内してくれた。

目に入ったのは、壁際のラックにかかっているスーツたち。お客さんと商談するソファやテーブルは、重厚感のあるアンティーク家具で揃えられている。なんだか、背筋が伸びる気持ち。

「暑いなか、ありがとうございます」と迎えてくれたのは、代表の千葉さん。

37年前にFILOの母体となる日本ビルディング経営企画を立ち上げ、今も不動産業を営んでいる。

不動産とスーツ。どうしてこの2つがつながったのだろう。

「もともと、家内の実家が日本で一番大きな生地の商社で。エルメネジルド・ゼニアは、その商社が大正時代にイタリアから日本へ初めて輸入したんです」

エルメネジルド・ゼニアは、イタリアの最高級スーツブランド。

厳選された天然繊維を使用したゼニアの生地は、光沢と滑らかな手触りが特長で、ゼニアショップならスーツ一着あたり50万円以上する。

奥さんの実家である商社は、ヨーロッパから仕入れた高級服地をテーラーやデパートに卸すことに加えて、縫製工場も運営してきた。

製造していたのは、百貨店や有名ブランドから依頼された特注品のスーツが中心。高い縫製技術を評価されて、日本でも数社しか受けてない三つ星認定をもらうほどに成長した。

義父の引退を機に、工場を千葉さんが引き継ぐことに。

「ただ、オーダースーツって高価でなかなか買えない。本当にお客さまが求めているものはなんだろうと気になって」

「うちで卸している最高級の生地を使って、もっと手頃にオーダースーツをつくれないかな、と思ったんです」

そこでゼニアに相談した千葉さん。一度にたくさんの生地を買うことで、一着あたりの原価を抑えられることがわかった。

「大量に生地を仕入れて、自社工場でオーダースーツをつくろうと考えました。それをお客さまに直接販売すれば、ニーズもすぐに反映できる」

そうして20年前に始まったのが、「FILO」。

最高級の生地でつくられたオーダースーツながら、価格は一般的なものの3分の1ほど。

その価格は衝撃的で、ゼニア愛好者も驚いたそう。

「お客さまは、ものの価値を見る目が厳しい方も多い。そういった方々がリピートしてくださったり、お客さまが新しいお客さまをつないでくださったりして、ここまできました」

最近の人気商品は、ゼニアの「ジャージー」という生地をつかったオーダースーツ。

特長はウールなどの混紡素材を使っていて、伸縮性が高いこと。

「ジャケットって長時間着ると疲れるものも多いんですが、ジャージーにはそれがない。加えて、見た目もしっかりとしている。慣れたらジャージーばかり、という方も多いんですよ」

着心地に加えて、見た目も外さない。人気なのも納得だ。

「とはいえ、テーラーでスーツを仕立てるお客さんは、年齢層の高い人が多い。そういった方々にジャージーという新しいものを理解してもらえるのかと、同業者の方は心配になるんですよね」

「でも時代は変わってきているし、ジャージーは絶対おもしろい! って総意で扱い始めて。今では大人気商品になりました」

発売当初、日本でジャージーを扱おうとしたテーラーはFILOのほかになく、今でも扱うテーラーは少ないそう。

「伝統も大切だけど、時代が求めているものにもどんどん挑戦していきたいんです」

「たとえばジャケットって、一番人気は無地の紺色。明るめとか暗めとか、いろんな色のご提案もできるけれど、それだけじゃ楽しくないでしょ?」

裏地をユニークな柄にしたり、襟やポケットの形を変えてみたり、オリジナルのボタンをつけてみたり。

いろんな楽しみ方ができると知ったら、たくさん欲しくなってしまいそう。

「普通なら一着分の金額でも、うちならいろんなファッションを楽しめる。だから、何着も買ってほしいと正直にお願いするんです。そうすれば、うちの売り上げもしっかりと立つわけで」

大量に生地を仕入れ、自分たちの縫製工場でスーツをつくる。

加えて、FILOの母体は日本ビルディング経営企画だから、自社物件でスーツを販売できて家賃もかからない。

だからこそ、世界の一級品の生地を使ったスーツも、手頃な値段でお客さんに届けることができる。

日本ビルディング経営企画を訪れるお客さんが、FILOでスーツを仕立てることもあるし、逆にFILOを訪れたお客さんが、不動産を購入したりすることもある。

「うちの会社全体の仕組みを説明すると、いい会社ですね、と言ってもらえることも多いんです。会社全体で垣根を超えて成長していますし、誠実に商売をしているのも、お客さまにしっかりと届いているのかなと思います」

「あと、うちだとスーツの販売だけじゃなくて、商品企画の段階から携われる。これもほかのテーラーにはないおもしろさなんじゃないかな」



「本当にそうですね。高級な生地を、製造から販売まで自社で一貫してできる。こんな会社はほかにないと思います」

そう話すのは、FILOの取締役と新宿店店長を兼任している、廣野さん。

前職もテーラーで働いていたけれど、お客さんが少なく、思うようにスーツは売れなかった。

もっとオーダースーツの仕事にやりがいが欲しい。そう感じていたころ、縁あってFILOと出会い、2013年に入社。

扱う生地を選ぶところから始まるFILOのスーツづくり。

ブランドから送られてくる生地見本を見ながら、今季扱う生地を社員で相談して決めていく。

「目付けをしているときに、この生地はあのお客さまが好きそうだなって、顔が思い浮かぶんです」

いい生地はどんどん売れてしまうため、入荷が決まったら、すぐにお客さんに連絡を入れる。

「本当にいいものばかりなので、ご紹介前に売り切れてしまったら失礼だと思っていて。連絡すると、すぐに来店してくださるお客さまも多いですね」

生地を選んだあとは、襟やポケットなどのデザイン決めと採寸。そして工場で縫製したものを納品するまでが、オーダースーツのおおまかな流れ。

「大切にしているのはフィット感です。いい生地を使って、お客さまにジャストフィットしたスーツを仕立てたい。プロの私たちから見ても、これはいいスーツだと思えるものを着てもらいたいんです」

仕立てたスーツを着て、鏡を見たときのお客さんの笑顔が一番うれしい、と廣野さん。

「『いろんなハイブランドのスーツを着てもなにも言われないけど、FILOのスーツを着たときだけは周りから褒められるんだよ』と言われたときは、うれしかったですね」

FILOに勤めて10年。長く関係を築いてきたお客さんも増えてきた。

「最近多いのが、生地を選んだあと『あとは廣野さんに任せるね』と言われることで(笑)。もちろんプレッシャーもあるんですが、それだけ信頼してもらえるのはありがたいです」

北海道から九州まで、日本各地にいるお客さんの元を訪れて、オーダーを伺うこともよくあるそう。

「生地を入れた大きなスーツケースを2つ持って、いろんなところを飛び回って。お客さまと一緒にお食事できたり、新しいお客さまをご紹介いただけたり。とにかく楽しいですね」

横で聞いていた千葉さんが、「出張ばかり行くんだから!」と冗談を言って、二人で大笑い。なんだか風通しの良さを感じる。



お礼を言って新宿店をあとにし、もう一つの店舗、神楽坂店へ向かう。

納品時に使うというFIATのSUV車に乗せてもらい、走ることおよそ5分。

店舗は、神楽坂のメインストリートにある。店前は多くの通行人でにぎやかだ。

お店に入って話を聞いたのは、神楽坂店店長の永井さん。日本仕事百貨の記事を読んで、7年前にFILOに入社した。

前職では18年間、アパレルの会社に勤めていた。

「ファッションは好きだったんですが、できあがったものを売るだけの仕事にモヤモヤを感じていて」

「FILOのスーツは品質も間違いないし、ものづくりのストーリーまでしっかりとお客さまにお伝えできる。魅力的だな、と思いました」

入社して初めての仕事は、福島にある自社の縫製工場で生地をカットすることだった。

「一反の生地を初めて見たんですが、本当に木の丸太みたいで。切るのは想像以上に大変でした。社員みんなで、汗だくになりながらカットしましたね(笑)」

工場では、職人さんのスーツづくりも見学。

「肩のラインってカーブがあるから、縫製が一番むずかしいと言われていて。そこを立体的になるようにミシンをかける技術を間近で見たときは、感動しました」

自社でスーツづくりを一貫しているからこそ、ものづくりの背景も知ることができるし、接客するときの言葉にも深みが増しそうだ。

最近では、お客さんからスタイリングの相談を受けることもあるという永井さん。

「ご自宅に伺ってクローゼットを見せてもらいながら、買い替えが必要なものや、必要になりそうなアイテムをご提案しています」

「昔と違って、今はジャケットとパンツの組み合わせ方が幅広いので、スタイリングのご提案がすごく大事ですね。『うちの服、全部FILOになったよ』と言われることもあります」

信頼できるプロに、自分に合ったファッションを提案してもらえるなんてうれしいだろうな。

完全予約制の新宿店と違い、誰でもふらっと入りやすい神楽坂店。

気軽に入ってもらえるよう、店前でチラシ配りをすることも多い。

「自分にどれだけ厳しくできるかも、大切だと思います。自分次第でお客さまもどんどん広がっていくので、おもしろいです」

「お客さまはいい方ばかりなので、自然体で接することが一番ですね。ファッションに加えて、車やスポーツなどに詳しいとお客さまとの会話も広がるので、そういうことに興味がある人も向いていると思います」



たしかな品質に加えて、着る人とテーラーの想いが詰まったFILOのスーツ。

初めて袖に手を通したとき、お客さんはどんな表情をするんだろう。どんな気持ちになるんだろう。

共につくったものを、心から喜んでくれる人のそばで、やりがいを感じ続けられる仕事だと思いました。

(2023/6/26 取材 小河彩菜)

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