求人 NEW

ヒト始発、
走り続ける
事業プロデュース

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この1年、わたしたちの会社には、新しいメンバーが何人も増えました。そこで目の当たりにしたのは、新しい仕組みやこれまで眠っていたプロジェクトがいくつも動き始めていくこと。

どんな計画も、実行する人がいて初めて形になる。

人を起点に、地域の問題解決に臨んでいるのが、株式会社さとゆめです。

さとゆめは、事業プロデュース会社。「ふるさとの夢をかたちに」をミッションに掲げ、地域に伴走してきました。

たとえば、山梨県小菅村(こすげむら)。

村の活性化を目的につくったのが、村をまるごとホテルに見立てた地域分散型ホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村」。

ここでは、コンセプトが決まった段階で、早々にホテルの立ち上げスタッフを募集。

計画をつくってから人を集めて事業をスタートさせるのでは間に合わない。想いのある人をまず集めて、そこを起点に事業を形づくっていきました。

今回は、事業プロデューサーの募集です。

戦略策定、サービス開発、空間デザイン、収支管理、法務対応など。事業にまつわるすべての業務に関わります。

働く拠点は、九州、中四国、東京のいずれか。

行政と仕事をした経験があることが望ましいですが、地域のためになることをとことんしたいという想いが何より大切になる仕事です。

 

皇居を取り巻く外郭門のひとつ、半蔵門。

さとゆめのオフィスは、地下鉄半蔵門駅から歩いて10分ほど。ゆるやかなアップダウンの道には、オフィスビルのほかに大学もある。

朱色のビルの一室がさとゆめのオフィス。

2012年に創業したさとゆめ。

代表の嶋田さんは、もともと行政への政策策定のコンサルティング会社に勤めていた方。

計画を提出して終わってしまうことに違和感を感じ、実行まで支援したいという想いでさとゆめを立ち上げた。

最近は、地域との関わり方にあわせたチーム制をとっていると聞いたけれど、どうやって仕事を進めているんだろう。

教えてくれたのは、地域構想チームでリーダーを務める小川さん。

「6年前に入社して、そのときは社員も5人ぐらいしかいなかったんです」

「チーム制が始まったのは、3〜4年前ぐらい。飛躍的にご依頼が増えたとともに、古民家事業なども含めて事業領域が増えました」

現在のチームは大きく4つ。

地域の戦略を練る「地域構想チーム」、戦略を形にする「事業創造チーム」、その後の経営を担当する「地域経営チーム」、組織の運営に必要なノウハウを伝えて会社のバックオフィスも運営する「組織運営チーム」。

「上流から下流までを分けて関わることで、ノウハウを共有・蓄積する狙いがあって、チーム制をとりはじめました」

「ただ、やっぱり地域と仕事をしているとどれにも関わる必要があって。今後はエリアごとにチームが分かれていきそうな気がしています」

小川さんのチームで最近大きく動いているのが、熊本空港にオープンしたギャラリーショップ「QSHU HUB」。

これまでさとゆめでは、東京都庁の一角に62市町村のいいものを集めたアンテナショップを立ち上げたり、山形県河北町のアンテナショップを三軒茶屋にオープンさせたりと、地域の産物に関わるお店をつくってきた。

「熊本空港は昨年、滞在型空港を目指してリニューアルしたんですね」

「物販とか飲食のお店だけじゃなくて、空港から新しい熊本の魅力や、九州の魅力を発信できるような場所をつくりたいということで、空港の運営会社さんからご相談をいただきました」

形態がギャラリーショップのため、店頭での販売は現在おこなっていない。欲しいものがあったら、商品の隣に置いてあるQRコードを読み込む。

すると、直接販売先のECサイトに飛ぶため、そこから購入することができる。

「思わず足を止めて、QRコードを読み込みたくなる産品を九州の各地から探してきたり、お客さんに伝えたりすることが必要で」

「加えて、それらの魅力をより分かりやすく伝えるために、コンセプトブックをつくったり、WEBコンテンツをつくったりして、お店を運営してきました」

いまは九州に愛着のあるチームメンバーと店長さんが、日々がんばっているところだそう。

今回加わる事業プロデューサーで、九州エリアに関わる方に任せたい役割のひとつは、QSHU HUBの事業をさらに活発にすること。

今はギャラリーショップだけど、今後はこの場で購入できる形なども目指してリニューアルを検討中。

「いいお土産があったら、その場で買いたいと思うじゃないですか。生産者さんからも、ここで実際に売れたほうがうれしいって声をもらっていて」

「店舗や事業って、やっぱりつくったあとのほうが大変なんです」

たとえば、小川さんがある地域商社の運営支援に関わったとき。

はじめは組織内でうまく意思疎通ができていない部分もあったそう。

「マーケティングの対応をすると聞いていましたが、現場ではどう会議を組むかとか、意思決定をするためのフローの構築を考えるとか。想定外の仕事もたくさんありましたね」

「ほかにも、継続的な活動をするための事業収支の見直しから資金源の提案など。組織を支えるために必要なことは、地道に何でもやっていきました」

今では、以前よりも売上と利益を確保するための行動を商社の人たちが自ら考え、経営的にも右肩上がりになってきている。

今後QSHU HUBでは、マルシェを開いてみたり、他店舗と商品が重ならないようにして、実際に商品をその場で手に取れるようにしたり。まだまだオープンしたばかりなので、店長と一緒にさまざまな施策をうっていってほしい。

また、QSHU HUBができたことで、九州の自治体から相談をもらう機会が増えているという。

九州に常駐するスタッフのもうひとつの大きな役割は、各自治体と良い関係性をつくり、問題解決に臨んでいくこと。

たとえば、QSHU HUBをきっかけに関わることになったのが、熊本県の球磨村(くまむら)。

「球磨村って、峡谷に集落が集まっているんです。令和2年の豪雨で、かなりの被害が出たんですね。被災前と比べると4割くらい人口が減っていて」

QSHU HUBメンバーの営業をきっかけに声をかけてもらい、まずは現地を訪れることに。

「一言でいうと、神がかっているんですよ」

「水が鍾乳洞を通って井戸水になっていて。それがダイナミックに見えるというか」

3億年前の地層を見ることもできるほど、長い時を積み重ねた自然に触れることができる。

これまでの観光をさらに盛り上げたいという、まちの方の強い想いもあり、さとゆめとしてもお手伝いを始めることに。

計画が事業になるまで、5年ほどかかることもあるという。

ここまで密に長い期間伴走してくれるなんて、地域の人は心強いですね。

「でも所詮、私たちって部外者なんですね。外の人が関わることは必要だと思うんですけど、そこの地域に、365日24時間生きてる人が、一番覚悟を持たなきゃいけなくって」

「変わるって痛みを伴うし、動き始めたほうがつらくなることもたくさんあるんです。私たちも全力でやりますし。そのときに、この人だったら最後まで一緒にやりたいって思えるかどうか。そういう人が現れると、やろうってなります」

球磨村の場合は、役場のとある職員さん。

「プレゼン資料や、球磨村のPR動画もつくられていて。災害を起こす球磨村の地形も全て受け入れて、球磨村にある魅力や可能性を信じていらっしゃるんです。球磨村の素晴らしさを伝えたいと本気で思っている」

「それだけ熱意がある人に出会ったら、やるしかないですよね」

 

中四国エリアを中心に働いているのが、昨年の9月に入社した事業プロデューサーの河内(こうち)さん。

広島在住とのことで、今回はオンラインでつないでもらう。

「事業で得た経験は、ほかの地域の計画を立てるときにもうまくフィードバックされていくんですよ」

どういうことでしょう。

「地域分散型ホテル『NIPPONIA 源流 小菅村』が代表的だと思うんですけど、この分散型モデルを総合戦略に組み込んで検討を進めるとか」

「最初に思いのある人を探すのも、島根県江津市の総合戦略に反映しています」

通常、ワークショップやアンケート調査をして固めていく総合戦略。

江津市の例では、総合戦略の策定を受託した時点で、20地区にヒアリングをおこない、想いを持つ人を探し出した。

「自分たちで事業を立ち上げて運営してきたノウハウがあるからこそ、戦略にフィードバックできたと思っています」

「江津市さんからも、『つくって終わりだと思っていたけど、人起点に進めると、実効性も高まるね』って喜んでもらえて。さとゆめだからこそできたことだと思います」

河内さんはもともと、建設コンサルタントで都市計画に関わっていた。

ただ、提案して終わり、ということが多かったという。

「実際に動き出すところまでやっていきたいなと思い、さとゆめに入社しました」

さとゆめの働き方は、基本的にフルリモート。週の半分を出張に費やすことも多い。

「大変に思われるかもしれないですが、わたしはすごくポジティブに捉えていて。論理的に完璧な計画でも、地域の人との関係性ができていないと、形にはならない。だからこそ、地域に足を運ぶことが大事だと思うんです」

 

ほかにはどんなふうに事業が立ち上がっているんだろう。

教えてくれたのは、事業創造チームでリーダーを務める俣野さん。

俣野さんが関わっているのは、沿線まるごとホテル。

JR青梅線の青梅駅から奥多摩駅までの沿線をホテルに見立てるというもの。

駅のホームがフロントになり、地域住民の方がガイド役を担って集落を案内。古民家を改修した客室に宿泊することができる。

「これまでにないコンセプトなんですけど、それが実際に市場に受け入れられるかは、やってみないとわからない」

「アンケート調査をしても、あまりピンとこないというか。ニーズ調査のように、自分たちが考えている世界観をプロダクトアウトで試してみることも必要だと思うんです」

3週間の短期限定で宿泊プランを打ち出したところ、好感触。

インパクトのある事業にするためにも、JR東日本と共同出資して株式会社を立ち上げ、俣野さんは取締役も兼務している。

今年の4月にはレストランがオープンし、ホテルも稼働する予定だ。

「大きな地域の将来像を描くところから、飲食店の細かなオペレーションまで。じっくりとお付き合いするので、地域と密に関わる機会が多いです」

 

最初に話を聞いた、小川さんの言葉が印象に残っている。

「自分で何かしたいって思ってる人のエネルギーに触れられるのは、すごくありがたいですね」

本当にしっかり伴走してくれるのか、はじめは地域の人に不安に思われることもあるという。

「たとえば2、3年ぐらいご一緒するうちに、施設運営者の方が『今年は黒字が見えそう。事業もいい感じになってきて、もっと頑張りたい』っておっしゃってくれたことがあって」

「地域の力がないと改善していかないから、自分のおかげだとか一切思ってないんですけど、少しでも関われてよかったなって思いました」

独りよがりな地域創生ではなく、想いのある人を起点にして事業をプロデュースする。

泥臭い仕事もあるけれど、そのぶんやりがいも大きいと思いました。

(2023/01/25 取材 杉本丞)

 

3月21日には、さとゆめの横山さんと一緒に、東京清澄白河のリトルトーキーでしごとバーを開催します配信もあるのでよければ覗いてみてください

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