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まちの一部になるホテル
フロントの外で
つなげる旅と日常

旅をして、記憶に残るものは何だろう。

ガイドブックには載っていない路地の店、地元の人が通う食堂、長くまちに根づいてきた文化や風景。

せっかく旅をするのなら、その地にしかないものを味わいたい。その気持ちはきっと、海外から日本を訪れる人たちも同じだと思います。

野村不動産ホテルズは、まちを訪れる人たちと地域をつなぐハブとなるホテルづくりをしています。

「NOHGA HOTEL(ノーガホテル)」と「庭のホテル」の2つのブランド、計4店舗を東京・京都で展開。

ビジネスでもラグジュアリーでもない、日常の延長のように肩の力を抜いて過ごせる、“ライフスタイルホテル”というかたちを提案してきました。

今回募集するのは、宿泊サービススタッフとマネージャー補佐のスタッフ。

宿泊をきっかけに、その土地の文化や人と交わる体験をつくっていく。

フロントの外に出て、ゲストと向き合いながら、ホテルと地域をつないでいく仕事です。

 

日本のカルチャーが集積する、秋葉原電気街。

大型家電量販店や10階建てのラジオ会館などの大きな建物もあれば、PCパーツ店やカプセルトイショップのような専門店も密集している。都内でも、こんなに情報量の多いまちはめずらしい。

メイド服を着た人、外国人観光客、さまざまな人とすれ違いながら路地へ入ると、緑豊かな植栽が印象的なビルが現れる。

ここがNOHGA HOTEL AKIHABARA。隣には電子部品製造店、目の前には行列ができるラーメン店がある。

1階のレストラン・バーを抜けて、2階のフロントへ。

その先のテラスで話を聞いたのは、運営統括を担う中村さん。NOHGA HOTELの立ち上げからメインで携わってきた。

「秋葉原にはアニメやメイドなどの文化がありますし、家電や電子パーツの専門店もある。もっと歴史をさかのぼると、神田青果市場がこの一帯にあったんですよね」

「こだわりを持つ人たちが集まる、エネルギーのある場所。そういうところにホテルをつくりたいと思ったんです」

地域密着の不動産事業を手がけてきた野村不動産。さらなる一歩として「地域との深いつながりから生まれる素敵な経験」をコンセプトにNOHGA HOTELを開業した。

2018年に上野でオープンし、次の拠点に選んだのが秋葉原。現在は京都・清水、2019年にグループ入りし2022年の会社統合を経た「庭のホテル」を含め、4拠点を展開している。

上野と秋葉原の開業時は、中村さんたち創業メンバーが周辺の店舗を700軒ほど歩いてめぐり、10カ国以上のホテルを視察。国内外あわせて400軒ほどのホテルを見てきたという。

「海外のホテルで、宿泊する人にどういうところに行きたいかを聞くと、『ローカルの人が行くエリアに行きたい』という声をよく耳にしました」

「僕自身も、滞在先や働く場所を選ぶとき、その土地の魅力がちゃんと感じられるところに行きたい。ローカルの人しか知らないような場所にこそ面白さがあると思うんです」

地域に根づく文化を掘り下げていくために、NOHGA HOTELが大切にしている切り口が「食」「音楽」「アート」。

たとえば秋葉原では、eスポーツが体験できる部屋を設けているほか、毎週金曜日にDJイベントを開催。

上野では、アートやクラフトに触れられるワークショップや、上野公園や周辺の美術館と連動したプログラムを企画。地域の人も気軽に訪れられるように、京都の拠点にはベーカリーを併設している。

「NOHGA HOTELは、まちの一部になるホテルでありたい。その場所で何十年もホテルを運営し続けていくんだから、共存しながら地域を盛り上げていけたらいいなと思うんです」

来年には新宿御苑での開業を控えているNOHGA HOTEL。この先5年で、東京都内を中心に10拠点ほどまで拡大していく。

「これからは同一エリア内で複数ホテルを展開していこうと考えていて。それぞれのホテルでインテリアやレストランも違うので、回遊性が生まれたら面白いだろうなと」

事業拡大にともなう体制強化のため、今回は宿泊サービススタッフとマネージャー補佐を募集する。

マネージャー補佐はホテルでの実務経験者を求めている。一方で宿泊サービススタッフは、他業界からの転職も歓迎とのこと。

「一般的なホテルだと、チェックインカウンターの中で接客が完結する。でも、NOHGA HOTELはカウンターの外に出ていく接客です」

たとえば館内に置かれたサッカーボードで、ゲストとスタッフが対戦することもあるという。ゲストが勝てば、併設レストランのドリンクチケットを渡すようにしている。

「スタッフも本気で勝負しているんですよね(笑)。そんなふうにどんどん外に出ていってもらえたら。働き方としては、上野、秋葉原、京都、これから増えていく拠点を行き来することもできると思います。それぞれの場所で経験を積んで、ステップアップしてもらえたらうれしいです」

 

来年開業するNOHGA HOTEL 新宿御苑でマネージャーを務めるのが、西田さん。

ホテル業界未経験からキャリアをスタートし、今回の立ち上げまで幅広く経験してきた。

現場と企画の両方を行き来しながら、さまざまな視点でチームを支えている。

「よく挑戦する会社だと思います」

「ホテル業界に中途で入ったので、専門的に学んできた方からするとまだまだ経験は浅い。それでも開業に関わるような経験をさせてもらえたのは、この会社だからこそだと感じています」

NOHGA HOTELのスタッフは、旅行関連の会社で働いていた人、教師をしていた人など、バックグラウンドはさまざま。

堅苦しくない接客に惹かれて応募をする人が多いという。

「秋葉原ではロングステイする方もいらっしゃる。なので、いつまでもかしこまらず、肩の力が抜けた柔らかい雰囲気をスタッフから感じるんですよね」

「フレンドリーで、プロフェッショナルだけどかしこまってない、みたいな」

名前を呼ぶときに、ファーストネームではなく、ニックネームで呼んだり。フロントで会えば、挨拶だけでなく一言添えてみたり。

「海外のゲストと話していると、日本に初めて来た人も多くて。ネットや本で調べていた印象と、実際の空気感が違うこともあると思うんです。そういうときに、マニュアル的な対応ではなく、その場の状況に応じて最適な提案をすることが大事だと思っています」

マネージャー補佐の仕事は、接客やフロント業務にも入りながら、スタッフのサポートやシフト調整、ゲスト対応の改善など、現場とマネジメントの両方を行き来する役割。

上野、秋葉原、新宿御苑や、庭のホテルのある水道橋のいずれかの拠点でスタッフのサポートをしつつ、希望があれば、今後の開業の立ち上げにも参加できる。

現在、新宿御苑の開業準備をしている西田さん。週末になると現地に足を運び、まちの風景や人の流れを観察しているという。

「新宿御苑って、そもそもどういう場所だったのかを全部調べてみたんです。江戸時代からの歴史があって、もとは宿場であったと言われています」

「江戸野菜のひとつである内藤とうがらしもこの地域に由来があって、そういう背景を知ると見え方が変わってくるんです」

地域の歴史や文化を理解したうえで、ホテルの体験をどうつくるか。

地元の人は知っていても、伝えきれていない側面はまだある。そこへの探究心と伝える楽しさを感じる人は大きなやりがいを感じられると思う。

「その人にしかできない提案って、必ずあると思うんです。接客するうえでも、日ごろからまちを自分の足で歩いて、体感していくことを大切にしてほしい。それが提案につながると思いますよ」

 

入社5年目、アシスタントマネージャーの世羅さんは、まさに自分にしかできない提案を楽しんでいる人。

小学生のころにオーストラリアに住んでいたことから、英語が活かせる仕事を探し、庭のホテルで働くことに。

NOHGA HOTEL AKIHABARAのレストランには、プライベートでよく来ていた。

「ふらっと食事ができるレストランの雰囲気が好きだったんです。そのときに、宿泊スタッフがすごく楽しそうにホテルを紹介したり、ゲストとの会話を楽しんでいたのが印象的で。その一員になりたいなと思って、異動の希望を出すことにしました」

宿泊スタッフの業務は、チェックイン・アウトの対応、予約管理などのフロント作業がメイン。

加えて、普段は外部の業者に任せている部屋の修理やメンテナンス、清掃なども、万が一に備えて対応できるようにしている。

「NOHGA HOTELの宿泊スタッフは、コンシェルジュに近い役割だと思っていて」

「私は“お迎えする”という意識よりも、その人がどんな人なのかを会話のなかで“自分から知っていく”ことを大事にしています」

宿泊客の8〜9割はインバウンド観光客。国や文化もさまざまで、自分の当たり前が通じないことも多い。

「一人ひとりに対応するマニュアルがあるわけではないので、その場で考える力が必要になります。大変さもありますが、自分にはその働き方が合っていると感じています」

決められていない接客のなかで、世羅さんが大切にしているのが、まちとのつながり。

たとえば、レストランや周辺のおすすめを聞かれることは多い。その際に活用するのが、スタッフが実際に足を運んでつくった「おすすめカード」。

名刺サイズのカードには、焼肉、ラーメン、カフェのほか、ヘッドスパやネイルサロンなど、スタッフ自身が訪れた場所の情報が書かれている。裏面にはGoogleマップのQRコードも付いている。

「自分が行ったことのないお店は紹介できないので、実際に行ってみて情報を共有するようにしています」

ゲストからのフィードバックをきっかけに、内容が更新されていくこともある。

旅行経験が多い人であれば、ほかエリアとの違いを踏まえた提案ができたり。アートに詳しい人なら、館内の展示とまちにあるギャラリーをつなげて話すこともできるかもしれない。

スキルや経験の違いが、そのままサービスの幅になる。それぞれの強みを持ち寄ることで、チームとしての接客が成立していく。

ホテルの外に目を向けると、地域との関係も少しずつ育っている。

レストランを利用する地元の人や、アートイベントをきっかけに訪れる町会の人たち。ゴミ拾いに参加した際には、「ノーガさん」と声をかけられることもあった。

「町会のお餅つきで使った大きな臼を、ホテルに飾ってほしいと言っていただいたこともありました。しばらくロビーに置いていたのですが、初めて見るゲストも多くて、すごく反応が良かったんです。ホテルがまちの一部になっていると感じた瞬間でした」

ホテルで働いているというより、NOHGA HOTELで働いている感覚がある、と話す世羅さん。

「ホテルはこうあるべき、という枠にとらわれるのではなくて、この場所だからできることを考えていく。そのほうが、自分にとっても楽しいし、お客さまのことをもっと知ろうと思えるんです」

 

野村不動産ホテルズが手がける拠点は、都心の中心地にあり、どのまちも人口も文化も情報も集まっていて、一見すると匿名で効率重視のサービスになりやすい気もする。

でもみなさんの話を聞いていると、実際にまちへ出て知り、受け入れながら、ゲストと地域のあいだをつないでいる。

日々、変わる状況を楽しめる人なら、飽きることのない環境だと思います。

(2026/05/12 取材 大津恵理子)

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