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まずはやってみる
だから、楽しめる
仕組み、関係、空間、暮らし

各地で空き家が増え続ける一方で、値段が上がっていく改修費用や家賃。

さまざまな課題があって話が進みにくい空き家問題に対して、仕組みをつくりアプローチしてきたのが、株式会社ルーヴィスです。

ルーヴィスは、リノベーションを得意とする“アトリエ系”工務店。

企画から設計、施工までを一貫して行うことで、既存の建物を活かしたリノベーションを行っています。

空き家の可能性を広げるため、立ち上げた事業のひとつが「カリアゲ」というサービス。

「古い空き家があるけれど、リノベーションする費用がない」「管理がめんどうで放置している」という悩みを、オーナー負担ゼロで再生。一定期間後に収益物件として手元に戻すサービスを展開しています。

今回は、不動産担当としてカリアゲを運営していく人、そして設計から施工管理までを担当する人を募集します。

積み上げてきた仕事の流れはありますが、どうやるかは自分次第。

人と話し、関わりながら仕事を進めたい。

せっかくなら、かっこいいものをつくりたい。

そんな人たちが、ここには集まっています。



横浜から東急本線に乗って2駅。

日の出町駅前の賑やかな通りから1本路地に入ると、静かな住宅街が広がっている。

5分ほど歩いて、急な坂を登ったところにあるのがルーヴィスのオフィス。

外観はよく見かけるような1軒家。

玄関の扉を開けると、リノベーションされた空間が広がった。

古い棚や大きなコタツ、スチール製の靴箱、ピンク色の梁。

雑多なようでまとまっている感じがする空間がなんだか楽しくて、キョロキョロしてしまう。

「空き家でいらなくなったものを持ってきたり、自分たちで造作したものもあるんですよ」と話しかけてくれたのは、取締役の小井沼さん。

ルーヴィスの創業は2005年。

工務店として建築家と一緒に取り組むプロジェクトもあれば、自分たちで住宅や店舗、オフィスなどの設計から施工までを手がけることも。

2022年にM&Aが行われ、創業者から経営のバトンを受け取ったのが、小井沼さんが働いていた親会社。

それまで小井沼さん自身は、建築や不動産に関わったことはなかったそう。

出向することが決まり、リフォームの関連書籍を買って読むところからのスタートだった。

「そういえばと思って、『ルーヴィス』って検索してみたんです。そしたら最初に出てきたのが、ルーヴィスがコラボしてつくったラップの動画だったんですよ。なんかふつうじゃない、おもしろいことができそうだなって思ったのが第一印象です」

関わりはじめて4年。

会社を大きく変えるというよりも、今まで積み上げてきた考え方や関係性を大切にしつつ、より成長していける仕組みを構築しているところ。

ルーヴィスの事業のひとつが、空き家を活用していく「カリアゲ」という仕組み。

空き家や空き部屋をオーナーから借り受け、ルーヴィスの負担で改修。最初の7〜8年はサブリースという形でルーヴィスが運用し、その後はオーナーの手元に戻していく。

空き家を誰かに使ってもらいたいものの、必要な改修出費や入居者の管理に不安がある人が、最小限の負担で活用できるサービス。

「素晴らしい仕組みですよね。ほかの不動産屋さんとか自治体とか、もっといろいろな人に知ってもらおうと思って、積極的に人に会いに行くようにしてきました。そのなかで、リノベーションまちづくりに関わる人たちとも知り合って」

「いろいろな立場の人が集まって、空き家を活用して、まちを盛り上げようと活動している。建築や不動産ができることのおもしろさを知りました。自分も仕掛けられる側にいるので、これから、いろいろな企画を考えていきたいと思っています」

空き家が増えていく状況や法改正なども伴って、問い合わせ数は年々増加。

最近は東京・世田谷のHOME WORK VILLAGEにもサテライトオフィスをつくり、会社全体の事業をさらに広げる準備を進めているところ。

不動産担当としてチームに入るのは、どんな人がいいでしょう。

「そうですね。バリバリの営業、数字数字って人じゃないほうがいいかもしれません。営業に行ったときに伝えているのは、今後も継続的にコミュニケーションをとっていって、信頼できると思えたときにご相談してほしいってことなんです」

「関係性のなかで生まれる仕事みたいなものを大事にしてきたのが、ルーヴィスのカルチャーというか。僕は途中から入っているけれど、そういうところはちゃんと引き継いだほうがいいなって思っているので」

3年かけて宅建も取得したという小井沼さん。

思いがけず入った不動産の業界で、やってみたいことがいろいろと浮かんでいる。

「空き家ってこれからも増えていくじゃないですか。それなのに新築は、いったい誰が買えるんだと思うほど価格が上がっている。新築だけではなく、中古物件の価格も上昇し、都市部では家賃まで上がったりしている。そこにめちゃくちゃ違和感があるんです」

「ルーヴィスは、そこを変えることができるんじゃないかって。社会や地域の課題に貢献できるし、そこにチャンスもある。地道に1つひとつの空き家を活用していくことが、最終的にはまちの活性化にもつながっていくと思っています」



現在、カリアゲの運営をしている不動産部は小井沼さんを入れて3名。

中心になって仕事を進めている松本さんは、こちらの質問をしっかり聞いてくれるのが印象的な方。

建物を探訪するテレビ番組や、両親が家を建てたときに関わった大人の姿を見ていて、建築に関心を持つようになったという。

大学では建築を学び、古材を活用する方法について研究していた。

就職活動をしているなかで、古い物件を活用しているルーヴィスのことを知った。

「ただ、施工の募集が終わっていて、応募できるのは不動産部だったんです。これまで不動産について学ぶ機会がなかったので、チャレンジしてもいいかなと思ってインターンとして働いてみました」

入社したのは4年前。

当時は、先輩が1人でカリアゲを運営をしていて、松本さんは2人目のスタッフとして働くことになった。

「マニュアルもなくて、なんでも先輩に聞きながら。入社して3週間したら担当を持たせてもらって。もう、がむしゃらにやる1年でした。自分で失敗しながら学んでいくスタイルだったので、すごいスピードで成長はできたと思います」

空き家を持っているオーナーさんからの問い合わせに対して連絡して、現地調査。その後、想定賃料や見積もりなどを提案し、図面を起こすこともある。

施工後には入居者の募集を行い、物件によっては入居後の管理まで担当している。

「空き家に対して思い入れがあったり、ずっと持っていたけど判断ができなかったり。悩んだ末に相談してくださることが多いんですよね。その方によって事情は違うので、一人ひとりに合わせてお話を伺うようにしています」

お客さんと話をしながら、建物の情報を確認する。

それに加えて、家族構成や建物の思い出、活用にいたった背景なども聞くことを大切にしている。

「入る前は不動産って、数字を追う仕事なのかなって思っていました。一応目標の件数はあるんですけど、お客さんと向き合って、一緒にどうやって空き家を再生していくかを考えていたら、契約に進んでいくことが多いんです」

「スパッと決める方もいらっしゃるし、ご提案をしてから『考えますね』って一度話が終わってしまった方でも、数年後、やっぱりお願いしたいってご連絡をいただくこともあります。寄り添うのには根性というか、忍耐力、待つことが大事な気がしています」

物件に関するやり取りのほかにも、SNSの運用やECサイトの運営など、幅広い仕事を担当している。

なかでも数が増えてきている入居後の管理業務では、まだ慣れないことも多いそう。

「生活のなかで出てくる不具合に対応するので、楽しいことばかりではありません。なるべく早く元の生活に戻すために、すぐに対応するように心がけていますが、まだ慣れない部分もあるのが正直なところです」

「あとは、働く時間や場所が会社から指定されていないので、それぞれが働きやすい形で仕事をしています。自由ではありますが、自分で自分の管理をしないといけなくて。そこは、合わない人もいるかもしれませんね」

ルーヴィスで働く上でのむずかしさを正直に話してくれる松本さん。

仕事のなかで楽しいことを訊ねると、扱ってきた物件の写真を見ながら、施工部の仕事をうれしそうに紹介してくれた。

「建物のいい部分を残した上でリノベーションしてくれるんです。担当する人、一人ひとりの個性や色が出てくるので、仕上がるのが毎回すごく楽しみで。実際にそれを入居者さまがどう使っていくのか見せていただくことがあるのも、不動産部の魅力だと思っています」



施工部のメンバーは現在12名。

20代で活躍しているスタッフが多く、設計から施工管理、お客さんとのやりとりまでを1人で担当してプロジェクトを動かしている。

話を聞かせてくれたのは、メガネが似合う東島さんと、落ち着いた雰囲気の村上さん。

「建築学科を卒業して、ここで働きはじめました。設計だけだと机の上の話が多くなりますが、やっぱり現場に近いところというか、1/1でものが立ちあるところに行きたいなと思って。現場があって、つくる人もお客さんも、人の顔が見える仕事をしたいなって」

村上さんが入社したのは5年前。

不動産部と同様に1年目から現場を任されて、やりながら仕事を覚えていった。

「リノベーションなので、天井を抜いてみたらこんな問題があったとか、いろんなことが起きるんです。いつも一緒に仕事をしている職人さんたちが、厳しさのなかにも愛があるというか。一緒に頭を悩ませながら進んでいくおもしろさがあります」

担当した現場の1つが、築年数は不明の小さな木造2階建ての物件。

予算が限られるなかで、暮らしたい、借りたいと思ってもらえるにはどうすればいいか。

考えた末につくったのは、壁を抜いて光が入るシンプルな間取りと、ポツンと浮かんでいるようなタイルのキッチン。

「既存の柱がキッチンに刺さっているような部分は、大工さんと一緒に考えながらつくったのがたのしくて。すごく気に入っている物件です」

「これだったら予算に収まるとか、これを使えばイメージに近づけられるとか。使いやすい材料がわかっていたり、現場で相談しながら工夫していけるのが、工務店のいいところだと思います。制限があるなかでいいものができたとき、とても気持ちがいいんですよ」

施工部のメンバーは各々現場を持っていることもあり、オフィスで顔を合わせることは少ない。

設計もそれぞれで考えているというけれど、ルーヴィスがこれまでに施工してきた物件の写真を眺めていると、なにか共通しているものがあるようにも感じる。

「正解があるというよりは、いいと思うもの、ダサいと感じるものの共通認識がある気がします。あとはみんなが仲間でありライバルなので。ほかの人がいいものをつくったら悔しいし、切磋琢磨している感じはありますね」

「引き渡しや撮影の前に、細かい仕上げや掃除を自分たちですることがあって。ふだんはそれぞれに働いているけれど、5、6人スタッフを集めて作業する、文化祭の前日みたいな時間が好きなんです」

話を聞いていると、ほかのスタッフが庭に工具を持ってきて、なにやら作業がはじまった。

「テーブルをつくってるんだと思います。ここ1ヶ月くらい、集まった人たちでバーベキューするのが最近のブームなんですよ」

「ふだんはバラバラだし、今日は誰がどこにいるのかも知りません。だけど顔を合わせれば話しをするし、相談に乗ってもらうこともあります。同僚というよりも、いい距離感の仲間みたいな感覚が強いかもしれませんね」

一緒に働く仲間について、つくってきた空間について、楽しそうに話してくれるのが印象的なルーヴィスの人たち。

いい仕組み、いい関係、そしていいものをつくろうと、常に挑戦し続けていく。

そんなルーヴィスの仕事に惹かれるものがあれば、ぜひ、みなさんと話をしてみてください。

(2026/6/26 取材 中嶋希実)

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