こんにちは。日本仕事百貨のナカムラケンタです。
どこか素敵な土地で暮らしてみたい。ときどきそんなことを考えることがあります。でもどこに住んだらいいのだろう。しかも生きていくには仕事も必要です。日々を生きていくためにも、そしてお金を生まない働きを含めた地域とのつながりのためにも。
今回は福岡の南、筑後(ちくご)で暮らす3組の人たちを訪ねました。この辺りの話をよく聞くので、いつか行きたいと思っていた場所です。
この場所に縁がなかったけれども移住してパン屋をはじめた夫婦。一度は離れた地元に戻って酒蔵を継いだ方。そして福岡県内から移住して雑貨屋さんをはじめた夫婦。
どうしてこの土地で生きていくことにしたのか、まずはそんなところから話を聞いてみます。全6回の「ちくご」の話を通して「ちくごで暮らすこと」を考えていきます。
福岡の中心地天神から西鉄特急に乗り込む。特急といっても普通運賃で乗ることができる。
福岡の街を抜けると、電車は田園風景を進んでいく。30分ほどでゆったりと流れる筑後川を渡れば、もう久留米の街。
福岡の人に言わせれば、30分というとずいぶん遠いようなのだけれど、東京の感覚で言えば十分通勤圏内だと思う。
久留米はちくごの中心地だ。暮らしのために必要なお店もそろっているし、駅前もにぎやか。ごはんもおいしい。
ロータリーで「九州ちくご元気計画」の小嶋さんと待ち合わせして車に乗り換える。彼女も福岡市内で働いたあとに地元ちくごに戻ってきたひとり。
車窓はすぐに街中から田んぼが広がる風景に変化した。
筑後川沿いに上流へ向かっていく。川べりを走る道路は信号もほとんどなくて気持ちいい。河原の草原が風に揺れているのがよく見える。
40分ほどで「うきは」に到着した。久留米駅から電車で行っても40分ほどらしい。
週末は福岡市内から女の子がカメラ片手にカフェや雑貨屋さん巡りをする場所なんだそうだ。
背後には耳納連山(みのうれんざん)がどっしりと連なり安心感がある。けれども谷底の街ということではまったくなくて、広い盆地のような場所。その真ん中をゆったりと筑後川が流れていて、光にあふれている場所だと思った。
なんだかホッとするし、居心地がいい。
うきはの中心街には、真っ白な壁の立派な屋敷や蔵などが立ち並んでいる。
白壁通りといって、豊後街道の宿場町として栄えたそうだ。昔ながらのお店とともに、カフェや雑貨屋さんがたくさん並んでいて歩いているのが楽しい。
街の人とすれ違うと、みなさん自然に声をかけてくる。ちょっとびっくりした。ここではそれが普通のことなんだろうな。
そんな白壁通りにあるのが「モナパン」。地域になくてはならないパン屋さんだ。
オーナーの吉岡亮次さんを訪ねたところ、夫婦そろってお話を聞くことができました。
―今日はお休みのところお時間いただきましてありがとうございました。うきは、いい場所ですね。ところでおふたりのご出身はどちらなんですか?
吉岡亮次さん(以下、亮次さん) ぼくは高知県ですよ。嫁さんは北九州なんです。
―高知と北九州。一緒じゃないんですね。
亮次さん そうなんです。ぼくは島根県の松江です。喫茶店で働いて、そのときに出会いました。ウェイターをしたり、デザートをつくったりしていたのですが、あるときからパンを焼くことになったんです。きれいに焼けたらうれしかったんですね。
あるとき自分は何がしたいんかな、とすごく考えるようになった。ざっくりと喫茶店をしたいなと思っていたけど、パンが気になる。それで地元高知に戻ってパン屋で修行をはじめたんです。10年働きました。いつかは自分の店をもちたいですよね。それで場所を探しはじめました。はじめは嫁さんの実家のある北九州とか。
―麻衣さんは何か仕事はしていたんですか?
吉岡麻衣さん(以下、麻衣さん) 出会ったころから、言語聴覚士の仕事をしていました。肢体不自由児とか身体障害者の方がいらっしゃる施設で働いています。
―パートナーが独立する、しかも移住するかもしれない、となったら心配にもなりそうです。
麻衣さん 葛藤はありましたよ。でも私は子ども相手に仕事をしていて、絵本も好きなので、絵本のお店をはじめたいなと考えたんです。それならパン屋に併設したらいいかもしれないし。私には資格もあるから、つぶれちゃったら自分が働けばなんとかなるし。
―共働きって移住するときには強いですね。こちらの物件はどうやって見つけたのですか?
亮次さん この場所の大家である、遠い親戚のおばさんから連絡があったんです。脳梗塞で倒れて3年前にパン屋を閉めたからどうかね?と。それがちょうど4年半前。
―知らない土地で商売をはじめることは不安もありそうですけど。
亮次さん そうですね。ただ、とにかく自分のパンが焼きたかったんです。自分のお店を持ちたい、という気持ちしかなかった。
ちくごに移住することになったお二人。どんな暮らしがはじまるのか?後半に続きます。
ちくごを歩いて感じたこと、そして日本中で出会った生き方・働き方を共有する時間を福岡でつくることになりました。もし地域で働くことに興味がある方がいらっしゃったらぜひいらしてください。参加者同士が出会い、話をする時間もあります。
1日時
平成26年1月13日(月曜日・祝日) 14時~17時(13時半受付開始)
2会場
アクロス福岡 円形ホール(福岡市中央区天神1丁目1番1号)
3入場料
無料 ※事前の参加申込が必要です。
4定員
100名
5内容
第1部 講演 14時~15時
『テーマ:生きるように働くということ』
講師;ナカムラケンタ氏((株)シゴトヒト代表取締役)
第2部 パネルディスカッション 15時10分 ~ 16時10分
『テーマ:ローカルで働く・暮らす』
ファシリテーター;江副直樹氏(ブンボ(株)代表取締役)
パネラー;ナカムラケンタ氏 他
第3部 みんなのローカル談義 16時20分~17時
『テーマ:ローカルの現実を知る/リアル田舎暮らし大解剖』
6参加方法
【インターネット】
下記入力フォームにお進みください。
申込画面
【ファックス】
FAX申込フォームに記載のうえ、FAX 092-643-3164筑後田園都市推進評議会事務局(福岡県広域地域振興課)までお送りください。
FAX申込フォーム
※電話・Email等での参加申込は出来ません。
7応募締切
平成26年1月10日(金) 17時まで
8お問い合わせ
筑後田園都市推進評議会事務局 (福岡県広域地域振興課)
電話:092-643-3177
FAX:092-643-3164
Eメール:koiki@pref.fukuoka.lg.jp