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ー産業をつくりたいー

「しごとをつくる合宿」が開催される新島村。

この東京都の島には、ほかの地域と同じようにたくさんの課題があります。高齢化対策、定住化対策、少子化対策。その先にあるのは、産業をつくることなんだそうです。

村役場にて、村長と副村長に話を伺いました。
(話し手・青沼邦和村長、前田勝利副村長 聞き手・ナカムラケンタ)

新島村長コラム1

青沼邦和村長(以下、青沼村長) 青沼邦和と申します。今は新島村の村長をやっています。いつも村民のために何をしたらいいか模索しています。なにかあれば、一つひとつ実行に移し、難しいことがあれば、少しでも実現できるように何とかやっていこうと思っています。どんなことがあっても、できないとは言いません。できるように頑張っています。

新島村長コラム2

62年前に新島で生まれました。当時の島には保育園がなかったんですよ。わたしが小学1年生になったときに、はじめて保育園ができましたので。

小学3年生までは、農繁期には休みになって、芋の栽培など手伝っていました。

中学生になったときに給食ができて、学校にはプールができました。高校はまだそのときは定時制で、大島高校の分校として中学校の校舎を借りていた状態でした。わたしたちが最後の3クラスでしたね。今は各学年1クラスです。

いろいろなものがそろっていく歴史でした。仕事も今とは大きな違いがあって。子どものころは、今ほど観光業に従事していた人はいませんでした。たとえば、漁業をやっている人は、冬場になると建設業をやっていましたね。

そして離島ブームがやってくるわけです。みんな民宿をはじめて、夏はお客さんがたくさん来るから漁師さんもお休み状態でした。それが今では宿も減っている状態です。

観光も夏はいいのだけれど、年間を通して仕事がないんです。だから高校を卒業すると、みんな島の外に出てしまう。それがなかなか難しいことなのです。

移住してもらうにしても、仕事と家がないといけません。けれども今は住む場所がないんです。仕事も家もなければ、誰も定住はできません。

前田勝利副村長(以下、前田副村長) 村長が公約にしているものに、定住化対策があります。それと少子化対策。もともと伊豆諸島の中でももっとも高齢化が進んでいるので、高齢化対策には以前から力をいれてきました。

わたしは役場に勤めて34年になります。村長をサポートするのが役割ですが、2代続けて民間出身の村長でしたから、わたしの責任は非常に大きいと思っております。

新島村長コラム3

定住化対策としては、まず住むところがないと困ります。あとは仕事がないと来てもらえないというのがあります。それで空き家バンクという制度を活用しているのですが、登録される空き家がまだまだ少ないです。

新島村の場合、60〜70%は村有地なんですね。だから、村有地を有効活用する必要があります。分譲して家を建てることも考えていますし、あとは土地を提供することで、企業に来てもらうのもひとつの方法かもしれません。

もうひとつの少子化対策としては、子育て支援に力をいれています。毎週金曜日の放課後に学校の施設をつかってこども教室を試験的に行ったり、月に一回講師を呼んで話していただいたり。あとは多世代交流ということで、大人も子どもも集まるような機会をつくっています。

青沼村長 ぼくらが小さいときはお兄ちゃんたちが良いことも悪いことも教えるわけです。だから分別ができた。今の子どもたちは、そういうことが減ってきてしまっている。それぞれの世代に分かれてしまっているし、家に閉じこもってしまう。ゲームとかスマホとか。外へ出て何かをすることがなくなってきています。学校じゃできないことをしていきたいですね。

定住化対策や少子化対策の次に必要なことは産業をつくるということ。わたしは民間出身なので、産業をつくるということがわかるんだけれど、まだまだそこに至っていません。やらないといけないことがたくさんあります。

けれども産業をつくっていくとしたら、いろんな産業がうまく輪になっていけるようなことを考えていきたいですね。観光業も農業も漁業も、バラバラに考えてはいけない。だからいろんな人の話を聞くようにしていますよ。

たとえば、農業だったら1年中栽培できるものをつくるとか。島だけじゃなく、外に送れるものがいい。たとえば明日葉なんかは、水耕栽培も可能なので年間を通してできます。雇用も増える。

あとは漁業も生きたまま魚を送ることもできるようになりました。箱のなかにいれて、眠らせて送ることができるので、新鮮な魚を送ることができるんです。

前田副村長 2060年には国の試算で新島村の人口は1258人になっていると言われています。今は2781人ですから、半分以下です。ある程度、食い止めることができたとしても、1500人くらい。

ただ、首都圏には3500万か4000万人の人がいます。そのなかの0.01%が島に来てくれたら、相当な人数なわけです。飛行機で30分、高速船で2時間40分ですから。しかも島民になると割引もあります。

新島村長コラム4

できるだけいろんなことを早くやらないといけません。スピードが大切です。1、2年で結論を出さないといけないと考えています。そうしないと変わらないので。そのためには人が必要です。

最後は人だと思っています。島に住んでくれたら、わたしは島の人だと思っています。よそ者という意識はありません。島に住んで、活躍してほしいですね。

青沼村長 ぼくらにはわからないことがあります。島に来てくれた方には、たくさんアドバイスをいただいたり、協力してもらいたいです。

インタビュー

しごとをつくる合宿 梅田久美(NABLA)×下井勝博×木村諭史
▷新島に生まれたもの 林厚見(東京R不動産)×麻生要一郎(元saro主人)
▷やってみないとわからない オオノケンサク(WAX)
▷産業をつくりたい 青沼村長×前田副村長 

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