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暮らしの家具に

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

アンティークの家具って、いいですよね。

けれども椅子だけを買ってみると、これまで使っていた机の高さに合わなかったり、食器棚に虫食いの穴が空いていたり。

そんな小さな違和感をなくすように手をかけると、アンティーク家具は使い心地をともなって、ぐっと魅力的になっていく。

ライプレ6月 - 1 (2) ライジングプレナーは、アンティークを暮らしの家具にしていく工房です。

アンティークの仕入れからリメイク、国内最大級のネットショップ「ラフジュ工房」をはじめ、「アンティークギャラリー和音」「丁寧な暮らし」での販売まで、一貫して行っています。

ともすると、少しだけ敷居が高く感じるアンティーク。

今回は、アンティーク家具を身近に感じてもらえるようなコンテンツをつくる広報を募集します。

また、広報では、お客様から直接聞こえてくる声をコンテンツに反映していけるよう電話対応も担っていきます。

経験は問いません。

日々の暮らしで感じることを大事にできる人であれば、アンティーク家具を伝えていけそうです。

職場のまわりには、四季を肌で感じられるような豊かな自然。

じっくりと、暮らしに向き合えそうな環境がありました。



ライジングプレナーがあるのは、茨城・常陸太田市。

関東平野のはしっこというこの土地は、遠くまでひろがる田んぼや畑がきれいでした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 水郡線の常陸太田駅からタクシーに乗って15分ほどで到着。

奥に見えるのは、アンティークのリメイクや、撮影スタジオのある工房。手前が事務所になっています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 現在建設中の真ん中の建物は、あたらしい撮影スタジオと事務所になるけれど、以前はここに家があったそう。

「もともと好きだったアンティーク家具を仕入れて、家の裏で修理をしていたのがはじまりなんです」

そう話すのは、代表の岩間さん。

ライプレ6月 - 1 (12) 1人ではじまった会社も、今では40人のスタッフがいます。

そんなライジングプレナーの家具は、アンティークの古さも生かしつつ現代の生活で使いやすいようにリメイクし、きれいに仕上げられている。

「以前のわたしがそうだったんですけど、アンティークの世界にどっぷり浸かってしまうと、アンティーク家具の不便さやよごれも古いものの味として受け入れてしまいがちなんです」

「でも、ふだんの暮らしの中で使いたいと思う人にとって、アンティークは美術品ではなく家具なんですよね」

アンティーク家具を、アンティークだけの世界から、ふだんの暮らしの中へ。

メインターゲットである女性のお客さまや、はたらくスタッフの声をもとに、生活の中でも使いやすいよう工夫を重ねてきた。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 「これからは、アンティーク家具をもっと身近に感じてもらえるよう、ウェブサイトのコンテンツを充実させていきたいんです」

始まっているのは、アンティーク家具を生活で使うときに知りたい情報を提供していくサイト「アンティークログ」。実際にライジングプレナーで購入したお客さまが生活の中でどんなふうに使っているかを訪ねて紹介する「出張訪問」のコンテンツなど。

「アンティークを使ってみたいと思っている人が疑問に思ったり、不安に思っていることを、ひとつずつ解消したい。そのために、それぞれのコンテンツで適切な情報を提供したいと思っています」

今回募集するのは、広報としてコンテンツをつくっていく人。

具体的には、ライターやインテリアコーディネーター、それからカスタマーサポートなどの業務も担うそう。

どうしてカスタマーサポートも広報の部署に入るのですか。

「カスタマーサポートって、現時点ではお客さまに一番近い。その一番近い人と広報が融合することによって、コンテンツづくりにもいい効果が生まれると思っています」

とはいえ、販売をウェブに絞るライジングプレナーにとって、カスタマーサポートは大切なセクション。

お客さまにとっても、直接電話であれこれと不安に思うことを聞けるカスタマーサポートの存在は大きい。

会社としても、カスタマーサポートのスタッフが気持ちに余裕をもってお客さまとお話しできるよう、電話対応の日はほかの業務をしないなど、お客さまに集中できる環境をつくろうと考えているところ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA アンティークを身近に感じてもらいたい。

方法は、サイトや電話対応だけにとどまらないようです。

「骨董市やワークショップ、展示会など。サイトだけでなく、じっさいに触れてもらう機会も設けていこうと思っているんです」

「広報の人は、俺と一緒にそういうのをいろいろ考えていってもらいたいですね。なにやる?って」

そう話す岩間さんからは、できそうなことはどんどんやってみようという姿勢が伝わってくる。

それは自分だけでなく、スタッフの声にも耳を傾けてのこと。

「自分一人の考えで進めてもうまくいかないことがあるということは、いやというほど知っていますから(笑)」

「自分の考えをしっかり表現できる職場なので、そういう気持ちのある人にきてほしいですね。なんの制約もないですよ。それが100点の答えでなくても、70点でも60点でも。まずはやってみよう、って社風です」



こんな岩間さんと一緒に働いている人はどう感じているのだろう?

話を聞いたのは広報全般を担っている茶園さん。

「風通しがいいですよ。プロジェクトも動かしやすい。みんなが一生懸命考えているからこそ、アイディアが出てくるんだと思います。意見のやりとりができる環境をすごく求めていたので、ここへ来てよかったなと思います」

入社してもうすぐ2年になるという。前職は、デザイン事務所でグラフィックデザインをしていました。

一緒にお話を伺ったのは、左に座る受川さん。主にカメラマンをしています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 茶園さんは今、主に「アンティークログ」でのライティングをしているそう。

最近書いたという、ガラスケースの記事を紹介してくれた。

「アンティークらしいものを紹介したいなと思って浮かんだのが、ガラスケースでした。うちにも沢山の種類があったのでこれは売ってやろう、と(笑)」

インターネットなどで調べてみると、DIYでつくるほど欲しいと思っている方がたくさんいることがわかった。

「DIYのものもとてもうまくできていて素晴らしいなと思うんですけれど、ふだん工房で実物を見ていると、アンティークのほうがやっぱり映えるし、家具としてもしっかりしているので雰囲気が全然違う、と思う気持ちもあって」

「そこで、アンティークで選ぶ際の選択肢を紹介したんです。価格の相場、食べ物を入れる際の工夫、選び方のアドバイス…。フラットな状態で情報発信して、その情報をもとに、この記事に辿りついた方に好きなほうを選んでもらえたら」

ライプレ6月 - 1 (6) 一つひとつ丁寧に調べ、かつ、適切な情報を取捨選択していくという。

「このページは、具体的にどう使うのか、どのくらいの値段で買えるのかというような、より実際にガラスケースが欲しいお客さまに向けて情報を提供しています。そのため、ここでは選ぶときに知りたいことに情報を絞って、アンティーク家具の歴史のようになくてもよいものは省いているんです」

そこには、ユーザー目線が欠かせません。

けれど、ふだんはアンティーク家具に囲まれているみなさん。

どうやったらアンティークを知らないユーザー目線を見つけられるんだろう。

「そうですね…。わたしは、ふだんの生活でアンティークじゃない家具に触れているときや、仕事でコーディネートをしているときなど、家具に触れていて感じた違和感みたいなものをふっと口に出すようにしています」

違和感みたいなもの?

「『天板の高さ高すぎるな』とか『デスクに対して椅子が高いな』とか。そういう日常で感じたことを覚えておいて、お客さまがアンティーク家具を選ぶ際の注意点としてお知らせしたり、対策として椅子の足の長さをカットしてくれるお店を紹介したりします」

ふだん、暮らしているなかで感じる違和を大切にする。

そういう積み重ねによって、ユーザー目線は養われていくのかもしれない。

すると、隣で話を聞いていたカメラマンの受川さんも、こんなふうに続けた。

「うちのスタッフはみんな、目の前にある家具が、自分の生活の中にどうあったらうれしいかを大事にしているんじゃないかなと思うんです」

自分のこととして考えるんですね。

「そうですね。自分の暮らしをもとに、仕事に向き合うスタッフが多いと思います。その表現の仕方が、修理や撮影、広報、電話対応と変わってくるだけで、スタンスは同じなんです」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 「カメラマンのわたしのところに商品が来るときは、完成品としてお客さまに送れる状態です。そこでもし椅子にがたつきがあれば、リペア(修理)のところへ持っていって『これどう思いますか?』って聞いてみるんです。するとみなさん、生活の中にあったら、ということを想像してくれるので、納得して直してくださるんですよね」

どんな人に向いていますか?と尋ねると、茶園さん。

「ふつうの日常生活の中でもいいので、ありふれたものに興味があったり、関心を向けられる方なら広報に向いていると思いますよ」

ここはどうなんだろう、と思うことは丁寧に拾いあげ、アンティーク家具に照らし合わせる。

そんな気づきが、暮らしの中から生まれていることが印象的でした。



取材を終えて外へ出ると、すっかり夕方になっていた。田んぼからは、蛙の声がする。

工房や事務所で仕事をするみなさんも、18時には帰っていくという。

あたりには光るものがないから、ゆっくりと眠れそう。そしてまた、朝になったら緑を眺めながら出勤するのだろうな。

ふだんの暮らしから、暮らしの家具を届ける。

ここには、暮らしと仕事がつながる、健やかな働き方があると思います。

(2017/1/12 倉島友香)