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よく笑う。何にでも興味を持つ。失敗しても卑屈にならない。言われたことは、まずやってみる。
今、Rバンクで、「素直なエース」としてかわいがられている、新人さんの特徴を挙げてみました。
素直さは、まっすぐに成長していく力。それって、仕事を楽しむための一番の近道なのかもしれません。
株式会社Rバンクは、空き家など古い物件をリノベーションし、女性向けシェアハウスやホステルなど新しい時代のニーズと、空間・建物とを結び付けてきた会社。
今回は、ここでシェアハウスと一般賃貸の企画管理運営を担当する人を募集します。
東京・渋谷駅。東口から歩いてすぐのところにあるビルに、Rバンクの事務所はある。
話を聞いたのは5階のミーティングルーム。
取締役でコーディネート・賃貸事業部部長の金子さんにお会いするのは、これで3回目。「あ、髪切った?」と、いつもこちらの些細な変化を気にかけてくれる、明るいお姉さんみたいな方。
金子さんは最近どうですか。
「Rバンクは昨年京急電鉄さんの傘下に入って、沿線のエリアを中心にシェアハウスやホステルを増やしていきつつ、まちの活性化というミッションにも取り組んでいます」
20代のころからずっと不動産の仕事をしてきた金子さん。14年前、仲間と一緒に立ち上げたのがこのRバンク。
当時はまだ珍しかった、女性向けのおしゃれなシェアハウスや、古い民家やビルをリノベーション、コンバージョンした個性的な物件をリリースしてきた。
たとえばシェアハウスでも、エントランスに大きな本棚を備えた『目白文庫』や、吹き抜けのリビングに明るい光を取り込んだ『tutumu高円寺』など、まちや建物の雰囲気を活かした空間づくりには定評がある。
備え付けの椅子やテーブルは、物件のテイストに合わせてコーディネート。エスニックな照明や、北欧家具、ちょっとキッチュな小物。
その町に暮らすのはどんなひとか。具体的な想像を膨らませながら部屋をつくっていく。
「デザイン性も大切にしていますが、何よりも安心安全が大切。古い物件を扱う上で必要な工事は絶対に削りません。残りの予算でデザインを考え、インテリアをどう工夫するか。予算がないときは自分たちでDIYということもあるんですよ」
これから入る人も、まずは物件の案内や管理などの仕事からスタートして、ゆくゆくは内装やデザインの企画にも携われるように、仕事を覚えていくことになる。
「一緒に働く仲間は、向上心を持った人がいいですね。これから京急さんと一緒に、もっとどんどん新しい取り組みをはじめるので、スタッフ一人ひとりも成長したいっていう気持ちでいてほしくて」
「もうひとつは素直であることかな」
何度もお会いするなかで、今回はじめて金子さんはご自身の失敗経験を話してくれた。
「私は20代のころ、デベロッパーで高額物件を扱う不動産売買の営業の仕事をしていました。3年くらい経って仕事の自信がついてきたころ、モデルハウスにいらしたお客さんから突然、『もう帰る』って怒らせてしまって」
ラフな服装から無意識に、「このお客さんは高額な物件はどうせ買わないだろう」と思ったことが見透かされていた。
「先輩と一緒にすぐに謝りに行ったら、本当に腹を立てたんじゃなくて、若くて未熟だった私を諭すために注意してくださったことがわかって。それ以来ずっと、どんな人にも先入観なしで素直に、公平に接しようっていうのは肝に銘じているんです」
売買でも賃貸でも、家に関わる決断は誰にとっても重大なこと。その方の収入など、プライベートな情報を扱う仕事でもある。
「この人なら自分の住まいについて身を預けられる」と思ってもらえるかどうかは、テクニックではなく、人となりや性格のほうが大きく関わってくるのかもしれない。
「正直に自分の間違いを認めたり、ごまかさず誠実に伝えたり。そんな素直な子だからこそ誰からもかわいがられる、またそれが本人の成長にもつながるんですよね。そういう意味で、今うちにエースがいるんですよ」
金子さんに紹介されたのは、昨年12月に入社した関山さん。今はシェアウスの募集管理を主に担当している。
「シェアハウスのチームは私も入れて4人。全員女性ってどんな感じだろうって、最初はちょっと不安だったんですけど、先輩に『みんな一人で牛丼食べられるような女性だよ』って言われて、今は本当にその通りだなって思います。みんなサバサバした人たちです」
関山さんは大学を卒業後、地元の茨城、香川、島根と働くためにいろんな場所を転々としてきた。
「私はいろんな環境での暮らしに興味があって。Rバンクの仕事も、都内を中心にいろんなところに物件があるので、たくさんのまちや暮らしに出会えるのは楽しいですね」
仕事のことを明るく話す関山さんも、実は少し前にある「壁」にぶつかっていたのだそう。
「入社した最初のころよりも、お客さんから入居の申し込みがいただけなくなってしまったんです。それで、もう一度初心に帰って先輩たちの案内に同行させてもらったり、自分の案内を録音して聞いてみたり」
そこで先輩からのアドバイスを試してみると、自分のご案内の仕方が基本と少し違っていることに気づき、お客さんとの接し方を見直すきっかけになった。
また募集業務の傍ら、少しずつ物件のデザイン・インテリアコーディネートなどの仕事も覚えているところ。
金子さんや先輩に誘われて、一緒に家具・インテリアのお店のレセプションパーティーに行くこともあるという。
「先日も、私は会場で展示されているかわいい雑貨に気を取られてしまうんですけど、金子さんに『そこだけでなくて、ディスプレイの仕方やディスプレイをしている什器自体を見て学ぶんだよ』って教えてもらったりして」
先輩たちにかわいがられている関山さんにも、先月からは後輩ができた。
関山さんが教える立場で関わっているのが、西村さん。昨年の日本仕事百貨の記事を見て入社した。
前職では、有名なプロレス団体で巡業等に関わる仕事をしていたという西村さん。どうしてこの仕事に?
「業種や条件というより、チームの雰囲気がよさそうだなと思って。入ってみたら想像していた通り、みんな明るくてテキパキしている感じでした」
西村さんは今、まずは全部で約50ほどあるシェアハウス物件の巡回をしたり、先輩たちの物件案内に同行したりしながら独り立ちするための仕事を覚えているところ。
「いろんなまちを回るので、体力は必要ですね。今は覚えることで精一杯だけど、これから少しずつ、地域のお店とかも知ってお客さんに伝えていけたらいいなと思います」
「先輩たちはご案内のとき、『お風呂の排水口に溜まった髪の毛は自分で掃除してくださいね』というような細かいルールまで一緒に伝えていて。すごく丁寧だなあと感じます」
先輩に教わったり、後輩に話すことで自分も振り返ったり。お互いに学び合いながら成長しているRバンクのチーム。
ふたりのように未経験からスタートしたばかりのメンバーもいる一方で、子育てをしながら長く働くスタッフも多い。
管理物件全般の運営に携わっている中牟田(なかむた)さんもその一人。入社してもうすぐ9年になるという。
「うちで扱う物件は、賃貸でもちょっと変わった物件が多いので、賃貸管理の業界で働いたことがある人でも少しギャップがあるかもしれません」
今は金子さんの右腕として大きなプロジェクトに関わることも多くなった中牟田さん。最近関わったある物件のことを話してくれた。
「神奈川の東戸塚にある集合住宅で、もとは法人の社宅として使われていた建物を、一般賃貸物件にリニューアルすることになったんです」
建物の周りはみどり豊かで環境は魅力だけど、駅まではバスを利用しなければいけない。
さらにリノベーション費用の面でどう折り合いをつけるかなど、いくつかの検討課題があった。
そこで、まずこの環境を必要としている入居者をイメージするところから企画を練ることに。
「最初にイメージしたのはペットを飼っている人。建物の両端はペット可にして、大型犬や二頭飼いもOKという希少性の高い条件を打ち出すことにしたんです」
みどり豊かな草地は動物だけでなく、子どもたちの遊び場にもなる。それに電車通勤を必要としないシニア世代は、駅から遠い静かな環境を必要としているはず。
そんな考えから、次に浮かんだのがファミリー層。建物の一部は家族がくつろげる和室を備えた仕様に。
一番の課題だった費用は、一部をDIY住宅としてリリースすることで抑えた。
「構造や防水など、建物の安全性にはしっかりと費用をかけ、DIY可能な住戸では壁や床の塗装を住人の方が楽しめる余白を残すことで、内装費を抑えることができました」
駅から遠いという悪条件でありながら、マンションはリリースから半年で満室に。
もとは社宅という限られた用途だった住まいに、多様な人が暮らしはじめた。
新しいプロジェクトに携わる一方で、すでに入居している人が安心して暮らせる気配りや、オーナーからの相談を受けるのも、賃貸チームの大切な仕事。
「たとえばDIYの相談とか、ほかにもリノベーション物件が多いので細かい修繕対応は結構ありますね。一方で、オーナーさんの収益性を上げるためにどうすればよいかを考えることも必要です。扱うことの幅が広いのも、この仕事の特徴かもしれません」
以前お話を聞いたとき、賃貸の仕事はちょっとずつコツコツ取り組むことが得意な人に向いている、とおっしゃっていましたね。
「そうですね。一つひとつ問題を解決することに喜びを感じるような人。入居者さまから困りごとの連絡を受けたときも、相手の勢いに流されず冷静に。オーナーさまも入居者さまも両方納得できる解決策を探ります」
たとえば設備の不具合の場合。原因は経年劣化なのか、過失なのか。オーナーさんは、どのくらい修繕に予算をかけてくれるだろう。
一つひとつ分析するように考えて、解決策を見つけていく。
「相手を不安にさせないコミュニケーションをするためには、入居者さまやオーナーさまに何を伝えるか、ということだけでなく、伝えるタイミングも大切ですね」
業務としてこなすだけでなく、相手の不安に寄り添うように。スキルだけでなく、ここでも人柄が出そうですね。
「あんまり真面目すぎなくてもいいんです。一人で思いつめちゃうと辛いので、チームのみんなでアドバイスをしあって考えていく。いろんな人とコミュニケーションをする仕事なので、素直に人と話すことを楽しめる人がいいですね」
素直なひと。
いろんなことを吸収して、人の暮らしに新しい提案ができるように。
仕事を通して人としても成長したいと思うなら、ここはいい土壌のある会社だと思います。
(2019/10/8 取材、2021/9/7 再募集 高橋佑香子)