求人 NEW

おいしいだけじゃない
素直な心が
チョコレートに宿る

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

人が成長するためには、何が必要だろう。

その人自身のやる気はもちろん必要だし、それをサポートするまわりの環境も大切。

そして何より、いろんなことを吸収する素直さがあるかどうか。それが成長の鍵のような気がします。

愛媛・今治に拠点を置く株式会社ありがとうサービス。

ブックオフなどのフランチャイズ事業を軸にしつつ、食と宿泊で瀬戸内地域を元気にしようと、手づくりのハムやチョコレートの製造販売など、さまざまなプロジェクトを手がけている会社です。

今回はそのプロジェクトのひとつ、愛媛・松山にあるチョコレート屋さん「chocolaterie tsumugi」でパティシエとして働く人を募集します。

製菓の経験があれば歓迎ですが、なくても1から学んでいけるような環境だと思います。風通しのいい関係性のなかで、おいしいお菓子をつくる仕事です。

 

tsumugiがあるのは、愛媛・松山。伊予鉄の松山市駅から歩いて15分ほどの場所にある。目の前には松山三越があって、人通りは多い。

今日は製造に集中する日ということで、お店は閉まっている。

なかに入ると、販売ディスプレイのほかにカウンターが。オープン時は店内でスイーツを食べることができるそう。

お菓子の甘い香りに、なんだかお腹がすいてきた。

お店で迎えてくれたのは、店長の亀田さん。

島根県出身で、大阪にある専門学校「レコールバンタン」で製菓を勉強。

それからは関西で有名な「パティスリーメランジュ」というお菓子屋さんで働いたり、米子の全日空ホテルで働いたりと、チョコレートやケーキ、コース料理用のデザートなどの洋菓子づくりを幅広く手がけてきた。

「高校生くらいからお菓子つくりたいって思ってたんですけど、最初の動機はパティシエってモテそうやなっていう、不純なものだったんですよ(笑)。当時はユーチューバーとかいなかったから、なりたい職業でも上位にあって。男でお菓子をつくれるって、なんかかっこいいじゃないですか」

「それで大阪に出て勉強し始めたら、お菓子って面白いなって思うようになって。在学中にフランスのリッツカールトンでも研修させてもらって、いろんなスイーツをつくってきました」

愛媛に関わるようになったのは、7年ほど前のこと。愛媛を中心に食と宿泊での地域活性を目指しているありがとうサービスと出会い、スイーツ部門でジョインしたのがきっかけだった。

「社長が話してくれた、添加物を使わない、体にいい食をつくっていきたいっていうことに共感したのが大きかったです。それでこのお店をつくったんですが、最初はパンとスイーツのお店だったんですよ。ただ、3年くらいやってなかなか経営がうまくいかなくて。それで2年前にリニューアルして、今のスイーツ専門店の形になりました」

tsumugiの看板商品は、ショコランという名前のお菓子。

チョコレートとバタークリームをチョコクッキーで挟んだもので、定番のハイカカオに抹茶や瀬戸内レモンなど、いくつかのフレーバーがある。どれも県内産の素材を使っているそう。

「ショコランは3種類のチョコレートを感じてもらうというテーマでつくっています。まずはチョコレートクッキーでサクッとした食感と苦味を。チョコレートを混ぜたバタークリームで口溶けのよさを。そして真ん中に入れている生チョコで、もう一度チョコレートの存在感を」

「とくにこだわっているのは、バタークリームですね。チョコレートとバタークリームを合わせて、通常のバタークリームよりも口溶けがよくなるように、試行錯誤してつくりました」

今でこそバタークリームをサンドしたお菓子が広く売られるようになってきたけれど、当時は本格的に商品として売り出しているところが少なかった。

オープンしてすぐテレビの取材が入ったこともあり、行列ができるほどの人気に。

「本音を言うと、本当は別の商品をやりたいと思っていたんです。いわゆるボンボンショコラっていう、一粒にすごく手間をかけてつくる単価の高いチョコレートを売りたいとずっと思っていて。東京だとそれでも売れると思うんですが、松山で売るなら単価を抑えて見た目もわかりやすいものにしないとむずかしい。それで考えたのがショコランだったんです」

丸くてかわいいデザインに、一個320円というお手頃な価格設定。

オンラインでも販売していて、現在は生産が追いついていない状態。今回新しく人を募集するのも、そういった背景があってのことだそう。

また、近いうちにもう一つ店舗をオープンする計画もある。そこは『chocolaterie tsumugi』ではなく、『atelier tsumugi』という名前にして、チョコに限らずいろんなケーキを出すお店にしていきたいのだとか。

「ケーキでも、県内産のフルーツや素材を使った商品をつくりたいと思っていて。いま一歳半くらいの子どもがいるんですけど、少しずついろんなものを食べられるようになってきたんです。そうすると、親目線で食べるものがすごく気になっちゃうんですよね」

「なので、まずは県内の素材で安心して食べられること。それと合わせて、この商品に使っている果物はこれです、みたいな感じで、生産者さんにもメリットがあるような売り方ができたらいいなと考えています」

現在は、亀田さん含め正社員2人と、パートさん5人で回している状況。学生や主婦も働いている。

基本は9時出勤で、18時ごろには終了。残業もできるだけないようにしているけれど、バレンタインなどの繁忙期には残ってもらうこともあるそう。百貨店などの催事で出店するときは、その売り場にも立つ。

また、大きいミキサーなども使うため、意外と力仕事もあるのだとか。

新しく入る人は、お菓子づくりの経験が必要でしょうか。

「もちろん製菓の経験があればありがたいです。でも、経験がなくともやる気があってお菓子が好きであれば、初心者でも1から育てていきたいと思っています。僕が一番気にするのは、素直かどうか、なんですよね」

素直かどうか。

「やっぱり素直な人のほうが、教えがいがあるんですよ。僕、言い訳をすぐしちゃう人が個人的に苦手で(笑)。話したことを素直に吸収してくれる人が、一番伸びやすいと思うんです」

なるほど… たとえば、将来的に独立したいと考えている人でもいいんでしょうか。

「ぜんぜんいいと思います。そういう願望がある人のほうが伸びると思うので。なにかしらの目標を持っている人だといいかもしれないですね」

tsumugiは製造と販売だけでなく、店内カフェでの飲食提供もある。自分でお店を出したい人にとっては、一通りの経験ができる環境だと思う。

「うちはとりあえずやってみようっていうのを大事にしていて。新しく入った人も、すぐ製造の仕事をしてもらってます。やっぱりやらないと上達しないと思うんですよね。僕自身、駆け出しのころに働いたお店では、半年間ずっと販売だけだったんです。そうすると、『お菓子つくりたいのに…』ってなるじゃないですか。それでは人が育たないなと」

「僕が全部つくるほうがクオリティは安定するけど、スタッフが育たないとお店として次のステップに進めない。失敗してもいいからチャレンジしよう、洗い物は俺がやっとくわって。うちはそういう感じです。自分の手を動かして、なんでこれ失敗したんやろうって考える。それを積み重ねていくのがいいと思うんです」

 

続いて話を聞いた堀田さんは、いろんなことにチャレンジしていて、成長真っ最中の方。

京都出身の堀田さん。愛媛へは結婚を機に移住してきた。

「去年の11月くらいに松山に来て。SNSでtsumugiのことは知っていたので、買いに行ったんですよね。そのとき買ったのはショコランのハイカカオと、ケーク・オ・ピスタージュっていうチョコとピスタチオを使ったケーキでした。めっちゃおいしかったです(笑)」

「そのときに、店頭に貼ってある募集ポスターを見て。人と関わるのが好きで、自分が好きなものが置いてあるところで働きたいと思っていたので、迷わず応募しました」

実際に働いてみてどうですか?

「楽しいです。人間関係がすごくいいんですよ。それにびっくりして。最初ってわからんことばっかりじゃないですか。それでいろんなことを質問しても、めんどくさい雰囲気とか一切出さず、全部優しく答えてもらえる」

最初は、店頭で販売の仕事から。商品を覚えていって、すぐに製造の仕事も任されるように。

「製造はクッキー生地に卵を塗る作業からやりました。一回で900枚あるんですけど、慣れてないとめっちゃ時間かかるんですよ。あとはできたショコランを銀紙に包む作業とか。これも破れないように包むのがむずかしくて。ひとつの作業だけやり続ける感じではないので、飽きずに楽しくできてます」

「卵塗ってるときも、先輩が『同じ作業ばっかりでごめんね。ゆっくりでいいから』って言ってくれたり。わたしが間違えてしまって、また教えてもらうっていうときも『わからんことあったらいつでも聞いてね』って一言添えてくれたり」

「そういう言葉が自然と出てくるのがすごいなって。つくってる人がすごくいい人で、それがお菓子にも滲み出てるんかなって思っちゃう。おいしいだけじゃないんやって。この人たちがいてこそずっと売れてるんやろなって、それは働いてみてすごく感じました」

印象に残っていることを聞いてみると、お店で接客をしていたときの話をしてくれた。

「わたし、商品と関係ない話をしちゃうことも多くて。以前、これから両家顔合わせがあるから、そこに持っていくんだってうれしそうに話してくれた方がいたんです」

「人が多くなると、どうしても並んで待ってもらう時間も長くなる。そういうときも、ありがとうねって、気持ちよく帰ってもらえるような接客ができたらいいなと思うんです。未経験のことばかりで、毎日が精一杯なんですけど、ここでがんばりたいって思っています」

帰り際、堀田さんにおすすめの商品を聞くと、「ショコランのハイカカオ! でもピスタチオのお菓子もおいしいです…!」と元気よく教えてくれた。

いい人がつくるから、お菓子もおいしくなる。堀田さんの話していた言葉は、取材のあとも頭のなかに残ったし、本当にそうだなあと思いました。

まずは素直な気持ちで飛び込んでみてください。

(2022/3/10 取材 稲本琢仙)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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