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やりたいことは
おふろで実現?
ゼロから経営を学べる道場

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「うちの利用者層は、他にないぐらい幅広いと思います」

旅する温泉道場が運営する、温浴施設「おふろcafé 湯守座(ゆもりざ)」。代表取締役社長の宮本さんの言うとおり、湯守座には日々いろんなお客さんが訪れます。

朝風呂を楽しみにくる高齢の方、仕事終わりにひと風呂浴びにくるサラリーマン。土日は、ファミリー層やカップルのデートスポットとしても人気です。

老若男女問わずさまざまな人が楽しめる場所って、実はそんなに多くない。

ターゲット層も広く、温泉からカフェまで複数の機能を持つこの場所は、経営を学ぶ環境としてぴったりかもしれません。

今回募集するのは、おふろcafé湯守座の支配人候補。支配人と聞くと少し構えてしまうけれど、実力より意欲のある人を求めています。

今は経験もスキルもないけれど、いつかは自分で仕事をつくりたい。そのために、まず力をつけたい。そんな人に、ぜひ読み進めてほしいです。

 

おふろcafé 湯守座があるのは、三重・四日市。

名古屋駅から近鉄特急に乗り、30分で近鉄四日市駅へ。そこから15分ほどバスに乗って、生桑町(いくわちょう)バス停で降りる。

一緒に降りたおばあちゃんの後ろをついていくと、大きなスーパーを抜けた先に、「湯守座」の看板が見えてきた。

なかは木のぬくもりを感じる空間。

あちこちに置かれたソファーでは、館内着を着た人たちがのんびりと過ごしている。

フロントスタッフに声をかけると、ほどなくして代表取締役社長の宮本さんが現れた。

2階の宴会場に移動し、まずは湯守座について教えてもらう。

「ここはもともと、30年以上続く『天然温泉ユラックス』という温泉施設だったんです。経営難で廃業寸前になっていたところ、温泉道場が経営を引き継ぐことになりました」

温泉道場は、旅する温泉道場の親会社。

これまでに埼玉県で6店舗の直営店舗を運営しており、地域に昔からあるおふろ屋さんを個性的な施設にリノベーションしてきた。

「湯守座も、2017年にリノベーションしてオープンしました。リニューアルって、最初は話題になるのでお客さまがたくさん来てくれる。ただ、そこから進化していかなければ飽きられてしまうと思っていて」

「どう変化させていくのか考えるために、タクシーや飲食店を利用しながら、湯守座について地元の人に聞いてみたんです」

そのなかで耳にしたのが、「厳かで気軽に行く感じじゃなかった」という声。

「おふろcaféはカジュアルさを演出したはずなのに、現状はそう伝わってないんだと。その目線で施設を見てみると、ちょっと静かすぎるから音楽を流してみようとか、大浴場ののれんはもう少しポップにしようとか。改善したいことがいろいろと見えてきました」

自ら施設を使うことで、使い勝手のわるさにも気がつく。動線やインテリアの配置、雑誌のセレクトなど、細かな部分にも目を配りながら、居心地の良さを追求し続けている。

「細かい改善を積み重ねていくと同時に、大きな新しい取り組みもやっていきたい。日本でここにしかない場所をつくっていきたいなって」

温泉道場では、「おふろから文化を発信する」という考えのもと、お風呂にカフェの要素を加えたり、グランピングをテーマにした温浴施設をつくったりと、各施設で独自の場づくりを目指してきた。

湯守座では、江戸時代から庶民の娯楽として親しまれていた大衆演劇をテーマに、全国の一座を招いて芝居や舞踊、歌謡ショーなどを上演している。

「初めて観たときは僕も正直よく分からないと思ったし、『お年寄りが見るものでしょ』っていうのが若者の本音だと思っていて。どうやったらライトユーザーにも気軽に楽しんでもらえるか、いろいろ考えているところです」

劇団のインタビューをYouTubeで発信したり、ときには宮本さん自身も女形のメイクをしてショーに出てみたり。

楽しみ方を増やす取り組みを今後も模索していきたい。

「この前、うちのインターンに応募してくれた学生さんが『湯守座で大衆演劇を初めて観てから、すっかりはまったんです』って伝えてくれて。やっていてよかったなと思ったし、これからもそういう場でありたいですね」

「コロナ禍で地方が注目されている今、ローカルで何か始めるのはすごくチャンスだと思うんですよ。僕は和歌山県出身なので、紀伊半島全体のポテンシャルをもっと広めたいし、そのためにできることを増やしたいと思っています」

会社としても、将来起業を考えている社員には、新卒も中途も関係なくどんどん経営側に近い仕事を任せていこう、という考えなんだとか。

宮本さんも、温泉道場に第二新卒で入社した6年後、旅する温泉道場の社長に就任した。

「ローカルで仕事をつくることを学ぶには、ここはすごくいい環境だと思いますよ。温泉も飲食もありますし、仕事は接客から数値管理、販促までなんでもやることになるので」

「僕らの業界は特に、何もしなかったら売上がどんどん減っていくビジネスなので。常に新しいことに挑戦し続ける必要がある。最初は、そういう働き方が慣れないかもしれないですね。動かす数字もかなり大きいです」

新しく入る人も、まずは宮本さんのように施設を使ってみて、お客さんに意見を聞くところから始めたらいいと思う。

現場の改善をしていくなかで、よりお客さんのニーズに合った提案も浮かぶようになるはず。そうして挑戦した結果は数字としてあらわれるので、覚悟と度胸がいるだろうし、責任を感じることもある。

それでも、思いついたことは、小さなことでも自分からどんどんチャレンジして、失敗しながらマーケティングや経営スキルを学んでいってほしい。

 

現在、支配人を務める神保さんも、未経験から少しずつ経験を積んできた。今回募集する人は、神保さんと2人体制で支配人を担うことになる。

「前職では、地域のためになることがしたくて、警察官をしていました。次は民間の立場から地域を盛り上げたいなと思っていたときに、ここの募集を見つけて」

フロントから清掃・売店まですべてのポジションを経験したのち、売店の管理やイベントの企画・運営などを任されるようになったそう。

「行政と民間は考え方が全然違うなと。お客さまに満足してもらいつつ利益をどうあげるのか、最初は全くわからなくて苦しみましたね。そもそも、PLとかBS、KPIみたいな、ビジネスの基本も知らない状態だったので。それを理解するところからのスタートでした」

「わからないことはすぐに先輩に相談できましたし、失敗から学ぶことを大切にしている環境なので、何もわからない状態でもチャレンジしやすかったですね」

失敗を恐れず挑戦と改善を繰り返すことで、少しずつ成果にもつながっていった。

「去年から、7が付く日の朝は、サウナで熱波が受けられるサービスを始めたんです。はじめはもちろん認知ゼロ。まずは来てくれたお客さまとコミュニケーションをとるところから始めました」

「告知方法も、チラシがいいのかSNSがいいのか。どのくらいの文章量で、どんな語り口がいいのかとか、反響を確かめながらいろいろ試しましたね」

一年近く続けてきた今では、朝の熱波は常に満員。7が付く日は、通常より朝の売上もアップしているそう。

業務の具体的な線引きは決まっていないため、思いついたアイデアは企画から広報、運営まですべての分野にチャレンジできる。

自分で考えて進める範囲が多い分成長もできるし、結果が出たときはやりがいも大きいと思う。

「毎日来てくださるお客さまも大勢います。地元の方にとって、生きがいとなるような場所で働けているんだなと感じますね。コロナでお店を閉めていたときも、再開時に『待っていたよ、ありがとう』って言ってもらえて」

「地元農家さんの梨を売店で扱ったり、お茶風呂イベントをしたり。地域とコラボすることも多いんです。この前は、警察署と大衆演劇の役者さんと一緒に、振り込め詐欺に気をつけようっていうお芝居をやったんですよ。私も泥棒役になって出演しました(笑)」

そんなコラボもできるんですね!

「お風呂は、なんでもコラボできるなと感じていて。お風呂とこの施設を使えば、やりたいことが実現しやすいんじゃないかなと思いますよ」

神保さんには、夢見ている計画があるとのこと。

「実は、カジノがすごく好きなんです。昔の湯治場には博打もあったと言われているので、大衆演劇の役者さんによる和テイストのカジノが湯守座でできないかなと。味が出て面白いんじゃないかなって」

年に一度おこなわれる全社のビジネスプラン発表会でも、このアイデアをプレゼンしたそう。

社長や取締役から直接アドバイスをもらえるほか、評価によっては出資のチャンスもあるんだとか。

「この発表を通じて、本場のカジノへ研修に行く権利をいただきました。いきなりカジノは難しくても、大衆演劇の役者さんとゲームをしながらコミュニケーションできるようなコンテンツを、今後つくっていきたいですね」

 

今年の4月に入社した新入社員のおふたりも、それぞれやりたいことがあって入社を決めていた。

白地の浴衣を着ているのが、西川さん。

「デザインの学校に通っていたんですが、自分がつくったものに長く関われる仕事がしたいと考えていて。友達と遊びにきていた湯守座のことを思い出して、ここの空間づくりに携わりたいなと思ったんです」

入社してからは、フロントや清掃などの通常業務のかたわら、POPなど館内の装飾づくりを担当している。

「この前おこなった夏祭りのイベントでは、風車の装飾を担当しました。材料選びから任せてもらって。1年目のうちからやりたいことがいろいろできているのは、楽しいしありがたいですね」

西川さんの同期である片岡さんは、また違った切り口から湯守座で働くことを選んだ。

「大学で地域活性について学んでいたので、仕事でも地域に関わることがしたかったんです。このお店を通して、まちの魅力を発信できたらなと思って入社しました」

今は、地元の常連さんとコミュニケーションをとるのが楽しいそう。

「大衆演劇ファンのお客さまとか、お仕事帰りに毎日来る方とか。顔も覚えてくださっていますね。この前、落ち込むことがあってちょっとだけしゅんとしてたら『あら、元気ないわね』って気にかけてくださって。うれしかったですね」

「これからは、地域に関わることをもっとやってみたいなと思っています。たとえば、地元の農家さんがつくっているものを、イベントとかで伝えていけたらいいなって」

 

湯守座で働く皆さんは、それぞれにやってみたいこと、実現したい夢がありました。

どんな経験や個性、将来の夢も、ここで育てていけばいい。そんな懐の広さがある環境だと思います。

特に支配人候補は、現場や経営のすべてに関わっていくポジションです。自分の目標に向けて、着実に成長できるチャンスだと感じました。

(2021/8/24 取材 鈴木花菜)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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