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「私は一緒に働く仲間のことが好きなので、〇〇しなきゃっていう義務感はあんまりないんです」
そう話すのは、株式会社Rバンクで総務や営業事務などバックオフィス業務を担う中平(なかだいら)さん。
みんなのことが好き。
ちょっと照れる言葉ではあるけれど、それを声に出してくれる人がいることで、チームの空気は変わる気がする。温度が上がるような、距離が近くなるような。
一人ひとりが、安心して力を発揮できる職場環境を保つために。今回は中平さんが担ってきた仕事を引き継いで、チームを支えるスタッフを募集します。
株式会社Rバンクは、中古物件をリノベーションしたシェアハウスや、多世代コミュニティ型マンションなど、時代に合わせた空間提案を得意としている不動産会社です。
近年、京急電鉄のグループに入ってからは、都内だけでなく、三浦半島周辺まで活動エリアを拡大。ホステルという形で宿泊事業もスタートしています。仕入れやコーディネート、営業や事務など、社内の職種は多岐にわたりますが、その垣根を超えてみんなでつくる一体感がある。
今回は、冒頭で紹介したバックオフィス業務のほか、仕入れや企画を担当するソリューション事業部の営業担当も合わせて募集します。
異業種からの挑戦も歓迎ですが、できれば社会人経験はあるほうが望ましい。
経験面での不安や、フルタイム勤務が難しいなどの事情がある場合は、アルバイトからスタートすることもできます。産育休を経て復帰する人も多い会社なので、気軽に相談してみてください。
中目黒駅から歩いてすぐ、商店街の入り口のところにRバンクのオフィスはある。
玄関で靴を脱いで階段を上がり、2階のミーティングルームへ。中は白壁を基調とした空間で、どこか住宅のような雰囲気も。
はじめに話を聞かせてもらったのは、Rバンクの取締役で会社の立ち上げメンバーのひとりでもある鈴木さん。現在は物件の仕入れなどを担当するソリューション事業部の部長を務めている。
鈴木さんはもともとディベロッパーとして働いていて、より持続的な発想で建物と向き合う方法を模索するようになったという。
「建物や空間は、時代とともに求められるかたちが変わっていく。ただ、その度にスクラップアンドビルドを繰り返していては、賃料だけが高騰してしまいます」
「そこで僕らはリノベーションによって、建物のハードじゃなく、中身や機能、つまりソフトウェアを新しくするビジネスを目指すことにしました。本来、日本の建物は耐久性が高いし、時代に適応する用途に変えることでビルの寿命を伸ばすことができるはずなんです」
2006年、Rバンクを創業した当初は住宅のリノベーションに特化した事業を目指していたものの、リーマンショックなどもあり、しばらくは会社の方向性を模索する期間が続いた。
転機になったのは、飯田橋にあるビルのオーナーからの依頼。オフィスビルとして使われていた建物の活用方法を考えてほしいというものだった。
「オフィス仕様のビルなのでフロアの区切りがなく、アパートのように部屋を分割して使うことができない構造で。そこで僕たちは、ビルごとコンバージョンして、カフェやシェアオフィス、女性専用シェアハウスが一体となった場づくりを提案しました」
まだ世の中でシェアハウス自体が珍しかった時代から、少しずつ事例を増やしてきたRバンク。
DIYができる家や、ペットと暮らす家、屋上で日光浴ができる家、趣味を楽しめる家など、自分らしいライフスタイルで、安心して暮らせる住まいとして多くの支持を得ている。
楽器演奏のための防音室を備えた音楽家のための賃貸住宅など、Rバンクならではのユニークなコンセプトを持つものも多い。
「シェアハウスなどの収益物件は、個人住宅に比べて社会的な価値を可視化しやすい。ただ、実際にちゃんと収益化できるところまで責任を負うためには、企画だけでは片手落ちだと思うようになって。物件の管理や運営まで自社で担えるよう、体制を整えてきました」
Rバンクではシェアハウスのコーディネートはもちろん、一般賃貸の管理も含めて。入居者の声を聞けることは、次の企画のヒントにもなる。
近年はシェアハウスなどで得た知見をもとに、新しい事業にも挑戦できる土壌が育ってきた。数年前からは、ホステルや多世代コミュニティ型賃貸など事業の幅も広がってきた。
今後は三浦半島など、郊外にある旅館や寮などの活用を通してまちづくりにもチャレンジしていきたいと鈴木さんは言う。
「不動産業界って正直、いまだに昔ながらの空気感が残っているところも多いです。年齢も人生の経験値も高い方たちとコミュニケーションをとるときは、まずは元気で明るく。こちらが教えてもらう姿勢で向き合えるといいですね」
鈴木さんたちソリューション事業部が担うのは、Rバンクの企画の出発点。オーナーさんとやりとりをして物件を仕入れ、企画の方向性を見出す。
そこから実際にデザインを形にし、管理や運営を担っていくのがコーディネート事業部。部長の金子さんにも話を聞かせてもらう。
鈴木さんと一緒にRバンクを立ち上げた金子さんも、同じくディベロッパー出身。
Rバンクが届ける住まいや空間には、金子さんが営業として働いていた経験が活かされている。
収納の配置や水回りの使い勝手など、実際に住んでみないとわからない「ちょうどよさ」をさりげなく盛り込めるのは、入居者と直接コミュニケーションをとれることの強み。
「生活導線を考慮しながら、第一印象で『住んでみたい!』と直感してもらえるようなデザインを考えていきたいですね。トレンドにアンテナを張りつつ、未来に残していけるかどうかという普遍的な価値とのバランスも大事にしなければと思います」
金子さんはインテリアデザインを考えるときいつも、一緒に働くスタッフに意見を聞く。
子育て経験や、趣味など、スタッフのライフスタイルが企画のヒントになることも。
「Rバンクの仕事は事業部ごとに分断できるものではなく、全部つながっています。シェアハウスのノウハウをホステルに活かしたり、イベントを一緒にやったり。お互いに連携する部分もあるし、業務上の共通点も多いです」
「どの部署で力を発揮しやすいかは、その人の適性によって違うので、応募してくれる人と相談しながら決められるといいのかなと思います」
Rバンクには、異業種からの転職で入社する人も多い。
経験だけでなく、それぞれの人柄や得意なことを勘案して、社内の役割を考えていくのが、金子さんのやり方。
経験が少ない人にも「やってみない?」と声をかけて、新しい挑戦を促してきた。
「入社してから変わる子はすごく多いです。自信なさそうにしているときは、『こういう資格をとってみたら?勉強になると思うよ』って具体的にアドバイスをしてみる。それを素直に受け取ってくれる子は、本当にのびますね。」
「中平のときもそうでした。もともとは賃貸事業部のアルバイトで、営業寄りの役割だったんですが、面倒見がいいので、アドミ部に向いていると思って。やってみたら、ほんとうに天職だった。今は本当に会社を支えてくれる存在で、Rバンクの一番のファンでもあるよね」
そんなふうに紹介されたのは、入社して7年目になるという中平さん。夏から産休に入る予定だという。
担っているのは、いわゆるバックオフィスの仕事。
社内申請の取りまとめや情報共有など、日常の業務に加えて、年賀状や健康診断など季節の行事を滞りなく進められるようサポートしている。
「ここは自社ビルなので、ゴミの出し方、水回りの使い方、あとはトイレットペーパーも自分で補充してね、みたいなことをアナウンスする役割もありますね」
ちょっと世話焼きな人のほうが向いているのかもしれませんね。
「理想は、みんなの“いいお姉さん”みたいな感じです。後輩の子が電話対応で困っていたら、『それは、折り返しで大丈夫だよ』とか、『金子さんは今日何時に来るよ』みたいな感じで、手を差し伸べる役割というか。困ったときに、声をかけやすい存在でいたいなと思います」
それぞれ自分のスケジュールで動くスタッフの真ん中で、社内のみんなをつなぐのが中平さんの役割。
普段は出入り口に背を向ける形でPCの前に座っているものの、誰かが「行ってきます」という声が聞こえたら、ちゃんと体ごと向き直って「いってらっしゃい!」と送り出すのだそう。
「私、行ってらっしゃい!が好きなんです。電話中で声を出せないときは、大きく手を振りながら表情でリアクションするようにしていて。あとは、そのとき一緒に、『今日直帰?』『帰ってくるの?』っていうスケジュール確認をしたり、『頑張ってね!』って一言添えたり」
お姉さんというより、お母さんみたい。そのうち「今日ご飯は?」って聞かれそう(笑)。
「本当に!後輩の子が疲れた顔をしていると『ちゃんと食べてる?』って聞いちゃう。入社したばかりのころは、小さな声で恐る恐る話していた子も、仕事に慣れてくるとハキハキ声を出せるようになっていく。その様子をみていると私もうれしいんです」
そんな先輩たちに見守られながら、2ヶ月前からRバンクで働きはじめたのが、宮下さん。
「Rバンクは、人と人の距離感がほどよくて。いつもみんなで一緒に行動する感じではないけど、ざっくばらんに雑談ができる雰囲気もあって、わからないことを質問しやすいのはすごく助かっています」
「わたしはもともと、疑問に感じることをそのままにしておけない性格なので、先輩たちに声をかけやすいのはすごく安心します」
ちなみに、以前働いていたホームセンターでは、その学習欲が高じて、危険物取り扱いからホームスタイリストまで、幅広い資格を取得したという。
DIYも得意で、今年の1月にリリースされた「ガレージ付き賃貸」では、現場の仕込みにも参加した。
最近は、金子さんに勧められて宅建の資格取得の勉強中だという。
まだ分からないことも多い、と話す宮下さん。不安というより、まだまだ勉強できるのびしろを楽しんでいるようにも見える。
それぞれが持っている特技や興味、潜在的な強み。それを引き出し、仕事に活かせるのも、日ごろのコミュニケーションのたまもの。
業務スキルだけでなく、人柄のよさや、まじめさ、ひたむきさ、いろんな側面から長所を見つけ合うことで、バランスをとっていく。
この夏、18年目を迎えるRバンクは、今、そんな会社だと思いました。
(2023/2/3 取材 高橋佑香子)
※撮影時はマスクを外していただきました。